読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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1.17(木)読了
手塚治虫氏と漫画家・小説家・落語家などとの対談集。 ご存知でしょうが、手塚氏は戦後日本の漫画・アニメに革命をもたらした方で、この人なくして日本漫画史は語れません。 手塚氏の影響を受けた漫画家・アニメーターは実に多く、考えつく限りでも、藤子不二夫氏、水木しげる氏、石ノ森章太郎氏、松本零士氏、赤塚不二夫氏、宮崎駿氏etc.etc...当時の漫画家は全員、手塚氏の影響を受けていたといっても過言ではない。 私も手塚漫画は大好きで、小学生、中学生のころはよく読みました。 「火の鳥」「ブラックジャック」「三つ目が通る」「アドルフに告ぐ」「きりひと讃歌」「ブッダ」etc.etc...いまでも古本屋で手塚治虫の漫画を手にとることがあります。 1989年にわずか60歳で亡くなられましたが、手塚氏は多くの夢と希望を与えてくれました。当時の新聞では「巨人落つ」というタイトルとともにトップ記事で手塚氏の逝去を報じました。手塚氏がどれほど偉大で、みんなから愛されていたのかがわかります。 対談の内容は、さすが漫画家だけあって漫画論を中心に、アニメ、映画、小説などについて語られています。SF小説や少女漫画についてかなり話されており、当時の手塚氏の興味の方向性がわかっておもしろいです。 手塚氏は、いわゆる善人が主人公の漫画を描くのが嫌いらしく、代表作でもある「ブッダ」の終盤を描いていたころは、「なぜこんな作品を描き始めたのだろう・・・」と苦悶していたそうです。たしかに手塚氏の漫画の主人公に純粋な善人は少ない。「鉄腕アトム」のアトムは、勝てば官軍という印象で純粋な善とはいえないし・・・。かといって完全な悪という主人公も見当たらない。 手塚氏はこれらグレーゾーンの主人公を、「自分のなかにある悪の部分を取り出して描いている」と述べている。自己の影を描くことによって昇華していたのでしょう。 PR |
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