読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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12.30(火)読了
会社を潰して妻とは離婚、子供は妻のもとへ。借金にまみれた男は養育費として月15万を送っていた。4ヶ月前から30万になった。高校の同級生に雇ってもらった営業の仕事は月30万。当然暮らせないが、水商売をしているマリのマンションにしけこみ、なんとか生活をしていた。 そんなある日、前から心臓を患っていた母親が危険な状態になった。安男は3人いる兄と姉に手術の相談をするが、それぞれ偉くなった彼らは冷淡にも突き放す。安男は憤り、金はないが自分が母親を助けるのだと、唯一の希望を胸に、自分の運転する車で百マイル(160キロ)を走り、遠いサン・マルコ病院へと向かう。 というお話。母親の凄さと、水商売をしているマリの素晴らしさを感じることが出来ました。なにしろマリは、安男が英子と寄りを戻せるようにと、安男が好きにもかかわらず、あえてセッティングをしました。そして、安男がマリに誠意を見せようと彼女の安マンションに向かったラストには、彼女は簡単な書置きとともに去ってます。なかなかできることではないと思います。 反面、兄弟の態度には腹が立ちました。どうしてあんなにも冷たくできるのか。理解に苦しみます。 なにはともあれ、ハッピーエンドで終わっているところがいい。読後感の良い作品です。 PR
12.29(月)読了
表題作「キッチン」、キッチンの続編「満月」、「ムーンライト・シャドウ」の3作を収録。 実に10数年ぶりの再読になりますが、読んだ瞬間、「ああ、これこれ……」と思ってしまいました。なにが「これこれ」なのかというと、ばなな独特の文章に原因があります。 文章特徴として、文章の末尾を「と言った。」で終えるというのがあります。単純でそっけないけど、すっきりはします。表現としては「たまらなく」や「ものすごく」など、村上春樹が使いそうな表現法を使用しています。少なからず村上春樹の影響があるのではないかと推察します。 さて、吉本ばななの本を読み返そうと思ったのは、彼女の本は暗いという印象が私の心に根強く残っており、はて、そんなに暗い話だったかなと首をかしげたことが原因でした。読み返してわかりました。内容自体も人がたくさん死んで明るくはないのですが、最大の原因はその文章の暗さです。 暗さといったら語弊があるかもしれない。そっけなさ、無感動さ、機械的な……そんな感じを文章全体から受けるのです。しだいに心の底から寒くなってきて、読み終えるころにはぶるっと震えてしまいました。ある意味、すごいと思いました。 一番おもしろかったのは、「ムーンライト・シャドウ」。学生時代に書いた処女作だそうです。すばらしい。 吉本ばななは村上春樹についで、日本人作家では海外で2番目に売れている作家なのだそうです。難しい語はほとんど使われていないので、訳するのは簡単そうです。
12.26(火)読了
人の死に方について書かれている本。 上野氏は法医学の専門家で、監察医として多数の遺体を検死された経験を持つ人です。『死体は語る』などのベストセラーも出したという有名な方です。 この本を読むと、人間はほんのささいなことでも死んでしまう危険があるということがわかります。幼児や高齢者はいうまでもなく、健康で若い人でもポックリといってしまうことがあります。「ポックリ病」などはその典型です。老人よりも若い人がポックリと逝ってしまうようですから。 とはいえ、やはり幼児と高齢者は身体が弱いので、若者よりもリスクが高い。乳幼児などは首が据わっていないので、たかいたかいなどをしただけでも、脊髄に損傷が出来て死亡原因になることがあります。高齢者は入れ歯を喉に詰まらせたり、お風呂に入って心臓麻痺に陥ったり、やはりリスク要因は多い。 このような危険に直面した場合、知識があるのと無いのではまったく違うと思います。 子供がタバコを飲み込んだら、水分は飲ませずに吐き出させる(ニコチンは水溶性なので)。洗剤を飲み込んだら、水か牛乳を飲ませて吐き出させる。乾電池を飲み込んだら、体内で腐食する前に病院に連れて行かせる。子供は誤飲をよくするので、これくらいは知っておきたいものです。
12.25(木)読了
