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読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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2.10(日)読了
中島らも氏の対談集。相手は野坂昭如、チチ松村、松尾貴史、ツイ・ハーク、井上陽水、山田詠美、筒井康隆の7名。野坂昭如氏との対談が非常におもしろかった。野坂氏が週刊文春で「自分はもはや体制であるのになぜ若い者はかかってこないのか」と発言。それに発奮したらも氏は、酔った勢いもあり野坂氏に対してFAXで果たし状を送付。これを受け取った家族は驚愕し、野坂氏本人には見せずに封印する。これはおもしろいということで、野坂VSらもの対談が実現。
らも氏は果たし状のことを回想して、そのころはアルコールでドロドロの状態にあり、そこから抜けるためには何かが必要だった。何かとは、強烈な戦いのようなものだ。そんなものがないと、どんどん地獄に堕ちていくような気がした、と書いている。白羽の矢を立てられた野坂氏はご愁傷様である。なぜ21歳年下の若造から果たし状を送られねばならないのか。おまけに野坂氏は果たし状を読んでいない。因縁つけるのも大概にせい!という感じか。
とはいえ、野坂氏はらも氏とまったく何もないわけではない。「今夜、すべてのバーで」という作品を山本周五郎賞に推したのも野坂氏だ。理由は、今のうちに賞を与えてこちらに取り込んでおかなければ、どこへ行ってしまうかわからない、というもの。これに対しらも氏は「俺がどこへ行こうが大きなお世話だ」と立腹。因縁覚めやらぬ場での対談だったのだ。
こんな両者の話し合いなので、対談内容はかなりピリピリしたムードが漂っていておもしろい。らも氏の才能を買っている野坂氏に対し、21歳年上の大先輩に一歩も引かないらも氏はさすがだ。野坂氏がいつキレてもおかしくない状況なだけに、読んでいるがわでも冷や冷やしてしまう。
最後にはしっかりオチも付けられており、読んでいてとても楽しかった。肩が凝らずに読める対談集は、やはりいい。
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