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読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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3.22(月)三読目。
98年から「週刊ビッグスピリッツ」で不定期連載していた漫画の単行本。20回分を一冊に纏めたので、電話帳のように分厚い全一巻になっています。

この漫画をどうたとえればいいだろうか。ホラーのようでもありSFのようでもあり、はたまた純愛漫画ととらえることもできる。これと一番近い漫画は「寄生獣」。しかしあれよりももっと凄いと思う。なにしろ、人間が大きなカタツムリになったり、そのカタツムリを食料として食べてしまったり……極限の世界で人間はどう行動するかをこの漫画は問うているのだろうか。誰か教えてくれ。

ほんと、この漫画はすごいです。今まで読んだ中で一、二をあらそう凄まじさがある。しかし残念なことに、この漫画を古本屋で見たことはない。ブックオフで6年ほど前に購入したこの一冊だけだ。この漫画を手に取ったとき、105円の価値があるかどうかで購入を悩んだが、買ってよかった。1000円くらいの価値がある漫画だと思う。

今思いついたのだが、「漂流教室」の世界観に似ている。あの漫画を楽しめた人なら、「うずまき」も楽しめるだろう。もし古本屋等で見かけたら即買いすることをお勧めする。絶対に損はない。
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3.19(金)読了
父母が死に、弟を大学に進学させるために強盗に入った兄。家人に見つかり、発作的に殺人を犯してしまう。兄は捕まり刑務所へ。高校生の弟は殺人者の弟というレッテルを貼られ、人生のあらゆる重要なシーンで苦渋の舐める。兄は獄中から毎月一回弟に手紙を書くが、弟は次第に兄を憎むようになり、返信をしなくなる。
弟は就職し、結婚し、娘が一人できる。ある日、妻がひったくりに遭い、娘もろとも自転車がひっくり返ってしまう。娘の額には生涯消えないであろう傷がついてしまう。このことがきっかけとなり、弟は被害者と加害者の関係にあらためて思いをいたす。そして兄が殺人を犯した家に謝罪をしに赴く。殺害された女性の息子と対面し、毎月一回その家に兄から謝罪の手紙が送られてきているということを聞く。そして兄からの最後の手紙を手渡され、涙する。

よくできています。ストーリーのテンポもいいし、人物もよく描けている。中だれすることなく一気に読み終えることができました。
加害者の弟という消えないレッテルによって人生を台無しにされた弟はかわいそうだが、それにしても彼が最後に書いた兄への手紙はひどい。たしかに兄は強盗殺人の罪により服役しており、それによって弟は辛酸を舐めてきたが、何年も経過した後に突然絶交の手紙を書かなくてもいいではないか、と思う。家族を守るためという理由は分からないでもないが、書き方というものがある。あの手紙はあまりにも情がなさ過ぎる。

前回の『秘密』に引き続き、『手紙』もすばらしいできでした。これまで東野圭吾を敬遠していたのがバカみたいです。これからしばらくは東野作品を堪能したいと思います。
3.16(火)読了
イギリスの少年たち十数名(二十数名?)を乗せた船が難破。無人島にたどり着く。5歳から12歳までの少年たちは、大人のいない無人島で彼らなりの生活を始める。始めはある程度の団結をみせていたが、やがて分裂。互いに敵視をして、ついには殺し合い(というか強者の一方的殺戮)が開始される。

十年ほど前に一度読み始め、わずか数ページで挫折してしまった本です。高校の先生がお勧めしていたので、今回意を決して読了したのですが、正直、あまりおもしろくなかった。
ロビンソンクルーソーが大好きなので、そのような物語を期待していたのですが、なんとなく内輪揉めのこぢんまりとした話に終始していたような気がします。殺し合いとはいっても実際に死んだのは2人だし、それも簡単に死んでしまったし……。

とにかく、読んだ。ようやく十年間の胸のつかえがとれたような気がします。
それにしても、最近外国の本でおもしろいと思うのが減ったような気がします。外国と相性が悪いのだろうか……?
3.14(日)3読目
10年ほど前にベストセラーとなった名著「捨てる!」技術。
今回、古本大放出(捨てる、売る)を前に再び読み返してみました。

この本にはさまざまな場面に捨てるチャンスがあるということを繰り返し書かれています。ちょっと置いておこう、は厳禁。捨てようかどうか迷ったものはえいっと気合を入れて捨てる。3年間まったく使わなかったものは捨てる。資料などは3ヶ月で捨てる。収納箱は増やさず、とにかく捨てることにベクトルを持っていく、など、読んでいてとてもすがすがしい。

