読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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7.10(金)読了
食の研究家であり酒が大好きな氏の酒育のススメ。酒のなりたちから旨い酒の呑み方、見つけ方など、酒に関するあらゆることをざっくばらんに書き綴っています。 この本を読んでいると、酒や食の研究家というよりも、いかにも酒が好きなただのおっさんが書いているという感じがします。堅苦しい能書きや薀蓄はまったくなく、こうやったら旨い、あそこに良い酒がある、などを酒好きのおっさんが思いつくまま書いている本、と思って間違いない。文章もおせじにも巧いとはいえないので、真面目に(?)酒に関する本を探している人には不適でしょう。 この本を読んで初めて知ったのですが、世の中には一升瓶ならぬ一斗瓶というものがあるそうです。形状は一升瓶をそのまま大きくした感じ。ウイスキーのオールドの瓶をそのまま巨大にした形状。一斗は十升、つまり18リットル瓶というわけ。出入り口が一箇所しかないので、雑菌が進入しにくく酒の質を保ちやすいのだそうです。なるほど。 しかしこの一斗瓶、20キロ近くの重さになるため、持ち上げたら自重で割れることもあるのだとか。割ったらヘコむだろうなぁ。 などという酒に関する雑学もいっぱい載っています。酒を呑みながらゆうるりと読むと良いでしょう。きっと酒が旨くなります(たぶん)。 酒についてたくさん知った夜、鬼ころしを飲む。さまざまな菌が織り成して生成されたアルコールは甘く芳しい可憐な花びらのようなものだ。酒のことを知るにつれ、どんどん旨く感じる鬼ころし。 PR
7.10(木)読了
サザエさんで人気の「マスオさん」の2代目声優である増岡さんが贈る、みそづくりの指南書。 難しいと思われているみそづくりの方法が、絵や写真を使って分かりやすく書かれています。 みそづくりは難しいというよりも、手間暇がかかります。熟成期間だけでも約半年。冬に仕込んで完成が秋なので、まさに忘れた頃に出来上がる食材といえます。 しかし、スーパーで売っているまがいものではなく、麹が生きている本物の味噌にはあこがれます。熟成された味噌の味……飯が何杯でも食べられそう。 「よし! 作るぞ!」と鼻息荒く読み進めていると、味噌は酒と同様、寒仕込みが基本だそうです。暑くなると発酵が急激に進行して失敗してしまうのだとか。7月ではいかんともしがたい。冷蔵庫内で作るのも不可能ではないのだろうが、スペースがない。残念だが翌年までまつことに。 それにしても、マスオさんの声優が増岡さん。シャレで決めた訳ないにしろ、Good Job!! マスオさんといえば、日本一のイエスマン。 「マスオ君、今夜一杯どうかね?」 「あっ、いいですね~、ぜひ」 というのがいつものパターン。養子という立場上断ることはできなさそうだ。そんなマスオさんも飲んだであろう「鬼ころし」。義父に気をつかいながら飲んでも、養子であるストレスを発散するために飲んでも、旨い酒は旨いのだ。
7.8(水)読了
第二次世界大戦末期のフィリピン戦線における、ある中年男性兵、田村一等兵の体験を一人称で綴っている。 田村一等兵は戦線で結核に冒され、芋6本で本隊を追放される。現地人を殺害したり、蛭や草木を食べたりしたが、人間としての最後の砦である人食だけはしない。猿肉として渡された人肉も、あくまで猿肉として食し、自己の意思では人食をしない。 終戦後、記憶を失った田村は、精神病院に収容される。そこで徐々に記憶を取り戻していく。最後の最後まで自分は、自分の意思で人肉を食しなかったという結論に至り、神に感謝をする。 日本の戦争文学の金字塔である作品です。 一人称で書かれていて少々理屈臭いところもありますが、飢えの凄まじさや追い詰められた人間の生への執着などが生々しく書かれています。人間は追い詰められたら人肉を食するか。これは究極に近い問いかけでしょう。普通に生活していれば、決して考えることのないテーマだと思いました。 戦中戦後は食糧難のため、酒造用の米の割り当てが大幅に減少した時期があったらしいです。こうやって「鬼ころし」を飲むことができるのも平和だからだなぁ、と平和に感謝する今日この頃でした。
7.6(月)読了
7編の短編。霧笛荘という古ぼけたアパートの管理人の老女が住居人の人生を語る、オムニバス形式をとっています。 7編とも全て水準が高く、読み終えて満足感がありました。住人のほとんどが訳ありの人たちですが、どれもドラマチックな物語に仕上がっています。浅田氏の短編はどれも素晴らしいですが、その中でも1、2を争う出来ではないかと思います。 霧笛荘の住人は最終的に地上げ屋に1人あたり500万円の立退き料を提示されるが、誰も出て行こうとしない。お金より大事なものがあると。でも、実際に賃貸物件の立退き料500万円を提示されたら、ほぼ100%の人が大喜びで出て行くでしょう。どちらにしても、バブル時の話題ですね。 この本は鬼ころしをストローで啜りながら読みました。なんとなく酒を飲みながらが似合う本だと思ったので。人生を感じるような味がしたのは、この本と一緒に飲んだだろうか?
