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読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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2.29(金)読了
定年退職者にあてた、書くことの意義、書き方、小説作法などの本。とはいっても、年齢に関係なく読める内容になっています。
著者の鷲田氏が63歳くらいに書かれた本(2006年出版)なので、それを意識して書かれたのではないかと思います。鷲田氏は、まず最初に目次を作ったら、いきなり書きましょうと述べています。これはつまり、ストーリーが云々とか各材料がどうたらなどと言っていたら一生書かないまま終わってしまう、ということではないでしょうか。
作文でも読書感想文でもそうですが、書き出しが一番難しい気がします。最初の一文字は何から書けばいいか?これは永遠のテーマではないです。
「春一番が吹き荒れて街のあちこちでは足早に帰宅の途につく人の群れが……」こんな出だしでは誰も読みません。一瞬で本を閉じられ、天岩戸は永久に開かれません。
「春一番で女子高生のスカートがひらめき、街のあちこちで純白のパンティが……」こちらのほうがいいです(よくない)。あとは田力男まかせということで。
最初から難解だったり、情景描写ばかりの本もつまらないですね。ヘッセの「郷愁」がそれで、冒頭で敬遠される可能性があります。ヘッセの描写は退屈だけど、すごく上手くて詩的なので、言葉の雰囲気を感じとるのが吉。冒頭で損をしている本ではある。
とはいえ、この「読書日記」も相当おもしろくない。誰にみせるでもなく、読書感想と備忘記録のために書いているので、おもしろくなくてもよい。書いていれば記憶も定着するし、文章の書き方の練習にもなる(かな)。
備忘記録は非常に大切です。未読と勘違いして同じ本を2度読みしたことが何度かあります。テレビ映画やレンタルビデオでは同じものを3度観てしまったこともあります。その名も「プライベートライアン」。3度目はさすがにへこみました。おもしろかったからいいんだけどね。その日の午後9時から上映する映画をレンタルしたこともあります。たしか「ウォーターなんとか」。友達が面白いというので借りたら、新聞のテレビ欄に……。午後9時ちょうどからビデオを観始めたことは、いうまでもありません。トホホ。

閑話休題。鷲田氏はその他、書くことのよろこび、自分の本が出版されたときの興奮、印税のありがたさなど、書きつづっています。完成した作品は実の子どものようなもののようです。1,000円の印税を受け取るのに10万円分くらいの投資をしなければならないとも述べられています。100冊以上の著作を発表されている鷲田氏ですが、若い頃は苦労していた、ということがわかる一冊です。読後感、良。
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