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読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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2.7()読了

輪廻転生をテーマにした本。

強い磁場に引きつけられ、あるときには鳥に、またあるときには犬に、猫に、魚に、昆虫に生まれ変わっていき、その時々の生命を体験していきます。

鳥の生では奇形として生まれ昆虫の生では農薬で死に、犬の生では飼い主に「毒を吐くゴミ捨て場」に捨てられ、子供たちに撲殺され、人間の生では放射能や化学薬品の影響で先天性脳障害として生まれ19歳で死にます。

さまざまな生命を体験した末に人間の少女に生まれ変わりました。その生では核戦争が勃発し、彼女は世界でたったひとりの生存者となります。死のときに楡(にれ)の木に抱きつき祈ります。どうか私をあなたがたの世界に戻してください。もう世界には誰もいない。あなたがたの世界へ帰してくださいと。(放射能の影響により)体中の穴から血を吹き出して死んだ彼女は、微生物により分解され、地中に入り地下水に浸透していきます。その水は楡の木に吸収され、空へ蒸発して水蒸気となります。彼女はようやく形あるものから開放されました。彼女は水、風となり、何千年もの間地球を旅し続けます。彼女は世界そのものでした。しかし、また強い磁場を感じます。彼女は逆らえません。ああ、また形あるものに転生してしまう。この力はなんなのだろう。この形ある命を生み出すものはなんなのだろう。ようやく彼女はそれに気づきます。「愛」と。

 

近・現代社会が生みだした問題を1冊の小品として問題提起されています。産業革命以降の工業化と大量消費社会は、安楽とともに自然系へ大ダメージを与えました。そのつけは我々やその子孫が払わなければなりません。自分たちの生きている時代さえ良ければいい。あとは野となれ山となれ、後世の人たち、よろしく!という考え方もあるでしょう。しかし、この考え方では破滅へのカウントダウンは止まりません。
輪廻の思想、つまり生まれ変わってこの地球で新たな生を受けるという考え方が根付いていれば、自分の首を絞めるようなおこないはしません。結局負債を払うのは、自分なのですから。世界の主要な宗教で説かれている生まれ変わりの教義は、現在よりも良い社会をつくりだすための方便なのかもしれません。いずれにしろ、社会変革というものは一人一人の意識改革により実現されるものだと思います。

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2.6(水)読了
30歳のモーパッサンが文壇に躍り出た短編小説。
プロシア占領下のルアンを抜け出し、馬車でディエップに向かう10人の人々。その内訳は、伯爵、工場経営者、共産主義者、それらの婦人たち、修道女2名、そしてブール・ド・シュイフ(脂肪のかたまり)とあだ名される太った娼婦など
ルアンを馬車で出発した一同は、大雪のためにひどく難渋する。食料を持たない一同の空腹は耐えがたいものとなる。唯一、食料を持参していた娼婦は、気前よく食べ物を分け、一同は救われる。宿屋に泊まった翌日に馬車で出発しようとするが、プロシア仕官が娼婦に同衾をせまり、目的をとげないうちは一同を出発させないことにした。一同は娼婦に同情しプロシア仕官に憤怒するが、幾日も宿屋で足止めをくらった一同は苛立ち、言葉巧みに娼婦に妥協をせまる。娼婦は一同のために、心ならずもプロシア仕官に身をゆだねる。翌日、一同はディエップに出発するのだが、娼婦だけ食料を用意していない。他の者は娼婦に嫌悪感をあらわに示し、汚れたものを見るように扱い、疎んじる。娼婦は屈辱感と寂しさから声を震わせ涙を流す。一同は初日に娼婦の食料で救われ、宿屋ではプロシア仕官の欲望を満足させるために娼婦を犠牲にし、そのおかげで出発できたのにもかかわらずである。

 

晋仏戦争(独仏戦争)を背景に、階級の異なった人々の醜さとエゴイズムを暴き、人間社会の構図を描いた作品。社会的地位の低い娼婦を利用し、価値がなくなったとたんに冷酷に扱われる現実はとても生々しく感じられます。

飾り立てのない文章と奇をてらわない内容でコンパクトにまとめられた秀作です。

2.6(水)読了
500人の応募者の中から見事に立花隆氏の3代目秘書の座を獲得した佐々木千賀子女史の秘書日記。彼女は小松左京氏の秘書を勤めていた時期もあったようです。
試験内容はとてもユニークです。

