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読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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3.13(木)読了
<あらすじ>
1880年代のアメリカ。60歳を超えたおばあちゃんのスックと、その遠いいとこで7歳のバディは、毎年11月の終わりにやることがある。それはフルーツケーキを30個作ることだ。そのために2人は、コツコツお金を貯める。お芝居をして少しのお金をもらったり、懸賞コンクールに応募して少しの賞金を獲得したりするのだ。この年は13ドル手元に集まっていた。それをもとにケーキの材料を購入しにいく。手に入りにくくて、一番高いのはウイスキーだ(※悪名高き禁酒法のためと思われる)。密かにウイスキーを売っているお店に行き、2ドルで購入しようとする。小銭をたくさん出して払おうとすると、そこの店員のインディアン(ネイティブアメリカン)は、代金の代わりにケーキを1個届けてくれればいいという。2人はうれしく思った。フルーツは他人の果樹園に落ちているピーカンをこっそり拾ってきた。
今年は31個のフルーツケーキを作った。これらを2人が気に入っている人たちに送るのだ。ローズヴェルト大統領やルーシー牧師夫妻、毎年2回やってくる小柄な包丁研ぎなど、会ったこともないか、ほんのちょっとしか縁がない人たちにだ。2人はこれを毎年おこなっていた。
あまったウイスキーを2人はちょっとだけ飲んで、歌ったり踊ったりして楽しむ。それを知った同居している親族達は、子どもにアルコールを飲ませるなんてとスックに怒る。スックはしょんぼりしてしまう。
気をとり直して、クリスマス用のツリーを切りにいく。大きな木をふうふういいながら2人で運んで、手製の飾りつけをする。スックはバディに自転車のプレゼントをしたかったが、そんな大金はなかった。しかたなく手作りの凧をプレゼントする。バディもスックに凧をプレゼントしたので、2人は大笑いした。
成長したバディは親族の説得で寄宿舎のある学校に入る。スックは1人でも毎年ケーキを作って送る。一番いいのはもちろんバディに送った。数年後、スックの死を電報で知る。

T・カポーティの代表的な小品です。随所に感動できるところがあり、読んでいて目頭が熱くなる人もいると思います。カポーティ自身も寄宿舎の学校に入学させられて、祖母(かどうかはわからないが)と離れ離れにされるという体験があったそうです。その様子を書いているのですね、きっと。この作品はカポーティ自身も自作朗読会においてフェイヴァリット・ストーリーだったそうです。そして枯れの独特の鼻声で語られるこの愛らしくも哀しい物語は多くの聴衆の涙を誘った、ということです。

訳者はカポーティのファンでもある、村上春樹氏です。彼はこの本を折りに触れて読み返したそうです。味わい深い作品です。
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