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読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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1.19(土)読了
レイチェル・カーソンはアメリカの作家であり、海洋生物学者でもあります。
彼女は大学で生物学の修士号を得た後、家族を支えるために内務省に入省、生物専門官になります。彼女に与えられた仕事は、海洋資源などを解説する広報誌の執筆と編集でした。彼女のなかで科学と文学は合流し、公務員生活を続けながら作家への道をたどるようになります。

彼女の詩情豊かな文章は人々を魅了し、作家としての地位を確立します。そんなある日、彼女のもとに友人から一通の手紙が舞いこみます。役所が殺虫剤のDDTを空中散布した後に、彼女の庭にやってきたコマドリが次々と死んでしまった、という内容の手紙でした。
この一通の手紙をきっかけに、彼女は4年におよぶ歳月の間、膨大な資料の山に埋もれて、後に「歴史を変えることができた数少ない本の一冊」と称されることになる「沈黙の春(Silent Spring)」の執筆に取り組むこととなります。

「沈黙の春」を執筆中に癌におかされた彼女は、文字通り時間とのたたかいのなかで、1962年、この本を完成させます。「沈黙の春」は、環境汚染と破壊の実態を世にさきがけて告発した本で、発売当時大きな反響を引き起こし、世界中で農薬の使用を制限する法律の制定を促すと同時に、地球環境への人々の発想を大きく変えるきっかけとなりました。発表から2年後、56歳で彼女は生涯を閉じます。

本書、「センス・オブ・ワンダー(The Sense of Wonder)」は、癌におかされた彼女が最後の仕事として執筆した本です。この本には彼女が日頃から考えていたであろう深い信念がすべて述べられており、私たちへの遺言となっています。
自然がいかに大切か、自然の神秘さや不思議さに目を見はる感性(=センス・オブ・ワンダー)がどれほどすばらしいかを、やさしくも美しい文章で著しています。

子供のころは当たり前にもっていた「センス・オブ・ワンダー」。大人になっても失くしていない人ははたしてどれだけいるでしょうか。この感性を取り戻すことが、自然破壊をくいとめる一歩のような気がします。

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