(1)歴代の大蔵大臣の名前をできるだけあげよ
(2)科学者の名前をできるだけあげよ
(3)次の人々の職業、肩書きないし仕事のカテゴリーを述べよ
鎌田慧、スパイM、川島雄三、C・L・ケーディス、山村暮鳥、フォン・ノイマン、中村元、ガルシア・マルケス、ウィルヘルム・ライヒ、スウェーデン・ボルグ、影山光洋、ラス・カサス(他38名)

その他、英語訳、電話番、多数のペーパーテスト、能力自己評価、個人面接、試験レポートなど多岐にわたります。試験結果、最終選考に4~5人が残り、立花氏の鶴の一声で佐々木女史が合格しました。佐々木女史は英語が致命的に弱いという欠点があったが、他の分野では平均的に高得点をたたきだしていたのが合格の要因のようです。立花氏は非常に幅広いジャンルの執筆活動を行っているので、スペシャリストではなく有能なゼネラリストを選んだようです。立花氏いわく、最終選考を受けた20人は全員すばらしい能力の持ち主なので、この20人を引っさげて起業するのもおもしろい、ということを述べています。

立花氏は猫の絵が描かれた通称「猫ビル」で居住および執筆活動をしており、地下2階から地上3階のビル内には3万冊とも5万冊ともいわれる数の本が置かれています。女史はファイリングやスケジュール管理はもちろんのこと、立花氏の身の回りの細々としたことをこなしていきます。内容は本を読んでいただくということで。

立花氏の嗜好や習性、こぼれ話など秘書でしか知りえない事柄がたくさん書かれており、飽きることなく読むことができました。素直に書かれた文章も好印象です。最後のページはおもわず「アッ!」と驚いてしまうどんでん返しがありました。「さいごに」の佐々木女史が立花氏に宛てた手紙も、女史の気持ちが素直にでており「うーむ」と唸ってしまいます。まだ読まれていないかたのために詳細は伏せておきます。
2.5(火)読了
飢饉の折に主人から暇を出された下人が京の羅生門の前でたたずんでいる。このままでは餓死してしまうが、盗人になる勇気もない。羅生門を梯子で上がると、うわさ通り餓死した遺骸が棄てられている。ひとりの老婆が遺骸から髪を引き抜いている。この老婆の行為(=悪)に対する激しい憎悪から下人は、盗人になるくらいなら何の未練もなく餓死を選ぶだろうと考える。老婆に何をしていると問うと、遺骸の髪で鬘(かずら)を作るのだという。この者たちは蛇を干魚と言って売っていた。そうしなければ餓死したので、仕方がなくやったこと。それを悪いこととは思わない。同じ道理で、自分のやっていることは悪いことではない、と老婆は主張。下人はそれを聞き、老婆の着物を剥ぎ取り去っていく。同じ道理で悪いことではないと。

有名な羅生門のあらすじです。少し考えるとわかりますが、老婆と下人のやっていることは決して「同じ道理」ではありません。老婆は身寄りのないであろう遺骸から髪を抜いています。これはもちろん良いことではありませんが、誰からも文句は出ないでしょうし、老婆がひとりで食料を得ることは難しいであろうことを鑑みて、緊急避難的にやむをえない行為といえます。一方、下人は男性でおそらくまだ若いので、食料を得ることは決して不可能ではない。にもかかわらず、社会的弱者である老婆から衣類を剥ぎ取っています。老婆の行為には情状酌量の余地があり得ますが、下人にその余地はありません。遺骸から服を盗るのであればわかりますが・・・。
人間の決意の弱さ、善悪の基準の相対性が簡潔に描かれた作品です。

・鼻・・・長い鼻を震胆の秘法で短くしたが、短くなった鼻を哂われ、長鼻にもどってよろ
           こぶ話。

・芋粥・・・芋粥が大好きで飽きるまで食べてみたいという侍が、その夢を叶えると同僚
              に招待される。悪意から大量の芋粥がだされて、途中で辞退するも受けつけ
              ない。狐にやることでおさまる。芋粥好きの侍は、芋粥を飲まずにすみ、安心
              して帰っていく。

