忍者ブログ
読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
[161] [160] [159] [158] [157] [156] [154] [153] [152] [150] [149]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

7.22(火)読了
キューバ人の老漁師が小船に乗って遠洋。三日間かけて巨大なカジキマグロを捕獲する話。

有名な『老人と海』ですが、実際に読むのは初めてです。
イメージでは、「白髭の生えた老人がパイプをくゆらせ、昔のことを考えながら港の波止場から海を眺めている」というジジ臭いお話だと思っていました。
が、実際はまったく違う、実にワイルドなお話。

七十は過ぎたであろう(イメージ)老人が、水だけで三日間、巨大マグロと格闘する。しかも、ずっと大縄を身体で支えてですよ! つまり、ほとんど寝ていない、これはすごい。
食料は、片手間で(大縄を持っているので、文字通り”片手間”)釣り上げたシイラなどの魚。それをナイフでぶつ切りにして、刺身のように生で食べる。海草についていた小エビも食べる。お水をすする。超ヘビィでワイルドなお爺ちゃんです。好々爺ですね。

根気勝ちのような気もしますが、三日目にしてようやく捕獲に成功。小船には到底乗せられない巨大さなので、船のともに縛りつけて、意気揚々と凱旋帰国、と思いきや、傷つき血を流しているマグロに多数のサメが喰らいかかる。

ここで喰われては、何のための三日間! こなちくしょう! とばかりに、老人は棍棒やナイフで応戦します。そして、何匹もの大きなサメを退治しています。『JAOWS』(スペル違う?)顔負け。すごすぎる。

四日目にしてようやくハバナ港が見えてきます。マグロはサメに喰われて、半分ほどに減ってしまいました。意気消沈の老人。そこに、サメの数匹が喰らいかかる。
さあ、大変。どうしよう、もう武器が無いぞ! 老人は手にしていたオールで戦います。サメをぶっ叩き、突き刺し、あれよあれよと全滅させてしまう! 信じられないパワフルお爺ちゃんなのです!

残念なことに、あれほど肉づきのよかったマグロは、いまや皮と骨のみ……。打ちひしがれた老人は、おこぼれを預かるように群がってくるサメに目もくれず、一路ハバナ港を目指します。
深夜に帰り着いた老人は、フラフラの足どりで部屋に戻ります。

記念に背びれはコーヒーショップに、長いくちばしは少年にあげたとさ。

いやー、すごい。延々とマグロと戦っているので、いろいろな意味ではらはらしてしまいした。このまま進展がなかったらどうしようと。
読めばわかりますが、本当に延々と、延々と、延々と戦っています。

森博氏が「『かもめのジョナサン』と同様、なんの変化もなくてすごい」と言っていましたが、なるほど、そういうことか。謎は氷解した。

とはいえ、好きな人には好きな作品でしょう。裏返せば、嫌いな人は「ケッ!」と言って、10数ページで投げ出して、永遠に本棚の肥やしかブックオフ行きでしょう。
それほど人を選ぶ作品、一読するのもおもしろいかも。
PR

コメント


コメントフォーム
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード
  Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字


トラックバック
この記事にトラックバックする:


忍者ブログ [PR]
カレンダー
01 2025/02 03
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28
プロフィール
HN:
とし
性別:
男性
趣味:
読書、コーヒー、ジョギング
ブログ内検索
フリーエリア
最新CM
最新TB
バーコード
アクセス解析