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読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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2.14(木)読了
ジプシーを轢き殺した弁護士のウィリアム・ハリックは、長老ジプシーのレムキに痩せていく呪いをかけられてしまう。それ以後、112キロあったハリックの体重は食べても食べても減っていく。事故後の検分を十分にやらなかった警察署長ロシントンは、呪いで顔中がケロイド状態にされ拳銃自殺、ハリックを無罪とした判事のロシントンは鰐のような肌にさせられて飛び降り自殺をする。
ハリックは妻と精神科医により強制入院させられそうになるが、暗黒街の実力者ジネリの助けをかりてシプシーたちを追う。その間も体重は減り続け、骨と皮だけになり、不整脈の症状もでる。ジプシーの娘により手を貫通する怪我を負うも、ジネリの活躍によりレムキに呪いを解かすことに成功する。その間、ジネリはジプシーの娘に殺害される。
呪いはパイに乗り移らせたので、このパイを誰かに食べさせなければならない。ハリックの体重は徐々に増えていき、頃あいを見計らって家に戻る。妻は涙ながらに迎えてくれる。ハリックはパイを妻に仲直りのプレゼントとして差し出す。妻がこれを食べるとどんな呪いがかかるのだろう、と想像しながら眠りにおちる。夢のなかで、娘と2人で生活する未来をみる。収入は多くはないが、順調な生活を営んでいる。ある日、娘が訴えかける。お父さん、なぜだかわからないけど鼻がとれちゃったの!目を覚ましたハリックは、娘が帰ってきていたことに気づく。娘は妻と仲たがいし、親戚の家に泊まっていたのだ。台所には2人分の皿とフォークが置かれている。戸棚には妻と娘が仲直りとして食べたのだろう、パイが4分の1ほど減っている。ハリックは絶望し、残りのパイを食べ始める。たらふく食べてしまえ、と。

ホラーというよりも心理小説といったテイストに仕上がっています。おどろおどろしい描写は少ないですが、徐々に痩せてくるという設定はじわじわと締めつけられるものがあります。この小説を味わうには、主人公への感情移入が必須条件。字面だけを追っていてもあまり面白くない。主人公になりきって、徐々に痩せてゆく恐怖、心臓が引きつる恐怖、いつ心臓が止まってしまうか判らない心理的恐怖を味わってください。

著者はリチャード・バックマンとなっていますが、実はこれはスティーヴン・キングのことです。「小説作法」でも書かれていますが、当時のアメリカでは小説家は1年に1冊しか作品を発表しないという慣行がありました。多作のキングはそれを避けるため、リチャード・バックマンという別のペンネームで今作品を発表しました。「かもめのジョナサン」で有名なリチャード・バックからとったのかも知れません。

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