読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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5.29(木)読了
戦争シミュレーション作家の松井永人氏が、自身のホームレス生活をつづった本。 松井氏は、本書からペンネームを本名である「計」に変えられました。 幼児期に事故に遭い、小さな娘と高次脳機能障害とトラウマを抱える細君、おまけにお腹には2人目の子供がいる。このような状況で、松井氏は家賃滞納で公団住宅を追い出されてしまいます。季節は寒い1月の東京。 妻子は国の保護施設にあずけ、自身はホームレス生活へ。男性は保護されないのです。 ここから彼の、赤裸々な、といってはおかしいですが、厳しい生活がはじまります。彼の所持金は限りなく0円に近く、電話をかけるのもままならない状況。作家仲間に「松屋」の並を奢ってもらったり、フライドポテトを食べされてもらったりします。夜は寒くて眠れない。しかたなく、昼間の図書館で仮眠をとる毎日。古本屋でせどりをやり(彼は作家になる前に、古本屋の店主でした)、金を稼ぐ。カプセルホテルは最上級の泊まり場所、落ちて漫画喫茶、もっと落ちて深夜営業のファミレス(コーヒー1杯で朝まで仮眠をとる)。それさえ無理なら、野宿です。 一応、松井氏の名誉のために書いておきますが、彼は本書執筆の前年度は約500万円の収入がありました。これは少ないほうで、平均して毎年1000万円、一番多い年で1500万円の収入があったそうです。 そんな彼がこのような状況になってしまったのは、奥さんの存在が大きかったようです。 奥さんは、かわいそうなことですが、後天的な脳の障害で、些細なことですぐに怒りがこみ上げるようになってしまったそうです。そのため、子育てや普通の生活が困難になっているようです。そのため、彼てが家事・育児のほぼすべてを行い、睡眠時間も1日2~3時間の日が続いたそうです。精神的にも限界だったと思います。 この本を書いたのは、主に深夜のファミリーレストランだそうです。パソコンではなく、原稿用紙です。 本書を脱稿した段階で、生活のめどは立っていないようです。第2子が生まれたのですが、出産時の1度しか会っていないそうです。妻子はずっと施設にいます。 こう書くと悲惨な本のようにみえますが、内容はとても興味深く、語弊があるかもしれませんが、おもしろいです。 似た本に漫画家の吾妻ひでお氏の『うつうつひでお日記』がありますが、こちらもおもしろい。この2誌に共通しているのは、どちらも賞を受賞した作品ということです。 興味のある方は、一読してみてください。 PR |
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