読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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1.29(火)読了
漫画家、吾妻ひでお氏が自分の日常を描いたマンガ。 内容はほとんどが読書、食事、テレビ、睡眠など、吾妻氏の日常生活を繰り返し繰り返し描かれている。そんなつまらなさそうな作品が、なぜかおもしろい。 平凡な日常のなかにも、アルコール中毒であり断酒会に参加していること、うつ病で定期的に心療内科に通い、うつ薬と精神安定剤を服用していること、「納豆キムチ卵かけご飯」など奇妙なものを食べていること、プロなのにコミケや通販で自作を販売して糊口をしのいでいたこと、漫画業界の裏話なども描かれていて、おもわず「へーっ」と思わされる。 好き嫌いがはっきりわかれる作品だと思うが、私はこういうのは結構好き。下手な小説を読むよりずっとおもしろかった。 ちなみに、吾妻ひでお氏の得意分野はずばりロリータ。一貫してかわいい女の子の漫画ばかり描いている。好きな女の子のタイプは、「ポニーテールで幼い顔だが成熟した身体をしている娘」とのこと。うーん、そうきたか。制服フェチでもあり、女子高生ウォッチングも好きらしいが、くれぐれも犯罪に走らないように! 本書にもかわいい女の子のカットが多数描かれており、たしかにロリータばかりだ。男にも女にも人気がでそうな画風だなぁと思う。 巻末には読んだ本の記録が書かれているが、1日数冊読んでおり、かなりの読書量。ジャンルさまざまだが、わりあいSFが多いかな?現在は仕事が増えて、読書量は減ってしまったようです。 PR
1.28(月)読了
24歳で飛び降り自殺をしたマンガ家・山田花子を、彼女の著書や日記などから精神分析を試みた本。 精神科医である石川氏は、本書で山田花子を統合失調症であると同時に、アスペルガー症候群、非言語性LDであった可能性があると指摘しています。非言語性LDとは先天的な脳の異常で、知的には正常もしくはそれ以上であるのに、ある特定の学習能力が発揮できない状態のことです。非言語性とは、社会技能、空間の方向付け、問題解決といった非言語的機能など右脳機能に関連した欠陥のことです。 山田花子は非言語LDとして生まれたため、いわゆる一般常識が理解できずに学生時代にイジメられ、漫画家になった後も社会性の理解の難しさから統合失調症や抑うつ状態となり、精神病院から退院した後に自殺をしてしまったのではないか、というのが見立てです。 LDやADHDの人のなかには、知能的には問題がない人も多いため、自身が先天性の疾患を抱えているとは気付かない人もいると思います。これらの病気は、アメリカではある程度認知されて学校の試験等でも優遇措置がとられたりしていますが、日本ではまだまだ認知されているとはいえません。 精神病や脳の疾患と言ったら、多くの人が疎遠になったり、噂になったりもするでしょう。これは正しい知識の欠如からくる偏見です。かつてHIVが差別の対象となったのと同じです。政府主導で正しい知識の普及を進めることが急務と思います。 先の政府は精神保健福祉法の改悪などどいう愚行を行いましたが、弱者の側に立たずしてなにが政府でしょう?福祉国家の名が泣きます。 自分が他の人と違うと思ったり、生き辛さを抱えたりしている人は「片付けられない女たち」(ニキ・リンコ著)などを読むのもいいと思います。LDやADHDについて具体例とともに書かれており、参考になることがあるかもしれません。
1.28(月)読了
吉本氏が読んできた本、さまざまなジャンルの本のベスト、吉本氏へのインタビュー、知識人との対談などを通して、本や時代などについて考察している。 私は吉本といえば、娘さんの「吉本ばなな」を連想してしまう。高校生の頃、『つぐみ』をなに気なく読み、軽妙で読後感が良い作家という理由で、彼女の本を折にふれて読んでいた。よって、父である隆明氏についてはほとんど知らない。 隆明氏が生涯でもっとも影響を受けた本として、『新約聖書』、『昆虫記』(ファーブル)、『資本論』(アダム・スミス)を挙げています。 私も『昆虫記』は小学校の頃に(おそらく子供用の本で)読んで、とてもおもしろかった記憶があります。『新約聖書』も小学校高学年で読んで、こんなにすばらしい本があるなんて!と大感激した(ちなみに私の家はクリスチャンでもなければ宗教色もほとんどない。12月にはクリスマスをし、1月には神社におまいりに行く典型的な日本家庭。なぜ私がその手の本に興味があるのか解せない)。 当然ですが、本やジャンルの好き嫌いは、その人の人生経験・興味の方向によって異なります。ミステリーやSFが好きな人もいれば、実用書やノンフィクション系統しか読まない人もいる。では、いわゆる良い本といわれているのは何かということを考えると、その時代の人々にある程度受け入れられ、かつ内容が良い(おもしろい)、もしくは実用的な本ということになる。それらに宣伝効果があいまって、ベストセラー本がうまれる。よって、太宰や三島などの近代作家は、一部のファンを除いて現代ではあまり売れない。時代にそぐわないのでしかたがない。 最近では『がばい婆ちゃん』や『ホームレス中学生』、『ハリーポッター』シリーズがベストセラーとなりました。共通しているのは、いずれもそこそこ面白く、宣伝効果が絶大だったという点。ハリーポッターなどは宣伝効果とブームの相乗作用で大ヒットして典型例です。内容は悪くはないが、特別良いとも思えない。どこにでもあるファンタジー本という印象でした。ブランド好きの日本人はついつい買ってしまうのでしょう。私もそのひとりです。
