読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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11.26(水)読了
作家を主人公にした短編集。全8編。 有栖川アリスというと推理小説家といった印象が強いのですが、この本はいわゆるミステリではありません。ホラーやユーモア、出版者業界に関する情報なども書かれていて、興味深く読むことが出来ました。 「書く機械」……作家を缶詰にして書かせるという、ブラックユーモア的な作品。 「サイン会の憂鬱」……作家が地元の書店でサイン会を開く話。会には奇妙な人間ばかりが来る。 「夢物語」……治療行為で植物人間になった主人公。夢の中で物語の語り部となり、人気を博する。落ちが星新一的でおもしろい。 この3作が特によかった。 この本の出版は幻冬社ですが、作中で「幻冬社は何でも出版する怖いもの知らずの出版社だ」と書かれていておもしろい。 確かに、幻冬社っていろいろなジャンルの本を出してますよね。個人的には結構好きな出版社です。 PR
11.25(火)読了
借金王うさぎとくらたまの共作エッセイ集。というか、うさぎが書いてくらたまが挿絵的に漫画を挿入するという形。 この2人って15歳も年が離れているけど、仲がいいんですね。 陰毛とかウンコとか下ネタ率が高い。あとは買い物、整形幼少期の内容など、その場限り適当に書き散らしています。 時期的にまだ、くらたまの不倫については書かれていない。なんかそんなのあったよね、たしか。 これと似たような共著エッセイって以前読んだことあるなー、と思って脳内を探ったところ「鳥獣対談」というタイトルが浮かんだ。 確か、群ようこと誰かが対談した本だったな。アレと似たような感じ。まぁ、お金を使ってまで読む本じゃないかと。 寝る前のひまつぶしにいいのでは。
11.24(月)読了
第10回日本ホラー小説大賞「大賞」受賞作。 「姉」という串刺しにされた女が縁日の屋台で見世物にされていた。毎年のことだった。主人公の少年はそれを見て怖いと思った。 ある日、友達の少女に、叔母夫婦が「姉」を購入して飼育していると告げられる。ふたりで見に行くことにした。 姉はいた。農家の道具小屋の中で、叔父が姉を拷問していたのだ。見つかってふたりは逃げ出す。その夜、少女は蒸発して、叔父は死んだ。 少年は中学を卒業後、東京へ行き寿司職人となる。自分の店を構えるまでになった。 ある日、少年は姉を購入するため、業者に電話をする。姉を買った。そして、拷問を始める。 毎晩の拷問は快感だった。なにせ姉は何をやってもしなないのだ。さまざまな道具を使用し、拷問をした。 だが1ヶ月も続けると、ついに姉は死んでしまった。中毒のようになった主人公は、再び業者から姉を購入。拷問を再会。3週間で死ぬ。また買う。購入のたびに値段は跳ねあがる。業者の手法だ。しかし虜となった主人公はやめられない。 不良品を安く買わせてくれるという。買う。拷問を始める。その姉は、いつぞやの少女だった。 まあまあよくできた話。ホラーというのは物足りない気もします。 作者は大学の助教授で言語学が専門だそうです。姉飼は民俗学的内容になっているので、専門に近い分野を作品にしたのでしょう。 どうも、日本ホラー小説大賞の作品レベルが落ちているような気がします。貴志裕介や瀬名氏などは、読み応え十分かつレベル的にも文句のつけようのない作品でしたが。年々落ちてきているような……。 短編が大賞を受賞したので、他3作もカップリング。 その最初の2作がなかなか酷い出来具合で、素人が急いで書いたような作品です。ホラーですらない。 最後のものだけが、かろうじてホラー的でした。いやぁ、焦った。
11.22(土)読了
大麻取締法違反容疑で捕まった中島らもの拘留所体験記。 知ってのとおり、中島らもは大酒家でヘビィスモーカーでクスリ大好き人間です。 家をがさごそ漁れば、アヤシイクスリの1つ2つ簡単に見つかります。 ある日、マトリ(麻薬取締捜査官)がやってきてガサゴソやったらでてきましたとさ。 拘留所ではさすがに難儀したそうです。2月で寒いし、暇だし。 風呂に入らない「フロスト」ややっちゃいけない鳥への餌やりなどをして楽しんだようです。 ちなみにこの本を読むのは2度目。結構面白かったので、もう1度読んでみようかと。 『アマニタパンセリナ』(マジックマッシュルーム)などの薬物大全みたいな著作を書くから捕まるんだよなぁ。らもさんらしいといえばそれまでだけど。 結局、22日間拘留されて無事釈放。保釈金300万円。懲役10ヶ月、執行猶予3年。 まぁ、執行猶予がついたのでよしとすべきでしょう。その後、階段から落下してお亡くなりになられましたとさ。
11.21(金)読了