そのほか「運」「袈裟と盛遠」「邪宗門」「好色」「俊寛」を収録。
これらの作品は「今昔物語」「平家物語」「宇治拾遺物語」の作品を手直しして発表したものです。時代はうつり変わっても、良作は受け入れられるという見本です。個人的には「好色」「俊寛」が好きです。

2.4(月)読了
「脳を鍛える大人のドリル」シリーズで有名な川島隆太氏の本。閃く才能(直感)を身に着けるためにはどうしたらよいのかを、脳科学の立場から考えています。川島氏は、閃きや直感、創造力などはその人の知識や経験、学習の結果として脳にインプットされた内容を基にした才能であり、なんのインプットもなしに閃き等のアウトプットを引き出すことはできないと述べています。何もないところから引き出せる人は天才と言われるそうです。そして、閃く時に左脳の前頭前野が活性化していることから、言語処理を行う脳の力を鍛えれば閃く能力が高まると予想され、実践しました。
前頭前野を鍛える方法はいくつかありますが、もっとも効果的なものは読書だそうです。読書は知恵や知識という引き出し(インプット)を増やし、そしてその引き出しを開けて(アウトプット)ひらめきを生み出してくれる前頭前野を同時に鍛えあげることができます。その他にも、単純計算の行ったり、本を音読するのも非常に有効だそうです。特別養護老人ホームで痴呆の入った被験者に計算、音読を毎日行わせたところ、痴呆の症状が軽減したというデータもあります。
前頭前野を鍛えるコツをまとめると、

1.手の指を使って何かをつくり出すこと(両手なら、なおよし)
2.家族や友人と会話すること(相手の目を見る、相手の気持ちを慮ると、なおよし)
3.芸術活動をすること(音楽を聴くのは含まれない)

一方、前頭前野を不活発にする要素として、テレビ、パソコンなどをあげています。そのときの前頭前野の血量は低下し、リラックスした状態になります。音楽を聴いている時も同じです。これらは深い瞑想に入ったときと同じ状態のようです。リラックスできるので、テレビ中毒やインターネット中毒となる人が出現する。その結果、前頭前野の機能が低下してしまう。現代人のコミュニケーション能力の低下や創造性の欠如などは、このようなところにも原因があるような気がします。

川島氏は中学生の頃、心を機械(コンピュータ)にインプットして、自分の死後も世の中を眺め続けたいと考えて、この世界に入られたようです。現代の科学ではまだ無理だが、いつかはそれがかなう時代がやってくると述べています。はたしてその時代がやってくるのでしょうか。
2.3(日)読了
幼い頃に両親、祖父母、ただひとりの姉を亡くした20歳の主人公が「孤児意識の憂鬱」から逃れるために伊豆へひとり旅に出かけ、途中旅芸人の一団と出会い、一行中の14歳の踊子に心を惹かれていく。主人公は踊子への想いをつのらせ、歪んだ孤児意識から開放されていく。

「伊豆の踊子」は筆者本人の実体験を小説にしたものです。川端康成は2歳で父を、3歳で母、7歳で祖母、10歳で姉、15歳で祖父を亡くしています。その影響がこの作品にもでており、主人公の実存在の不安定感と自我同一性の未確立があらわれています。主人公は14歳の踊子に淡い恋心を抱きますが、これは単純に母親の影を追い求めたと考えていいのだろうか?私が感じたところは、20歳の青年がひとりの女性という「確かなもの」との接触を果たすことにより、自分が自分である、そして一個の男性であるということを強烈に認識するに至り、自我の安定を図る。いわば踊子は自我を固定させるための「装置」もしくは青春期の「通過儀礼」、あるいは幼き頃に亡くした母親の影を振り払う「女性性」の象徴として現れたのではないだろうか。

本書には他にも3編掲載されている。

・温泉宿・・・晩夏から冬にかけての、宿の女中と酌婦たちの流転を描いたもの。作中
        女性の人生の変遷が客観的に描かれている

・叙情歌・・・植物の運命と人間の運命を相似的にとりあげ、花粉を運ぶ胡蝶に結婚さ
                 せてもらいたいと願う女性のひとり語り

・禽獣・・・・・主人公の飼育する禽獣類と昔の女性とを対比させた作品。

このなかでは「禽獣」が一番好き。生き物の命をシニカルに描いており、作品を通していい意味での厭世観が漂っている。暗くなりがちなテーマを客観的に描くことにより、淡々と物語を進行させています。「ノルウェイの森」の雰囲気に近いものがある。

