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読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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3.19(金)読了
<あらすじ>
15の政夫と17の従姉民子。政夫の母親の体調がよくないので、民子は看護や仕事の手伝いで斉藤家にやってくる。小さい頃から仲がよかった2人は、次第に男女の恋愛感情を抱くようになる。しかし、兄嫁や作女のお増はそれが気に入らずに、母親に告げ口などをする。母親は2人に、もう子どもではないのだから、あまりべたべたしてはいけない、という内容の説教をする。それに民子は2歳上の女。世間体的にもふたりが結ばれるなどとは考えられない。その説教以来、民子は政夫のもとへあまり近づかなくなってしまった。それが原因なのか、政夫は民子を女性として感じるようになる。ある日、2人は少し遠い斉藤家の畑まで、収穫にいくようにと、母親に頼まれる。久しぶりに2人で語らえるので、お弁当を持って楽しみにでかける。道々、野菊が生えている。ふたりとも野菊が好きだ。そして、民子は野菊に似ている、と政夫は言う。このニュアンスを2人は意識し、会話は少なくなる。想いは通じていた。
世間体の悪さから(明治時代なので)、政夫は早めに中学校(いまの高校か)に進学させられる。下宿なので、民子と離れなければならない。政夫は、お見送りにきた民子に想いを込めた手紙を渡す。
長期の休みに家に帰ってきた政夫だが、家には民子はいない。意地の悪い兄嫁の進言により、実家に帰らされたのだ。次の長期休暇に帰ったときには、民子は嫁にいったことを母親に告げられる。
ある日、政夫のもとに電報が届く。急いで家に帰ったところ、民子が死んだことを告げられる。母親は無理に嫁にやったことを後悔しており、取り乱している。民子の気持ちが本心ではないので、半年ほどで離縁され、その後、民子は病気になり死んでしまったのだ。死後、民子が手に持ち、胸に押し寄せていたのもは、政夫の写真と手紙だった。ここにきて、政夫と民子の強い気持ちを知り、皆、すすり泣く。政夫は民子の墓に参る。周りには野菊がたくさん生えている。政夫は7日間通いつめ、民子の墓の周囲一面に野菊を植えた。

可哀想な話ではあります。民子が亡くなったときに、政夫の写真と手紙を抱いていた場面は、思わずぐっときます。昔はたった2歳でも女性が年上だったら、世間体が悪いとされて結婚を反対されたのですね。現在は姉さん女房なんて当たり前の時代ですけど。
明治時代に書かれた本にしては、難しい文体も使わずに読みやすい本です。
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