が、ちょっとまて。そんなに捨ててばかりいていいのだろうか? 置いておいたほうがいいものもたくさんある。捨てるばかりがよいことではない。要は捨てるものと置いておくもののメリハリをつけるということだろう。要らないものはざっと捨てて、必要と判断したものはキチンと収納して保存しておく。ここでの要点は、必要と思われるもので本当に必要なものはどれくらいあるのか、ということ。判断方法の問題だと思う。

そう考えたとき、私は必要と思われたが本当は不必要なものがたくさんあるということに気づいた。古本もその一つ(もしくは最たるもの)だ。
今回、所蔵してある本を大量に捨てます。ほしいと思う人は<格安>で(もしくは無料で)譲りますので、ご一報ください。
3.12(金)読了
文芸社が編集している無料季刊冊子。
今回のインタヴューには、昨年、中日ドラゴンズを引退された立浪和義さんでした。私は生粋の阪神ファンなので、中日・立浪というとどちらかといえば「敵」というイメージがあります。しぶいヒットや好守備に何度もチャンスを阻まれましたからねぇ……。

そんな立浪氏が野球に対する心構えや、引退後の生活などを語っていますが、一言でいうなれば前向き。典型的なポジティブ思考。さすが野球人。そして今回、初の自叙伝「負けん気」という本も出版されるそうです。いかにも立浪氏らしいタイトルではあります。

エッセイもコラムも短編もおもしろかった。10分程度で全部読める冊子なので、私はトイレに持ち込んでよんだりしています(ちょうどいい長さなんですよね)。
「ことのは」は投稿も募集しているようなので、そのうち何かを書いて送ってみようかなと思います。
3.10(水)読了
ノンフィクション。
人とのコミュニケーションにハンディをもつアスペルがー症候群として生まれたダニエル。幼い頃から他人や騒がしい環境が苦手で悩んでいたそうです。彼はあるとき、自分が他人と違うものの見方をしていることに気づきます。彼には数字が色を伴って見えるのです。

彼は数字に魅せられるようになります。数学は彼にとって簡単に習得することができる学科でした。彼はアスペルガーであるとともにサヴァン症候群でもあったのです。サヴァン症候群をもつ人々は、数字や語学などある一定の物事に対して天才的な能力を発揮します。ダニエルは数学や語学の習得がとても早く、そしてとてつもない記憶力の持ち主でもありました。

苦労して高校を卒業した後、彼は外国でボランティアとして英語を教えます。これが彼の視野を広げ、人脈作りにも役立ちます。帰国後、彼はわずか3ヶ月で円周率の欧州記録を塗り替えます。このことがきっかけで取材が殺到します。その後も彼はテレビの企画でわずか4日(!)でアイスランド語を習得したり、語学の独学ができるウェブサイトを立ち上げたりするなど、精力的に活動します。

一見、超人のように見えるダニエルも、普段の生活では不自由を感じることがとても多いようです。
たとえば、電車など人が多かったり騒がしい場所にいると頭がガンガンする。ホテルに泊まるなど普通の人が簡単なことが難しい、アスペルガーの特徴でもある、他人との付き合いが極めて苦手、などです。

現在、ダニエルはパートナーと同棲(男性。ダニエルはゲイなのです)しながら、てんかんや自閉症関係の研究に協力しています。彼をとおしてさまざまな脳に関する事実が発見されるといいなと思います。
3.8(月)読了
6編の短編。
すべて現代物ですが、浅田氏にしてはめずらしく、ファンタジー要素のある作品もあります。「特別な一日」などは星新一のショートショートを呼んでいる感じでとてもおもしろかった。ラストの「樹海の人」は30ページ弱の特に短いもので、彼が自衛隊に入隊していた頃のことが書かれており、小説というよりもエッセイのような感じでした。

作品の出来は安定して良いです。飛びぬけてすばらしいというものがないかわりに、読むに耐えないという作品もない。70~80点の出来です。浅田氏の他の著作についてもいえることですが、まったくおもしろくないという作品がないというのはさすがプロだと思う。

自衛隊のことについて書いた作品(「歩兵の本領」だったか)がおもしろかったので、もうひとつ書いてほしい。完全なファンタジーではでにドンパチ戦争する内容のものを。江戸明治などのことを彼はよく書いているけど、現代物の戦争については見たことがない。絶対におもしろいと思う。
3.6(土)読了
不思議研究所の刊行している冊子(無料)。
今回は増刊号ということで、風水や坂本竜馬関係、神社に観光に行ったときの様子などが写真とともに紹介されています。前回はカラー写真だったところが、今回はモノクロ写真。無料なので文句はいえません。

坂本竜馬や岩崎弥太郎が訪れた長崎での取材はとても楽しく読むことができました。彼らの薀蓄なども興味深かった。竜馬は女ったらしの三股男なんてところは、あまり人に知られていないところですね。英雄色を好むといったところでしょうか。