川端康成が少年時代を過ごしたのは、現在私が住んでいる場所から程近い所ということもあり、割と親近感があります。彼の生きていた時代は田んぼだらけのとんでもない田舎だったようです。現在は電車やモノレールも整備され、自然も残っており、住み心地の良い地域になっています。
2.2(土)読了
中島らも氏が朝日新聞で連載していた「明るい悩み相談室」シリーズ。
読者のばかばかしい悩みに、らも氏がそれ以上にばかばかしく答える大人気のコラム。らも氏の回答には思わず"にやっ"とさせられます。

<注意!>
①電車内で読まないこと。笑いをこらえるのに不動の努力を要します。
②葬式・法事前に読まないこと。思い出し笑いによりひんしゅくを買います。
③食事中に読んだら吹き出します。

なんにも考えずにわははと笑いたい人はぜひ読んでみてください。確実に笑えます。読み終わった後にすがすがしい読書感とともに「時間、損したかな・・・」というブルーな感覚に陥る可能性もあるので(私です)、時間があまっているときに読むといいでしょう。1冊読むのに1時間あったら充分なほどの軽~い本です。

らも氏は軽妙な文章で人気があり、私は大好きです。が、残念ながら数年前に亡くなりました。らも氏の死は深夜にネットで知りました。なんでも酔っ払って飲食店の階段から落ちたとか。私は思う、それは嘘ではないかと。「アマニタ・パンセリナ」「今夜、すべてのバーで」「牢屋で痩せるダイエット」等の著書を読まれた方は分かると思いますが、らも氏は頭ぐわんぐわんするものを好んで食べて、飲んでおられる。つまり・・・

<大胆予想!らも氏の死の真実!!>
すごいものをいろいろ食べて飲んでぐわんぐわんとなって死んじゃった!あまりにもヤバイので、死後に家族が階段から落として証拠いんめつ!これしかない!!(あたっていそうで怖い・・・)

まぁ、冗談はともかく(でもないが)、上記に書いた本はいずれも傑作と思うので、らもファンの方もそうでない方も、ぜひご一読を。
2.1(金)読了
虐げられた孤児ヒースクリフの長年にわたる復讐劇を描いた作品。
以下は備忘を兼ねた、ちょっと長いあらすじ。

1800年初期のイングランドの片田舎にあるリントン家(嵐が丘)とアーンショウ家(鶫の辻)。ある日、リントン家当主は身寄りのない男児を拾ってきて、ヒースクリフという名をつけて育てる。ヒースクリフはアーンショウ家とリントン家の両家から虐待されて育つ。唯一、優しくしてくれ、互いに好意を抱いていたアーンショウ家当主の娘であるキャサリンは、リントン家当主の息子エドガーと結婚をしてしまう。これにショックを受けたヒースクリフは失踪する。3年後、富を蓄えたヒースクリフはキャサリンの前に姿をあらわす。キャサリンは強い葛藤と動揺のあまり、錯乱死してしまう。さらにキャサリンの兄のヒンドリーを追い出し、ヒンドリーの息子のヘアトンを愚鈍に育て召使同然に働かせ、ヒースクリフはアーンショウ家の当主におさまる。
ヒースクリフの復讐はまだ続く。リントン家の娘イザベラを惑わし結婚。イザベラはひどい扱いを受けてボロボロになり、遠くの街に逃亡する。イザベラの死後、リントン家から自分の息子のリントン・ヒースクリフを奪い、育てる。キャサリン・リントン(最愛のキャサリンと憎きエドガーの間にできた娘)を脅し、リントン家の財産を奪う目的で、自分の息子のリントン・ヒースクリフと結婚させる。リントン家当主のエドガーの死後、弁護士に根回しをしていたヒースクリフは首尾よくリントン家の財産(動産・不動産すべて)を手に入れる。政略結婚に利用した息子、リントン・ヒースクリフは病状が悪化し死ぬ。息子の財産はすべて父親、ヒースクリフに譲る旨の遺書を書かせておき、キャサリン・リントンには一銭も渡さず。
アーンショウ家とリントン家に復習を果たすという当初の目的を達成したヒースクリフだが、予想外のことが起きてしまう。両家の唯一の生き残りである、ヘアトン家のヘアトン・アーンショウとリントン家のキャサリン・リントンが仲良くなってしまう。ここに至り、すべてのことが虚しくなったヒースクリフは、異常な精神状態に陥り死んでいく。

