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読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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4.30(金)読了
処女作、『告白』が素晴らしかったので、図書館で借りて借りて読んでみたのがこの
『少女』。主人公の少女が2人いて、交互に視点が移り変わって(1人称多視点)物語が進んできます。

最初、2人の少女の区別がつかなくて苦労しました。どちらの少女も性格や文章が似すぎていて(というか個性がない)、読んでいて、「んっ?」と思って読み返す箇所が多々ありました。書き分けができていないのですね。

ストーリー的にはなかなか良かったと思います。
痴漢冤罪や痴呆老人介護などの社会問題ネタ(というほどでもないか)を織り交ぜながら、離れ離れになっていた親子が再開するという感動の物語に……なりませんでしたね。その箇所が本書のクライマックスです。浅田次郎氏のようにそこで感動のフィナーレとなっては面白くない。よくやってくれた。

主人公の女の子は、過去に腕を怪我して握力が3になってしまい、食器も満足に持ち上げられないという設定です。これは誤りでしょう。握力が3もあれば食器くらい余裕で持ち上げられます。
物を持ち上げるのに握力はほとんど必要ありません。必要なのは腕の筋力。握力は物を支える役割。ケアレスミスですね。いっそのこと、神経が切れてしまったという設定ならよかったのに。そのほうがリアリティがあるし、悲劇度もアップする。2人の少女の間に差異を生み出す効果もある。
文庫本を出版する時に書き直した方がいいかも。
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