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読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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12.29(月)読了
表題作「キッチン」、キッチンの続編「満月」、「ムーンライト・シャドウ」の3作を収録。
実に10数年ぶりの再読になりますが、読んだ瞬間、「ああ、これこれ……」と思ってしまいました。なにが「これこれ」なのかというと、ばなな独特の文章に原因があります。

文章特徴として、文章の末尾を「と言った。」で終えるというのがあります。単純でそっけないけど、すっきりはします。表現としては「たまらなく」や「ものすごく」など、村上春樹が使いそうな表現法を使用しています。少なからず村上春樹の影響があるのではないかと推察します。

さて、吉本ばななの本を読み返そうと思ったのは、彼女の本は暗いという印象が私の心に根強く残っており、はて、そんなに暗い話だったかなと首をかしげたことが原因でした。読み返してわかりました。内容自体も人がたくさん死んで明るくはないのですが、最大の原因はその文章の暗さです。
暗さといったら語弊があるかもしれない。そっけなさ、無感動さ、機械的な……そんな感じを文章全体から受けるのです。しだいに心の底から寒くなってきて、読み終えるころにはぶるっと震えてしまいました。ある意味、すごいと思いました。

一番おもしろかったのは、「ムーンライト・シャドウ」。学生時代に書いた処女作だそうです。すばらしい。

吉本ばななは村上春樹についで、日本人作家では海外で2番目に売れている作家なのだそうです。難しい語はほとんど使われていないので、訳するのは簡単そうです。
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