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読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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2.20(水)読了
モダン・ホラーの巨匠がインターネット限定出版をおこない、わずか48時間で50万人がダウンロードしたオンライン小説の翻訳・書籍版。

大学1年生のアラン・パーカーは母親が倒れたと聞かされ、190キロ先の病院までヒッチハイクで向かう。墓場で墓石に頭を打ちつけた後、一台のマスタングに乗せてもらう。運転手の若い男ストーブからは奇妙な臭いがする。ふと男の首筋をみると、首と胴体とをつなぎ合わせた痕がある。ストーブは運転中に事故死して首がとれた男の亡霊だった。悪臭の原因は防腐剤のホルマリン。車中でブレットに、母親の死と自分の死の二者択一をせまられ、アランは母親の死を選択する。ストーブはアランが12歳の頃に母親と一緒に行った遊園地の乗り物<ブレット>のバッジをアランの服につけて、アランを車から突き降ろす。どさっと地面に落ちたアランは、自分が墓地にいることに気がつく。墓石に頭を打ち、気を失って夢をみていたのだと納得する。
病院で母親に面会。軽い脳卒中で大丈夫のようだ。薬で朦朧とした頭で母親は言う、<ブレット>に乗る順番がきたときにアランが怖がって乗らなかったからといって、お前を叩いて悪かったね、と。暑いさなか、母はアランと一緒に<ブレット>の順番待ちに並んでくれたのだ。お見舞いが終わり病院から出ていくとき、アランの服にストーブにつけられた<ブレット>のバッジがあることに気づく。あれは夢ではなかったのだ。
大学卒業後、アランは就職して母の家のそばで暮らし、7年間にわたり母親孝行をする。<ブレット>のバッジがなくなって数日後、母の死を告げる電話がかかってきた。
人は順番を待つ。怖いものみたさのために、金を払ってでも。乗るかもしれないし、逃げ出すかもしれない、でも、さいごは同じことだ。

なんとも意味深長なラストです。マスタングの運転手ストーブ、<ブレット>のバッチ、母親の死、これらをどう解釈するかは読者にゆだねられています。

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