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読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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11.18(火)読了
第15回ホラー小説大賞「大賞」受賞作。
遺体をバラして遺品作成業を家業としている庵堂家。長男は職人として解体、作成を、3男は叔父とともに葬儀業を営む。次男は東京で普通に不動産業の営業をやっている。

遺品は骨からスプーン、フォーク、風鈴、櫛、笄(こうがい)、箸など、皮膚からハンドバッグ、ポーチなどを作り出す。脂肪は石鹸などにする。

不動産営業で疲れた心身を休ませるためと、父親の7回忌のため、次男は千葉県茂原市の実家へ戻る。7回帰までは10日あるが、兄は仕事で忙しく、文字通り寝食を削って遺品作成をしている。次男は汚れ放題の家の掃除をする。

そんな時に、先代まで繋がりのあったヤクザ業の組長から依頼が舞い込む。不慮の事故死をした9歳の娘を剥製にしてほしいという。
7回忌までは仕事を断る予定としていた長男だが、相手は庵堂家と因縁の深い組織だった。とても断れず、無理を承知で依頼を受ける。長男は連日寝ずに仕事を続ける。

剥製が完成間近いのある日、組長夫婦が商売敵にそろって命をとられる。依頼は中止。だが長男は納得いかず、完成まで頑張る。完成。家族3人揃って盛大に火葬される。

さて、この3兄弟、実は誰一人血が繋がっていないということを長男から告げられる。ヤクザの依頼で見せしめに生きたまま解体されたヤクザ者の遺児を、先代が引き取ったのが長男と3男。実の息子は次男だけ。

最終的に、長男の提案で3兄弟は家業を解散。それぞれの方向へ進んで行くことになるが、どうも3人が3人とも遺品作成業に関わるという選択をするようだ、というオチ。

さて、本作をホラー小説とみなしていいのかどうかわかりません。というのは、あまり怖くないからです。
ホラーというよりもむしろ、サスペンスやヒューマンドラマといった方が適切かもしれません。
恐怖を期待して読んだ方は残念に思うかもしれませんね。

3人称で3兄弟に視点がポンポン飛ぶのが文章の特徴です。いきなり視点が移り変わるので戸惑う部分もありましたが、ストーリー設定はまずまず良いと思います。

ちなみに3男、汚言症という汚い言葉を使用してしまうという精神的な病気に罹っていて、「糞」という言葉を連発します。
「糞糞糞糞糞糞糞」などと叫ぶのですが、おそらくこれは「ジョジョの奇妙な冒険」のオマージュ(といっていいのかわからないが)ですね。ほぼ間違いありません。
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