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読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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1.11(月)読了
清朝末期の中国の宮廷を描いた壮大な叙事詩。李春雲(春児)という貧しい糞拾いと科挙を第一で合格して参内した梁文秀(史了)を中心として、宮廷の悲喜こもごもが繰り広げられています。
西太后や袁世凱、康有為といった歴史上の人物も数多く登場して、その意味ではノンフィクション作品として読むこともできます。

この本の素晴らしさは、圧倒的な筆力と描写力にあります。特に描写は精緻にして奔放で、読んでいて情景がありありと浮かんできます。適当にお茶を濁したと思われる文章はほとんどありませんでした。

当然ながら内容も素晴らしく、梁文秀が一族の期待を一身に背負って科挙を受けるという場面から、中国における科挙の絶対的な位置づけを知ることができます。科挙は日本における国家一種試験のようなものですが、中国のそれに合格するのは遥かに難しく、合格者を輩出することは一族どころか県の命運を分けるとも言われているそうです。それだけに、合格者は日月を動かすほどの権力を握ることができ、まさに神として扱われます。典型的な官僚支配制度といったところでしょうか。

上巻では梁が公務員として参内、春児が宦官となり曲芸で西太后の眼鏡にかなって昇進、李鴻章や康有為が帝の兄弟を焚きつけて革命を起こそうといったところで終わっています。
2段組で350ページの大著なので、かなり読み応えがあります。これから読む人は、心して読み進めることをお勧めします。

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