第1回このミステリーがすごい!大賞・大賞金賞受賞作。 海外で薬指を撃たれて失意に沈むピアニストと、脳障害を抱える少女の物語。 少女は天才的な音楽の才能があり、1回聴いた曲は間違えることなく演奏することができた。その才能を発見した主人公のピアニストは、次々に曲を教える。 各地を訪問してボランティア的に演奏をする。ある日、脳関係の研究病院で演奏をすることになり、少女と2人で訪れる。 そこのスタッフの一人に、ピアニストの高校時代の同級生の女性がいた。その女性スタッフと少女が病院の庭で視察用ヘリコプターが飛来するのを見ていると、あろうことかヘリは2人の元に墜落した。 スタッフは少女をかばって重体となる。少女は軽症ですんだが、どうも様子がおかしい。ピアニストが訝っていると、脳障害を負った少女が突然流暢に話し始めた。訊くと、どうやら少女と職員の心が入れ替わってしまったようだ。 ……というお話。はっきりいって使い古された内容で、目を引くところはありません。ミステリの賞ですが、ミステリらしいところは皆無といっていいでしょう。 率直に言うと、面白くありませんでした。500ページの長編ですが、途中になって、読み始めたことを後悔しました。せっかくだからなんとか全部読みましたけど、最後まであまり面白くありませんでした。 文章自体はとてもきれいです。ピアノを弾いているシーンや風景描写などは、あたかも抒情詩のようです。ヘッセの文章を思い浮かべました。 内容もぜんぜん悪くありません。が、面白くなかった。選者は涙腺が壊れたそうだが。うーむ。 よく考えてみる。どこが悪いのか。 まず、どうでもいい(といったら失礼だが)描写が多すぎる。風呂に入ったり食事をしたりするシーンを描く必要はないと思う。伏線として必要ならいいけれど、そうでないなら読むのが苦痛になる。 文章がだらだらっと書かれているので、場面展開をきっちりしてメリハリをつけたらいいと思う。そうすれば100ページは削れて密度も増す。 そんなところかな。あとはベタ過ぎる展開なので、もうちょっと捻りがあればよかったかな。事件が起こった途端に最後までの展開が読めたもん。その通りになったし。 批判ばかりになりましたが、文章はとてもきれいです、とフォロー。
11.19(木)読了
働く女性の短編6編。 主に適齢期を過ぎた30代女性を扱っており、仕事と結婚、子育てなどに揺れる女性心理をユーモアに描いています。 一昔前の日本では女性は寿退社が当たり前、という風潮があったそうですが、現在は当てはまりませんね。不況と雇用不安から女性も結婚後働くのが、半ば当然になってきています。 総合職の女性も増加の一途をたどっており、それらがあいまって、婚姻年齢の低下、結婚しない女性(男性もね)も増えています。 ライフスタイルの多様化ですね。ただやっぱり女性にとって結婚、出産というのは大事業であることは間違いありません。結婚は何歳でもできるけど、出産にはタイムリミットもあります。そして結婚しないと(一般的には)出産できません。 ……そんな女性心理を鋭く? 描いており、まずまず面白い作品になっています。 なんとなく群洋子の「無印良品」シリーズを思い出しました。あれも面白かった。
11.18(火)読了
第15回ホラー小説大賞「大賞」受賞作。 遺体をバラして遺品作成業を家業としている庵堂家。長男は職人として解体、作成を、3男は叔父とともに葬儀業を営む。次男は東京で普通に不動産業の営業をやっている。 遺品は骨からスプーン、フォーク、風鈴、櫛、笄(こうがい)、箸など、皮膚からハンドバッグ、ポーチなどを作り出す。脂肪は石鹸などにする。 不動産営業で疲れた心身を休ませるためと、父親の7回忌のため、次男は千葉県茂原市の実家へ戻る。7回帰までは10日あるが、兄は仕事で忙しく、文字通り寝食を削って遺品作成をしている。次男は汚れ放題の家の掃除をする。 そんな時に、先代まで繋がりのあったヤクザ業の組長から依頼が舞い込む。不慮の事故死をした9歳の娘を剥製にしてほしいという。 7回忌までは仕事を断る予定としていた長男だが、相手は庵堂家と因縁の深い組織だった。とても断れず、無理を承知で依頼を受ける。長男は連日寝ずに仕事を続ける。 剥製が完成間近いのある日、組長夫婦が商売敵にそろって命をとられる。依頼は中止。だが長男は納得いかず、完成まで頑張る。完成。家族3人揃って盛大に火葬される。 さて、この3兄弟、実は誰一人血が繋がっていないということを長男から告げられる。ヤクザの依頼で見せしめに生きたまま解体されたヤクザ者の遺児を、先代が引き取ったのが長男と3男。実の息子は次男だけ。 最終的に、長男の提案で3兄弟は家業を解散。それぞれの方向へ進んで行くことになるが、どうも3人が3人とも遺品作成業に関わるという選択をするようだ、というオチ。 さて、本作をホラー小説とみなしていいのかどうかわかりません。というのは、あまり怖くないからです。 ホラーというよりもむしろ、サスペンスやヒューマンドラマといった方が適切かもしれません。 恐怖を期待して読んだ方は残念に思うかもしれませんね。 3人称で3兄弟に視点がポンポン飛ぶのが文章の特徴です。いきなり視点が移り変わるので戸惑う部分もありましたが、ストーリー設定はまずまず良いと思います。 ちなみに3男、汚言症という汚い言葉を使用してしまうという精神的な病気に罹っていて、「糞」という言葉を連発します。 「糞糞糞糞糞糞糞」などと叫ぶのですが、おそらくこれは「ジョジョの奇妙な冒険」のオマージュ(といっていいのかわからないが)ですね。ほぼ間違いありません。