冊子の最後のほうは、いつものとおり不思議研究所のトンデモグッズの紹介です。
超高価な占いの本やその他多数のあやしげな小物の類……これさえなければより好感度があがるのになぁといつも思います。気は心、著書で楽しませてくれたお礼の意味を込めて購入しようかと思ったこともあるのですが、値段を見るとその決意が炎天下の朝顔のごとく萎れてしまいます。万単位のものを洒落で買うほど金持ちではないので。占いで儲けたらひとつ買うとしましょうか(しかし占いの本が一冊10万円という無限ループ∞∞∞)。
3.4(木)読了
スピリチュアル本。そしてトンデモ本。
UFOから幽霊、宇宙人、予言、神話、超能力など、精神世界のあらゆることをごった煮にしたチャンポンのような本です。アトランティスの話をしていたかと思えば科学の話になり、次の瞬間には神話、UFO、あの世、陰謀へと移っていく……話の展開が速すぎて凡人の私には到底ついていけません。

テンポもさることながら、内容も輪をかけてすさまじい。私はこれまで精神世界関係の本は相当数読んできましたが、これほど荒唐無稽な内容の本は初めてです。ト学会が黙っちゃいないぞ。

著者の佐藤氏は、人生のある時期に突然悟りを開いたそうです。そして他人の思考が読めるようになり、真理を体得することができたと書かれています。それからというもの、あちこちでスピリチュアルチックな話を吹聴して、あげくのはては会社をクビになり、家族からは見放され、とうとうひとりぼっちになってしまったそうです。とても可哀想です。

読後感は悪いです。精神関係のあちこちから寄せ集めてきたつぎはぎだらけの内容の本なので、得るものは少なかった。著者の尊大で傲慢な物言いと、彼の人生の悲惨さばかりが目につきました。

著者は精神が疲れているのだと思います。そのため自分の妄想を確固とした現実と思い込んでいる。他人の思考が読める、偉大な真理を体得した、その他本に書かれているさまざまな記述から推察するに、典型的な統合失調の状態にあるのでは。
もし状況が許すのであれば、しばらくの間、どこか落ち着いたところでゆっくりと静養するのがよいと思います。
3.3(水)読了
バス事故により、母親と娘は大怪我を負った。母親はそのまま死亡。娘はかろうじて一命を取りとめたが、どうも様子がおかしい。話をするうちに、どうやら母親の意識が娘の内部に入り込んでしまったことが分かる。父親である主人公は身体は11歳の娘、内部は妻というギャップに悩みながらも、次第に受け入れていく。
娘(妻)は猛勉強し、私立中学、そして名門私立高校へと進学。将来の夢は医学生となること。自分と娘の身に起きたことを研究したかったのだ。年を経るにつれ女となる娘。高校では男友達もでき、いつか自分から離れていってしまうのではないかという言いようのない不安感にかられた主人公は、娘の行動を逐一監視するようになる。その行為に憤慨する娘、しかし娘の内部は妻である。彼女も自分の立場に煩悶する。
ある日、主人公は娘に謝罪をする。縛っていて悪かったと。それに動揺した娘は、自室に入り込みすすり泣く。翌日、突然、娘の内部に娘が帰って来る。それまでの5年間の経過を聞き、娘は驚く。そしてすぐに眠り込み、再び起きた時には妻の意識が復活している。そんなことを数ヶ月続けていたある日、妻の意識は「これが最後」といって消えていく。それ以来、妻の意識は現れなくなった。
娘は25歳になり、結婚することになった。娘は母親の形見の指輪を、父親に内緒で作り変えて自分の結婚指輪とした。なぜ娘が妻の指輪のある場所を知っていたのか? そして主人公ははっと気づく。実は娘の意識は戻ってきたわけではなく、この9年間ずっと、妻は娘の意識が戻ってきたかのように振舞ってたのではないかと。そして主人公は号泣する。

東野圭吾の作品は基本ミステリということで、ミステリ嫌いの自分としてはほとんど読んだことがありませんでした(2~3冊だけ)。しかし近年の東野フィーバーにつられて、人気の高いこの『秘密』を読んでみました。
結果、大当たり。魂の入れ替わりというベタな設定ですが、文章、内容とも申し分ありませんでした。加害者側の事情や内面などは描写不足な感がありましたが、ラブストーリーとして読めばそれも気になりません。そしてラスト、これはツボを押さえまくりですね。やられた、といった感じです。

この『秘密』は私に、東野作品をすべて読むことを決意させました。図書館が約3週間閉館という最悪の状況ではありますが、本が手に入り次第、がーっと一気に読んでいきたいと思います。東野最高っすね。


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