7.4(土)読了
四国にある霊峰の頂上にたどり着けば救われる、そう信じて頂上を目指す男児2人と女児1人。彼らは精神科に入院している患者たちであった。頂上にたどり着いた彼らを待っているのは、悲惨な出来事だった。 それから17年後、彼らは社会に旅立ち、刑事、弁護士、看護婦となった。17年ぶりに再会した彼らは、それぞれ問題を抱えていた。ある殺人事件をきっかけに、彼らの過去を巻き込んだ物語が再開される……。 10年前にベストセラーとなった小説の上巻。ドラマ化もされた人気作。 いわゆるトラウマを背負った、あるいは大人になったACの問題をテーマとした作品といえるかもしれません。AC特有の家族関係、問題を特徴的に描いています。 天童氏の作品はこれが初めてですが、精緻な文章は秀逸です。巧い作家だと思います。内容も興味を引くように仕掛けが施されていて、推理小説を読むような感覚で読み進めることができます。登場人物もそれぞれ個性があっておもしろい。 上巻では、山の頂上で何があったのかを正確に書いていませんが、これも仕掛けのうちでしょう。下巻では問題が一気に噴出して、ジェットコースターのような展開になることが予想されます。 ハードカバーの2段組、上下巻あわせて1000ページ近くあるという超長編で読みごたえも抜群です。 夕食時に鬼ころしを飲んだ。お酒は成人しないと飲めないので、「永遠の仔」の3人は事件を起こした子どもの頃は当然飲めない年齢だったわけ。親子で酒を酌み交わすとあんな事件はなかったのだろうか、と考えてしまった。
7.2(木)読了
ヘミシンクによる死後体験のパート4。今回は地球圏外、太陽系圏外を超えて他の銀河まで探索をしています。 2012年のことはさまざまな本で書かれていますが、そのほとんどは災害等で人々が多数死ぬというものです。本書でもそのように書かれています。ガイドや宇宙存在などが言うには、2012年をピークにして素晴らしい力のエネルギーが地球を覆い、その期間前後10年程度に死ぬ人が多くでる。その素晴らしいエネルギーの力に乗って高い次元(フォーカス27?)に上昇するのだそうです。 よって、この期間に死ぬのはある意味幸せ、ともいえる。無論、地球の輪廻にはまって再び地球に転生することを選ぶ魂もいる。それは自己意思が尊重されるのだそうだ。 2012年というと、あと3年、もしくは2年半しかない。その時には自然災害やその他で多数の人が死ぬかもしれない。戦争や病気などだろうか。そう考えると、この期間に死ぬのが良いと言われても、ちょっと複雑な気分になる。まぁ、未来のことを考えてもしかたないが。 その他、新たな情報がたくさん書かれています。著者が経験したヘミシンクでの情報は素晴らしいが、ちょっと細切れの情報過ぎて混乱してしまう。系統だって理解するためには、パート1から読んだほうがいいかもしれない。
6.30(火)読了
オウム真理教の「女」幹部たちを題材にして、教団内での破廉恥な行動をほぼノンフィクションで書いた作品。 この作品の女性たちがこの本に書かれているような行動を実際にとったかはわかりませんが、当時の週刊誌や新聞等のマスメディアで報道された内容から推測すると、おそらくかなり近いのではないかと思います。それにしても、1文字違いのほぼ実名を挙げて、ポルノ作品のような本を書いて出版するのは、いくら当時騒がれた事件とはいえ、プライバシー方面で問題にならなかったのかと心配してしまいます。 文章は稚拙、内容はポルノ作品のようで下劣、オウムを作中人物として描いたということ以外は文学性も価値も一切ない。悪意に満ちた文章は見るに耐えない。訴えられてもまったくおかしくない内容だと思う。 とはいえ、パロディ感覚でおもしろく読ませてもらいました。不謹慎ながら、にやりと笑ってしまう場面もいくつかあったかな。当時はこういう本を書いたら飛ぶように売れたのだろうなと、ブームってなんだろうとひとり考えてしまいます。
6.29(月)読了
