9月30日
「大人のアスペルガーを知る本」(上野一彦)
大人のアスペルガーについて分かりやすく書かれています。
アスペルガーは昔は子供だけの障害と考えられていましたが、最近は大人のアスペルガーが問題となっています。空気が読めない、皮肉や冗談を真に受ける、簡単な作業ができない、マルチタスク能力に欠けるなど、日常生活をする上で大切な能力が弱いなどが特徴です。
良い面もあります。単純作業やこつこつした作業を早く、長く続けることができる。興味のある分野に関しては驚くべき能力、集中力を発揮する。単純記憶能力に優れるなどです。
アスペルガーは治らないので、個人の興味の方向性に合った生活を送ることが大切なようです。短所を改善するのではなく長所を伸ばすがアスペルガーの人には大切です。
「大人の発達障害」(林寧哲)
ASD、ADHD、LDなどの発達障害を中心に紹介しています。
ASDとLDは薬での改善は難しいようですが、ADHDは薬の服用により改善されるので、上手に服用することが社会生活を円滑に進めるために必要でしょう。また、ASDとADHDは結構な確率で両方患っているようなので、専門のお医者さんに診断してもらうことも大切です。
この本の良いところは、日々の生活をする中での対処法が載っていることです。「敬語は相手によって使い分ける」「冗談には笑顔で対応」など、普通の人には当たり前のことですが、発達障害の人にとってはよく分からないことです。知識で覚えて対応するのはとても大切です。ただ、何が冗談か分からないのが問題ですが……。
公的サービスなどについても書かれているので、参考にするのもいいと思います。
精神科医が伝えたい「発達障がい」でもだいじょうぶ!(端谷穀)
自身も発達障害があるという精神科医が書いた本。
発達障害総論のようなことが書かれており、それぞれの障害がどのようなものかを理解するにはよいと思います。
ただ、精神科医ならではの秘策や裏話など、もう一歩踏み込んだ内容があれば、さらによかったかな。ちなみに医者、特に精神科医には発達障害が多いようです。精神科医を選択するのは変人が多いと医者の中で揶揄されていたことを考えても納得です。
「自分の「異常性」に気づかない人たち」(西多昌規)
精神科に来院する「異常」な人たちに焦点を当てています。
異常とはいってもうつ病やアスペルガーなど誰にでも罹患する可能性のある病気で自発的に精神科に訪れている人が多数なので、その意味では自分の異常性に気付いている人たち。タイトルに偽りありなのでは、と思ってしまいます。
ともあれ、異常な人は自分の異常性に気付いていないことがあるので厄介。異常性に気付いた人は案外異常ではないのではないか、とこの本を読んで思いました。
「早川書房70周年記念コミックアンソロジー★ミステリ編」
多数の漫画家さんが描いた短編のアンソロジー。
面白いものから、そうでもない漫画までたくさん盛り合わせ。後者が多いと感じたのはご愛敬。
個人的には「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」が面白かった。タイトルも秀逸。
「早川書房70周年記念コミックアンソロジー★SF編」
上記漫画のSF編。
手塚治虫、松本零士、石ノ森章太郎などビッグネームが揃っており、ミステリ編よりも面白かった。
「魔法少女タイムちゃん」なる短編が面白い。女子中学生がピロリロリーンと変身する漫画。ベタ感がたまらない。暇つぶしに最適。
「死刑執行中脱獄進行中」(荒木飛呂彦)
ジョジョシリーズで有名な大御所の短編漫画。作風はいつも通りで内容や世界観もジョジョ的。
おそらく大昔に読んだことがあるのだと思う。なんとなく記憶にある。だけどほとんど忘れていたので面白く読めた。
後書きにあったが、短編をあまり書かないのはもったいないから。短編1本よりも膨らませて長編にするほうがいいとのこと。ある意味合理的。星新一も似たようなことを書いており、ギャラの値上げを要求したそうだ。ショートショートなんて1作品数枚だから、いくら案があっても足りない。長編だと1つの案で1本描ける。この差は大きい。
「Mr.都市伝説 関暁夫のファーストコンタクトバシャール対談」(関暁夫、ダリル・アンカ)
吉本芸人で都市伝説の語り手の関氏とバシャールとの異色対談。
なぜ関暁夫なんだろうというつっこみはさておき、まずまず面白かった。ブラックホールとホワイトホールの話など、エンタメやSF本として読むこともできる。
話の中で、エササニ人の周波数は33万、地球人は平均して7~9万ヘルツと書かれていたが、他の本では17~19万と書かれていたような。おそらく後者が正解。修正を求む。
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