11.17(月)読了
ジュニア向けファンタジー小説家、中村うさぎのエッセイ集。『だって、ほしいんだもん』の続編にあたります。 この人のエッセイの特徴として、ガバガバ金を使うこととシモネタ(ウンコの話が多い)があります。 ちょっと買い物に行って100万円。傘を買うつもりが、バッグに服にハンドバッグに150万円。 あげくのはては衝動的に3800万円のマンションが頭金100万円だから購入しようとしたり。頭金を父親に借りようと電話して一喝されて、あきらめたそうですが。 まあ、不動産はネタでしょう。たぶん。 ブランド品の類は、本人も言っているように、買い物依存症の気があるようです。収入が相応にあるから大丈夫なんでしょうけど(30万円オーバーの賃貸マンションに住んでるそうです)。 カードローンを払えなくなって自己破産する典型を見ているような気になります。 スニーカー文庫で連載していたエッセイのようで、文章もそれにあわせています。 「だまれっ!!!!!」(←こんな文章ね) 私的には、エッセイではギリギリ読めるけど、この文章で小説を書かれたらそれだけでアウトです。 だから、ライトノベルは受けつけない。生理的にダメ。 「!!!!!」「…………」(←腹たつ) 『涼宮ハルヒ』が読めるぎりぎりだね。 閑話休題。 さて、この人って、ファンタジー書いてるんでしょうか? 本屋でも見たことがありません。 『家族狂』という本を手にとったことがありますが、図書館で借りただけで読まずに返しました。あまり面白そうでなかったので(借りるな)。 次に見かけたときは、がんばって読んでみるかな。
11.15(土)読了
中学生の芳山和子は、理科準備室で不審な人影を発見する。しばらくするとその影はなくなったが、テーブルの上にはラベンダーの匂いのする薬品がある。それを嗅いだことをきっかけに、時空移動をするようになる。 未来から数日過去に戻った和子は、同級生の浅倉吾郎の家が火事になるのを防いだり、事故に遭うのを防いだりする。 もうひとりの同級生、深町一夫と3人で先生のところに相談にいく。和子は、こんな能力はなくなってほしかった。その結果、もう一度タイムリープをして、理科準備室の人影を確かめないとダメだという。 過去に戻った和子は、理科準備室で人影を待ち伏せして、顔を見る。なんとその人は、同級生の深町一夫だった! 彼は600年以上先の未来人だった。彼は小学生ながらタイムリープの研究をしており、その結果、この世界に来てしまった。だが、帰るための分の薬品を持ってくるのを忘れてしまった。しかたなく、ここの中学生となって薬品を作り上げているのである。 方法は集団催眠術。みんなを催眠状態にして、わずか2ヶ月前にこの学校に来たにもかかわらず、2年以上前から知己という記憶をみんなに植え付けたのだ。 本来は未来のことは過去人に話してはいけないのだが、例外がある。帰る前にその人の記憶を失わせればいいのだ。ここで一夫は和子に告白する。好きだと。和子は記憶がなくなるのが悲しくてしようがない。だが、これは仕方のないことだった。 記憶は消失し、一夫という存在も消えた。みんなの記憶から消えてしまった。ラベンダーの香りが彼の住んでいた家の庭から漂っている。 と、いうのが「時をかける少女」のあらすじ。単純な時空SFものです。 なんと、これ、32年前に書かれたのですね。 筒井康隆というと、文章に癖がある印象があったのですが、この本はごく普通の文章で書かれています。ひらがなを多用しており、情景描写もとてもシンプルです。 内容的には、まあまあ。対象年齢は小学生~中学生くらい。 その他、「悪夢の真相」「果てしなき多元宇宙」の2編を収録。 電車の中でリラックスして読むのがいいかな。
11.13(木)読了
佐倉アスリート倶楽部代表、小出義雄のマラソン指導記録。 小出氏は、高橋尚子選手や千葉真子選手といった一流マラソン選手を指導した監督として有名です。 この本は4年前のアテネオリンピック直前に緊急出版されました。 高橋尚子選手の落選秘話や選考基準、プロ化など、内容は多岐にわたっています。 高橋尚子選手はシドニーで金メダルを受賞したあと、アテネ、先の北京と残念ながら出場することができませんでした。 そして先月、プロ選手としての引退を表明しました。おつかれさまでしたと言いたいです。 小出監督の書籍はいままでに数冊読んできましたが、高橋選手の練習量はハンパではありません。 練習期には毎日40キロ近く走ったり、3500メートルのボルダーで高地トレーニングを積んだり……。 そんなことを4年間ずっと続けて、代表選考を得てオリンピックに出場するのです。 私も毎日10キロ弱を4年近く走っていますが、それだけでも、「あー、今日は疲れてるからやめとこうかな……」などと思ってしまいます。 やはりプロ選手は並ではないなと思います。 |
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