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読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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3.19(金)読了
父母が死に、弟を大学に進学させるために強盗に入った兄。家人に見つかり、発作的に殺人を犯してしまう。兄は捕まり刑務所へ。高校生の弟は殺人者の弟というレッテルを貼られ、人生のあらゆる重要なシーンで苦渋の舐める。兄は獄中から毎月一回弟に手紙を書くが、弟は次第に兄を憎むようになり、返信をしなくなる。
弟は就職し、結婚し、娘が一人できる。ある日、妻がひったくりに遭い、娘もろとも自転車がひっくり返ってしまう。娘の額には生涯消えないであろう傷がついてしまう。このことがきっかけとなり、弟は被害者と加害者の関係にあらためて思いをいたす。そして兄が殺人を犯した家に謝罪をしに赴く。殺害された女性の息子と対面し、毎月一回その家に兄から謝罪の手紙が送られてきているということを聞く。そして兄からの最後の手紙を手渡され、涙する。

よくできています。ストーリーのテンポもいいし、人物もよく描けている。中だれすることなく一気に読み終えることができました。
加害者の弟という消えないレッテルによって人生を台無しにされた弟はかわいそうだが、それにしても彼が最後に書いた兄への手紙はひどい。たしかに兄は強盗殺人の罪により服役しており、それによって弟は辛酸を舐めてきたが、何年も経過した後に突然絶交の手紙を書かなくてもいいではないか、と思う。家族を守るためという理由は分からないでもないが、書き方というものがある。あの手紙はあまりにも情がなさ過ぎる。

前回の『秘密』に引き続き、『手紙』もすばらしいできでした。これまで東野圭吾を敬遠していたのがバカみたいです。これからしばらくは東野作品を堪能したいと思います。
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