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読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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6.9(月)読了
「国家の品格」で有名な藤原正彦氏の著書。
藤原氏は数学博士であると同時に、父親が直木賞作家の新田次郎氏の次男という異色の作家です。
彼は20代後半からアメリカの大学に招聘されて数学の研究をしていたそうですが、そのときに日本ということを強く思ったそうです。そして、日本という国を形作っているもの、国の根幹は母国語である日本語であると思ったそうです。
彼はいいます。すべての学問の根幹は母国語だと。小学校から英語を教えるという風潮が高まってきていますが、彼は、その時間をすべて国語にあてなさいといいます。小学校時点では1に国語、2に国語、3、4がなくて5に算数だそうです。

大筋で私も同意できます。人間は思考を巡らせるときに、まず頭で母国語で思考をして、概念を構築するのだそうです。母国語(語彙や文章能力)が稚拙だと、必然的に思考も稚拙なもの、もしくは抽象的なものにならざるを得ません。抽象的な思考を具体的なものに形作るものが「国語力」というわけです。

しかしまぁ、国際化が進んだこの時代、小さいころから第二外国語を学ばせて先んじようという気持ちもわからないでもありません。幼いころから英語や中国語を学んでいれば、ネイティブと同様、自然とバイリンガルになることができます。10歳を過ぎては無理だそうです。
私の知り合いも、小さいころから中国で暮らしていて、日中のバイリンガルです。それ自体は良いと思います。藤原氏の言うのは、外国語を話せても中身がからっぽでは、何の意味もないよ、ということだと思います。ちなみに、藤原氏は英語はペラペラです。その上で語られているので、いちおう。

藤原氏の著書は4冊読みましたが、どれも良作でした。
この人の本とは相性がいいようです。気品のある日本語なので、読んでいて気持ち良いです。
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