日本軍に徴収された豪華客船、弥勒丸はアメリカ潜水艦3隻の魚雷によって沈没。ベーカーと唯一の海軍将校のみが助かる。 謎の台湾人の正体はこの海軍中尉。彼は自責の念から弥勒丸の引き揚げを半世紀にわたって画策する。これは日本人により達せられないといけないという思いから、アメリカや大陸からの引き揚げ援助を拒否、日本人2名の命を奪ってまでも100億円を集めて引き揚げを実行する。 元海軍中尉の執念には驚かされます。しかし、やり方としてはどうなのか。人の命を奪ってまでもやることなのだろうか。エゴイスティックなところがあるのではないだろうか。 ちなみに、弥勒丸は南方からの金を大量に積載して上海に向かっています。中国の貯備銀行が破産しそうなため、そこに送り届けて金貨を鋳造するためです。銀行が潰れてしまったら大陸経営が成り立たず、それはつまり、大戦を始めるに至った意味そのものが失くなってしまうからです。 上下巻合わせて700ページに及ぶ大作です。弥勒丸の乗船員やその他の人たちの気持ちなどもよく描かれており、なかなかの良作でした。
12.22(月)読了
食品添加物の専門会社に勤務していた著者が、退職後にまとめた添加物の危険性を警鐘した本。 安部司氏は元々、食品添加物のトップセールスマンだったそうですが、その添加物の危険性に気づいて会社を退社したそうです。 食品添加物は1500種類以上もあるそうですが、彼はそのほとんどの特性や特徴を暗記していて、食品を食べるだけでどんな添加物が加味されているのかわかる「添加物利き」でもあります。 この本を読んだら、食品にはあらゆる添加物が使われているということがわかります。添加物を使用してない食品はほとんど無いか、あってもとても高価なものです。 健康には変えられないと高価な食材を購入するか、家計を考えて安い食材を購入するかは個人の自由だけれども、添加物表示はすべて記載することによって、一般消費者がきちんと選択できるようにすることが大切、と氏は語っています。 近年、食物関係の汚染や誤表示問題が取りざたされています。このようなものはもはや、毒物を提供しているにすぎないような気がします。 添加物表示もいろいろとからくりがあって、ガムなどの小さな食品には努力義務のようなものが付けられるだけであったり、店舗で料理しているお惣菜などは表示免除などの規定があります。 いやはや、なにを信じればいいのか……。 もっとも確実な方法は自分で野菜などを無農薬有機農法で栽培して食することですが、これは難しい。となると、表示をちゃんと見て、少しでも添加物の数の少ないものを買うしかありません。 アスパルテームやサッカリンなど、赤玉、黄色なんとかといった添加物食品は購入しないこと、など最低限の知識も必要なようです。 どこぞの主婦雑誌によく掲載されている、安いものに飛びつくだけが「やりくり上手の賢い主婦」というわけではなさそうです。知識も重要ということですね。
12.19(金)読了
第二次世界大戦に徴用された世界最高峰の豪華客船「弥勒丸」。赤十字の使命により、日本軍の東南アジアの捕虜収容所に量米などを運ぶ。見返りは航行の安全と、その他日本軍の物資の輸送を事実上許可するというものだった。そして弥勒丸には山下陸軍の金塊を大量に積み込み、日本に持ち帰るという作戦を立てる。ところが、帰国途中で弥勒丸はアメリカの潜水艦により沈められてしまった。金塊とともに。 それから50年以上たって、弥勒丸の引き揚げ作戦が、街金社長の主人公に持ちかけられる。依頼人は大人風の台湾人。依頼はつまり、彼の金主のヤクザのドンに渡りをつけ、100億の引き揚げ費用を借りつけるというものだ。 主人公たちが裏を探りながら上に話を持ちかけると、思いもかけぬほど大きな仕事だということがわかる。弥勒丸撃沈には、大きな裏があったようなのだ。 有名な「シェエラザード」の上巻ですが、なかなか読み応えがあり面白いです。 筆致も申し分なく、下巻にも期待が持てます。(下巻に続く)
12.17(水)読了
奇跡的な出来事に遭遇した人々を紹介している。2読目。 短編小説のネタ探しとして読んでみたのですが、世の中にはいろいろな目に遭っている人がいるなぁと思いました。 何度も落雷にあって7度目に死んだ男性。拳銃自殺を図り6発も自分に撃ったにもかかわらず死ねなかった男性。海で溺れて13日もエイに乗って大海原をさまよったあげく、助かった少年。こういう話は大好きです。 バーミューダトライアングルや第一次大戦で英軍を救った天使の部隊、雲とともに忽然と消えた英軍、こういった世界のミステリ体験は昔よく読みました。胸を弾ませながら読んだものです。ミステリサークルがいたずらで作成されたと知ったときは、がっくりきたものです。 結果、小説のネタは見当たりませんでした。やはり自分の頭で考えて書けということでしょうか。
12.16(火)読了
