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読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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3.21(金)読了
<あらすじ>
嵐の晩、一匹の子ネコが彷徨っている。森で迷ったのだ。ネコの名前はシャルダン。父親を憎み、探し出して仕返しをしようと旅をしている。朝になって、森の中のペンションにたどりつく。そこにはネコのタマとミケがいた。シャルダンは食事をもらい、旅をしていることを言う。タマは一緒に旅をしてあげるといい、ミケもしかたなくついていくことにする。いつも自分勝手なタマにミケは不満を持っていた。タマと離れる方がいいかもしれないと思い、今回の旅でそれをじっくり考えることにする。
旅の途中、キツネのスターン、宇宙の騎士と呼ばれているクランツというネコと出会い、ともに旅をすることになる。クランツはいつも「汝、幸か不幸か」と問いかける変わったネコだ。昔、クランツは怖いもの知らずで、嫁さんを連れて森を冒険している途中に、嫁さんが犬に襲われて殺されてしまうという目にあっている。それから、そのようになってしまったらしい。クランツにシャルダンは不幸だと言われる。怒りをもっているからだ。
迷いの森を抜ける一歩手前で、シャルダンは犬に襲われる。瞬間、クランツが犬に飛び掛り、激しい戦いになる。犬は去っていったが、クランツは傷だらけになる。シャルダンに、怒りをなくし、強くなくてもいいから、やさしいネコでいなさい、と言い、クランツは死ぬ。クランツを埋め、その夜はクランツの話をしながら眠りに入った。
翌日、無事に迷いの森を抜けた4匹だった。シャルダンは父親を憎んで旅をすることがバカらしく思い、みんなにそのことを告げる。みんなそれを嬉しそうに聞く。そして、4匹は自分達が来た印として、布を木に巻きつけて旗を作り、掲げる。ミケはタマとの楽しい日々に思い至り、これからもタマと一緒にいようと思う。シャルダンは多くの動物と出会う旅に出発し、スターンも戻る。タマとミケも家に帰っていった。
時は流れた。嵐の夜。森の中。激しい風雨に逆らい、一匹の立派なネコがタマとミケに会うために、その場所へ戻ってきた。あの時のように、彼らはきっといるだろう。

それぞれのネコの生きる道、生きる理由を巡っての旅の物語。
なんのために生きるのか、どうすれば幸せになれるのか、ということが、それぞれのネコたちの性格や、決断から見て取ることができます。怒りにかられて復讐に燃える者、後悔の念を抱き生きる者、楽天的に日々を暮らす者、生き方はそれぞれの自由ですが、より幸せになる生き方というものがあると、本書では説いているようです。作中ではシャルダンを救うため、犬に殺されたクランツも、過去の後悔を払拭して死んでいったのではないでしょうか。その意味では、本望ではなかったかと思います。死して屍拾う者有り、だったのですから。

てもポジティブで、前向きな物語です。ラストも良い感じで終わっています。読後感、良。
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