スピリチュアル本。典型的な質問者である「あなた」の問いに、飯田氏が答えるという対話形式をとっている。「命」の章、「愛」の章、「光」の章の3章から成っており、それぞれの主題について掘り下げて対話を進めています。 典型的な対話者である「あなた」との対話形式ということで、分かりにくい概念や疑問を系統づけて読むことができます。スピリチュアル関係に詳しくない人には教科書となり、さまざまなスピリチュアル本を読んでいる人には知識の補完、参考書のように使用することもできます。とても便利なので、書棚に一冊置いておきたい本だと思いました。 (精神)宇宙とは、「成長を志向する無境界かつ無限界の普遍意識である」らしいのですが、これだけでは何のことやらさっぱりわかりません。このような難しい概念を、容易な言葉に置き換えて説明してくれています(といっても哲学書のように難しいけど)。 言葉で分かっても、実感できないぶん難しいですね。こういう世界があるんだなぁと思う程度で良いと思います。
6.26(金)読了
首相公選制である日本で、ラジコンヘリの爆発により首相が暗殺される。身の覚えのない殺人容疑で追われる身となった青柳雅春。必死に警察の手から逃れようとするが、彼と接点を持った人物の何人かは殺害されてしまう。そのうち、これは巨大な組織による隠ぺい工作だと思い至る。ケネディ事件のオズワルトにされようとしているのだ。青柳は整形で顔を変え、身を潜めて生きていく。警察は水死死体を青柳と発表し、事件の終息を図る。青柳は社会から抹殺されたのだ。 オズワルト事件のオマージュ。ほぼ日本の話ですが、首相公選制や徹底した監視社会など、いくつか異なっているパラレルワールドといえます。『FACE』という映画にも似ていると思いました。 まずまずの作品だと思います。警察側のショットガンを持った大男が何者なのかが描かれていないなど、いくつか不備な点も見受けられましたが、あえてすべてを描かないという計算なのかもしれません。ご都合主義な点もいくつかありますが、細かい部分は目をつむりましょう。 「ゴールデンスランバー」はビートルズの歌の題名だそうです。本の題名とどうリンクするのがよく分からなかった。500ページの大作なので、途中でダレてしまったからかもしれない。
6.24(水)読了
農業博士による菌の活用法の本。 著者の小泉氏は「もやしもん」の漫画の登場人物になった人のようです。私はその漫画を読んでいませんが、いつか必ず読みたいと思っています。 日本は世界的にも菌の活用が頻繁に行われている国のようです。気候・風土が菌の繁殖に適しているそうです。たしかに夏はじめじめと暑い。食中毒にもかかりやすいので、頷けます。 菌文化はすばらしい食物を生み出します。味噌、醤油、酒、みりん、納豆、ヨーグルト、漬物等々……いわゆる発酵食品はすべて菌が介在しています。身体に良さそうで、実際に良いものばかりですね。 そのなかでも一押ししたいのが「酒」。日本の酒(日本酒ね)は、世界でも唯一麹菌を使用して造るアルコールです。つまり日本独自のもの。そのアルコール度数は醸造したものでは世界一の23度! 信じられないほどすばらしい! そして家でも簡単に造れるのが「どぶろく」。蒸米と米麹、パン用のイースト菌、水を適量入れてかき混ぜたら勝手に発酵して、2~3日で生のどぶろくの出来上がり。すごーい。 ちなみに私は、ネットでくず米を30キロ1370円(送料等込みで2320円)で購入してどぶろくを造っています。1キロ約80円。1キロの米から2リットル強(2.3ℓくらい?)のどぶろくを造れるから(蒸米666g、米麹333g)、1ℓあたり40円。一升で72円(安っ)。米麹も種麹を300で購入して自作しています。酵母も市販の生原酒を購入して使いまわしているので、500円ポッキリ。あとは米があれば無限に酒が造れる(小鳥にあげるくず米でOK)。 ちなみに日本の法律では、アルコール度数1%以上のものを造るのは違法です(梅酒はらち外)。造るときは水で思いっきり薄めましょう(一応ね)。 菌……ほんとにすばらしい。次は味噌も作ってみよう、とこの本を読んで決意を新たにした次第です。 |
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