読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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2.25(月)読了
「インストール」でデビューした綿矢さんの2作目の本です。本書でみごとに芥川賞を受賞しました。ということは純文学?と思って読んでみると青春小説でした。もちろん純文学ではありますが。 <あらすじ> 高校に入学後、なかなか友達ができないハツ。中学校時代からの友達の絹代も他のグループに入ってしまう。もう一人、クラスで友達がいなくて浮いている陰気?な男子、にな川がいる。にな川は授業中に女性雑誌を読む、変わった人間だ。ハツはその雑誌に載っている女性をみて、以前この人を見たと、にな川に言う。ハツは中1のとき、無印良品でオリチャンと会ったことがあるのだ。にな川はその女性アイドルが好きなようで、興奮する。 高校の帰り道、ハツは誘われるでもなくにな川の家にいく。ごく普通の一軒屋だが、彼の部屋は別館のようなところにある二階部屋で、おまけに汚い。ハツは衣装ケースに入っているアイドルのグッズを発見。すべてにな川が好きなオリチャングッズだった。 にな川が風邪をひいて4日も学校をやすんだので、ハツはお見舞いにいく。オリチャンのライブチケットを購入するために並んで、風邪を引いたらしい。にな川の背中を蹴ったり、くちびるをぺロッと舐めたりする。(←この辺、ぜったいありえない) ある日、にな川にオリチャンのライブに誘われる。チケットを4枚も購入してしまったが、一緒にいく人がいいないとのこと。ハツは絹代も誘って3人で行くことにする。ライブを楽しんだ後、オリチャンに会うために出入り口付近で待つ。オリチャンが登場し、にな川は人ごみを掻き分け、オリチャンに近づくが、オリチャンはそのまま車へ。警備員に叱られてしょんぼりする。 終バスは発射しており、帰れない。3人で、歩いていけるにな川の家に泊めてもらうことにする。女性2人はシャワーを浴びたが、にな川は疲れていてパス。にな川はベランダでゴロンと寝ることにする。深夜3時半、ハツはベランダに出て、にな川の横に座り話をする。足指で彼の背中を蹴る。 <客観的な感想を述べさせていただきます> いまいちピンとこない本です。複線がないというかなんというか・・・。ものの本にも書いていますが、小説で大事なのは「行動動機」だと思います。つまり、その人がなぜその行動をとったのか、ということです。義理、金、欲望、恫喝、さまざまな理由があると思います。動機を満たすため、小説内の人物はアクションを起こす。その行動を読者は納得し、共感する。ハーレクインやコバルトの王道です。ヒロイックファンタジーもほとんどこれ。ドラゴンボールを例に考察。 悟空、強敵と対戦!→やられる→修行してパワーアップ!→再戦→勝つ!→友情が芽生えて仲間化→悟空、強敵と対戦!・・・・・・ シンプルベストながら王道まっしぐら、でも面白い。パワーのインフレに負けず、読者人気投票も視聴率も高レベルを維持、見事化け物物語へ成長、すごいぞ鳥山明!悟空の行動原理も非常に単純です。よく悪人にたぶらかされて世界制服の尖兵とならなかったなと関心するくらい、単・細・胞です。しかしながら、その行動は誰もが納得でき(る?)、だからこそ読者は共感を得、カタルシスを引き起こします。 「蹴りたい背中」には行動原理がない。もしくは希薄。少なくとも私にはそう感じました。親しくもない男の部屋に入って、いきなり、くちびるにキス。確実ににな川は初キスでしょう。女に奪われるなど、男児として生まれての一生の不覚。無念。対するハツも決して積極的な女の子ではない。よって、初キッス。親しくもなく、教室でひとり女性雑誌をみている男性の柔いくちびるを奪う。女冥利に尽きるのでしょうか。文字通り、ハツは男をなめていたのです。まぁ蓼食う虫も好き好…みなまで言うまい。 いろいろ言いたいこともありますが、この本は個々人で読んで判断してもらうということで。私の読解力と感動力がともに不足しているだけの可能性もありますので。 ここまで書いたら綿矢さん、怒るかなぁ?見ていたらごめんなさい(見るかッ!) PR |
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