FBI捜査官という触れ込みの同氏の預言書。1997年時点で透視した結果を本書に収録しています。 さて、FBI捜査官は自分の身分や年齢、職業などを一般にさらしてはいけないそうです。日本でも警察の捜査官や公安職員はTVに出演したりしませんね(北芝健は例外です)。それと一緒です。 つまり、FBI捜査官という触れ込みを使用する時点でアウト。第一彼のプロフィールを見ると、元t軍属ということは書かれているが、FBIに所属していたとは書かれていない。これは・・・・・・。 というつっこみは置いといて、内容にいきます。透視結果は震災、経済、戦争、エネルギー問題等々、多岐にわたっています。 透視内容を知りたい人は、本書を読んでくださいということで。的中率などの情報は一切記載されていません。イラク戦争などは的中させたそうですが、これは一般人でも予測できるものなので・・・・・・。 1000年先の世界を透視したものが書かれていますが、これが一番興味深かった。エネルギーは無限にあり、その結果、人類は生存のために仕事をする必要がない。まさにパラダイスです。 しかし、あくまでそれは1000年後。現在の人類はみんな死んでいます、残念ながら。 近未来の予言としては2010年のものなど多数ありますが、予言というより予測の範囲を出ていないような気もします。 『2015年にインターネットを使用している人類は630万人』などというものもありますが、2008年現在でも数十億人が使用しています。これは桁外れのハズれかた。経済も2008年は好調とのことですが・・・・・・。 というわけで、あくまで読み物として楽しむのがいいでしょう。ファンタジーとして読むと楽しい本です。
12.15(月)読了
ブラジル人予知能力者、ジュセリーノの予言集。2007年10月時点での予言。 この本の最終章には、日本や世界の近未来についての予言が書かれています。それによると、 ・遺伝子組み換え食料は人類に害を及ぼす。10年後にはその問題が発見される。 ・2010年、日本人の平均寿命は男女とも73歳になる(現在は79歳)。 ・日本の消費税は35%にまで達する可能性がある。 ・2010年にアメリカ株式市場が崩壊。その後3年は世界経済に影響(←2008年現在のことか?)。 ・2010年、日本のタバコ一箱は10米ドル(1000円程度)。 ・日本の地価はますます上昇する。2041年以降には下降しはじめる。(←現在下降していますが・・・・・・) ・日本は2010年までに経済成長の波が訪れる。その後6年間は米市場崩壊で危機に陥る。 ・富士山が8年以内に噴火。 ・2016年、日本でオリンピック開催(東京か?)。 ・2018年、日本、またはイギリスでワールドカップ開催。 ・2010年、ワールドカップで日本は予選敗退。監督は岡田監督ではない。 ・日本人ノーベル賞受賞者は2015年以降になる。早まる可能性もある(2008年、多数受賞した) ・2009年1月25日、大阪神戸でM8.9の大地震が起こる。 などなど。あくまで予言ですからどうこういうつもりはありませんが、トンデモ的なものも含まれています。あと2年ちょっとで平均寿命が6歳も縮むとは、ちょっと考えづらい。一気に一千万人の日本人が死ねばそうなるかもしれませんが・・・・・・。 タバコ一箱1000円はありうる。日本でオリンピックは可能性低いかな。ワールドカップは2002年にやったばかりだし。 大きなつっこみどころは日本人ノーベル賞受賞者ですが、今年の大量受賞は見越せなかったようです。 的中率90%を誇るというジュセリーノ氏ですが、どうも大風呂敷かと。書籍等の予言をざっと見るだけでも、的中率10~15%程度だと思います。 仮に本当に90%的中させていたら、国家が絡んでくるか、どこぞの組織に拉致されているでしょう。そして株式相場を予知させたり、うんたらかんたらさせたり、利用価値は絶大です。とても無事に生存できているとは思えません。 ちょっと辛口コメントかな。しかし警鐘という意味では有意義なアドバイスだと思います。『センス・オブ・ワンダー』に通ずるものがあります。 予言やスピリチュアルという言葉にアレルギーのある人は、環境問題を論じた本と捉えて読むといいでしょう。
12.12(金)読了
辛酸なめ子がさまざまな職業を一日体験して、女を磨くというエッセイ集。あいもかわらず、美しくも丁寧な文章でつづられています。 なめ子氏、実は「片付けられない女」のようです。自宅のマンションの様子を写真で公開していますが、すさまじいほどの週刊誌やら何やらの山。あそこまでたまると、片付ける気も失せるのだろうなぁ、と。 人ごとではありません。かく言う私も、2、3年前までは部屋がそのようなありさまでした。本を読んでも本棚はいっぱい。面倒だから部屋の隅に置くことにする。月日の経過とともに山が築かれ、気づけば2、300冊たまっていたという心温まる思い出があります。 ブックオフで売却したら7000円余になりました。お疲れさまでした。 日々の掃除はこまめにやりましょう、ということでしょうか。 教訓をありがとう、なめ子さん。 |
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