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読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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2.10(日)読了
親の遺産で無為な生活を送っている島村は鉄道で雪国へ向かい、車中で病人らしき男と一緒にいる娘・葉子に興味を惹かれる。温泉場の宿において芸者の手が足りないため、島村の部屋にお酌に来たのが19歳の駒子であった。次の日島村が、女を世話するよう頼むと駒子は断ったが、夜になると酔った駒子が部屋にやってきて、2人は一夜を共にする。駒子に誘われ、駒子の住んでいる部屋に寄ると、そこは踊りの師匠の家の屋根裏部屋だった。鉄道内で見かけた2人は師匠の息子(行男)と娘(葉子)だったことを知る。その後、按摩から聞いた話で、駒子は行男の許婚者で、治療費のため芸者に出たと知る。但し、駒子は許婚者であったことを否定する。島村の滞在中に行男は死亡する。
翌年秋、再び温泉場に訪れた島村。2月に来る約束を踏みにじったと駒子は怒る。行男も踊りの師匠も亡くなったと聞き、島村は駒子と墓参りに行く。墓地で葉子に出会うと、駒子の機嫌が悪くなる。島村は葉子にも魅力を感じ、言葉を交わす。葉子は島村に一緒に東京に連れて行ってほしいと言う。
島村は家族(妻子持ち)を忘れたように、冬の温泉場に逗留を続ける。ある夜、映画の上映会場になっていた繭倉(兼芝居小屋)が火事になる。人垣が見守る中、葉子が繭倉の2階から投げ出される。駒子は必死になって葉子を抱きかかえる。空にはさあと音をたてて天の河が瞬いていた。

有名な雪国のあらすじです。主人公が訪れた温泉場における、芸者・駒子、踊りの師匠の娘・葉子、主人公・島村の三角関係の恋愛叙事詩となっています。この小説は情景や心理描写が非常に多く使われていて、枕草子や和歌などの系譜にある日本的な美観を発現しているといわれています。ラストは繭倉が火事になり、恋のライバルである駒子が葉子を助けるといった場面で終わります。パッと燃え上がり、一気に物語を終わらせる手法も秀逸です。

「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」の冒頭であまりにも有名なトンネルは、群馬県と新潟県の県境にあります。私はこのトンネルを高校の修学旅行の時に通りました。トンネルに入る前(群馬側)は雪の気配はまったくありませんでしたが、トンネルから抜けると(新潟側)一面の銀世界、はっと息をのみました。「雪国」は本当だったのかと非常に感激したのを覚えています。自分の目で見るまでは、川端康成のフィクションではないかと思っていました。小説の舞台を実際に訪れてみることも、作品を知るうえで重要だと感じました。

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