こうしてみると凄まじい復讐劇です。幼き頃のヒースクリフに冷たくあたったがため、アーンショウ、リントン両家は親・子・孫、実に3代にわたって悲劇的復讐を受けることになります。トラウマは解消されるまで残り続けると言いますが、これはすご過ぎる。
この物語は簡単に人が死んでいきます。病死、憤死、錯乱死などにより、わずか20年ほどの間で両家滅亡寸前のところまで追い詰められます。「そして誰もいなくなった・・・」となるのかと思い、別の意味でハラハラしてしまいました。

E・ブロンテ唯一にして不朽の名作、嵐が丘。恋愛小説でもあり、復讐劇でもあり、人間のエゴと心理を巧みに描いたリアリズム小説でもあります。いずれにしろ、ヒースクリフを中心とした人間劇は読者に強烈な印象を与えます。700ページ(新潮文庫)と少々長い作品ですが、合う人には合う本書、眠れない夜のお供にどうぞ。
1.31(木)読了
ベナン共和国「たけし日本語学校」での日本語教育に1年間従事した小国氏の紀行文。それに対して、ゾマホンが意見を載せている。
日本人にとってなじみの薄いベナン共和国の現状、日常生活などが書かれています。ベナンの人々は親切で礼儀正しいようで、昔の日本人に共通する点を多く持っているようです。貧しさは戦後の日本さながらで、鉛筆1本、ノート1冊買うことができないありさまです。小さな黒板とチョークを1セットずつ持ち、服のそでなどで消しながら勉強をしています。識字率も20~30%程度で、おまけに宗主国であるフランス語を教えられているありさまです。

日本はODAで食糧援助などを行っていますが、技術などの人的援助などはいまひとつのようです。技術援助、農業教育はドイツ、イギリス、中国などが中心のようで、ゾマホンは日本も技術援助等をもっとやってほしいと訴えています。技術援助や留学生受け入れなどは、ホスト国の印象をアップさせる意義も大きいので、日本もアフリカからの留学生の受け入れに積極的になるといいと思います、現に、ベナン人は中国人に対してとても良い印象を持っています。

「たけし日本語学校」はゾマホンの本の印税や、ゾマホンが日本でアルバイトをして貯めたお金により運営しています。そのため学費は無料です。現在は日本語学校の他にも小学校3校を建設、開校しています。
ゾマホン氏の活動を支援するために、NPO法人IFE(イフェ)もできました。日本-ベナンの輪は着実に拡がっているようです。

1.30(水)読了
2001年に大ヒットした作品なので、知っている人も多いと思います。世界人口(当時63億人)を100人にスケールダウンしたら、どのような割合で人々が生活をしているかを記した本(詩)です。
一例を挙げると、

・52人が女性です 48人が男性です
・70人が有色人種で30人が白人です
・20人は栄養がじゅうぶんではなく 1人は死にそうなほどです でも15人は太り過ぎで
  す
・すべての富のうち 6人が59%をもっていて みんなアメリカ合衆国の人です
  74人が39%を 20人が、たったの2パーセントを分けあっています
・1人が大学の教育を受け 2人がコンピュータをもっています けれど、14人は文字が
  読めません
・もしも子のメールを読めたなら、 この瞬間、あなたの幸せは2倍にも3倍にもなります
  なぜならあなたには あなたのことを思って これを送った 誰かがいるだけでなく 文
  字も読めるからです
 ・
けれどなにより あなたは 生きているからです

どうでしょう。100人に縮小するとピンとこないことも分かりやすくなります。この本を読むと、現在の日本に生まれたことがどれだけ恵まれているかが認識できます。裕福で、識字率は100%、安全な水はただ同然、戦争はない、拷問はない、餓えないetc.etc...こんな国家は世界でもそうありません。世界人口を100人にしたら、日本人は確実に上位の1~2人に入るでしょう。この幸運を忘れずにいたいと思います。


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