1.27(日)読了
500gで生まれた全盲の女の子、井上美由紀さんの2作目の手記。 17歳の高校3年生になった彼女が、生い立ちから、論文大会優勝後の生活、将来の夢などについて語っています。彼女は生まれつき盲目なので、目の見えないうのがどういうことか分からなかったそうです。母親は「みえる」というのはどういうことかを分からせようとしますが、言葉や概念で説明してもどうしても理解できない。人間がコウモリやイルカのエコーロケーション(反響定位)を理解できないのと同じです。理解の範囲を超えているといってもいいかもしれません。美由紀さんにとって視力とは「触覚」です。いろいろなものを触って、肌で感じて覚えていく。聴覚も重要で、美由紀さんは小さいころ、100本以上あるテープの中から、テープを動かした音だけで、どのテープかがわかったそうです。ある能力を補うように、他の能力は発達するのですね。 美由紀さんは将来の夢として、福祉の仕事をしたいと本で述べています。自身が障害を持っているので難しいかもしれないと言っていますが、そのような人だからこそ、弱者の痛みが分かって適任だとも思いました。どのような道に進んでいったとしても、持ち前の明るさと優しさで乗り切られるだろうと思います。 1.27(日) 立花氏は幅広いジャンルの著作で有名だが、それだけに読書量ははんぱではない。たとえば彼が新しいジャンルの著作に取り掛かる場合、そのジャンルの本をページの長さにして3~4メートル分は買い込んで読むようだ。
そのジャンルの傾向の違う入門書を3冊買う。経済ならマルクス経済学と近代経済学、哲学なら実存主義と唯物論について書かれたものなど。同じ学問でも主義・主張によりまったく別物になるので、考え方の偏りを防ぐためだ。入門書の参考文献を立ち読みで通読。これでその世界での名著がわかってくる。 次に、古典書や若い学者によって書かれた入門書を買う。一般向けの軽い解説書、そのジャンルに関係ある肩の凝らない読み物を各4、5冊買う。たとえば、主が経済なら、社会学、経済学、経営学、統計学、商法、公法、農業政策、資源・エネルギー問題、技術論、未来学などの解説書。 次に、その学問の歴史、学説誌、思想史を買う。 次に、各論を買う。自分の歯が立つ程度の内容のものを一冊。そのほか、そのジャンルの専門辞典、年鑑などのたぐいを一冊買う。 以上を購入すると20冊くらいになる。 それらを片っ端から読む。精読不要、ノート不要。アンダーラインや折り目で済ませる。重要なことはどの本でも繰り返し書かれているから自然と頭に入る。つまらない本、出来が悪い本などは即座に読むのをやめる。買った本の2割程度はそういう本。 以上を集中してやれば、たいていの学問は1ヶ月で概要が頭に入る。あとは、文献案内を手がかりに、どんどん読んでいく。 以上の方法はあらゆるジャンルで可能。語学も本当に1ヶ月集中して勉強すれば、ある程度モノにできる。ただし、それができるのは厳しく尻を叩いてくれる人が必要。個人授業の教師を雇ったほうがいい。
1. 金を惜しまず本を買う 2. 1つのテーマについて1冊の本で満足せず、必ず類書を何冊か買う 3. 選択の失敗を恐れない。失敗なしには、選択能力が身につかない 4.自分の水準に合わないものは、無理して読まない。水準が高すぎるものも低すぎるも 5. 速読術を身につける。 6. 本を読みながらノートを取らない。ノートを取りながら一冊の本を読む間に、五冊の類 7. 人の意見やブックガイドの類に惑わされるな。 8. 本を読むときには、懐疑心を忘れるな。世評が高い本にもウソ、デタラメはいくらでも 9. 翻訳は誤訳、悪訳がきわめて多い。翻訳書でよくわからない部分に出会ったら、誤
彼の読書歴は、絵本類を抜きにして考えると、小学校入学前の童話類(活字本)にはじまる。すぐに物足りなさを感じ、「トムソーヤーの冒険」「ロビンソンクルーソー」「青い鳥」「宝島」などへ。小学校3年生では江戸川乱歩をはじめとした探偵小説、冒険小説、推理小説、怪奇小説、剣豪小説、捕物帖のたついに熱中。「西遊記」「家なき子」「乞食王子」シェイクスピアから「ハムレット」「ヴェニスの商人「「テムペスト」「マクベス」「ロミオとジュリエット」「リア王」等」。日本の作家では山本有三全集、夏目漱石、志賀直哉、富田常雄、吉川英治etc.etc...このようなペースでどんどん読んでいく。小学校在学中に日本、世界の主要な作品を読みつくしたようだ。中学校以降も恐ろしい量の本を読むが割愛。 それにしても、小学校3年生で漱石とか吉川英次って・・・。「草枕」を読む小3。「太閤記」を読む小3。「路傍の石」を読む小3。渋すぎる。ちなみに、私はそのころ星新一にハマッていました。かわいすぎる。
1.25(金)読了
わずか500gで生まれてきた全盲の女の子の手記。 井上さんの母親は、妊娠中にご主人を亡くされ、そのショックからわずか24週目で美由紀さんを出産されました。生まれてきた美由紀さんは体重がわずか500g、玉子大の頭とボールペン程度の身長しかなかったそうです。 2~3日が山場と言われていた美由紀さんでしたが、奇跡的に命をとりとめ、成長してきます。しかし、超未熟児の美由紀さんは、生まれつき目がみえないという障害を背負ってしまいます。母親はご主人も身よりもまったくいない状態で、必死に美由紀さんを育てていきます。 母親は目がみえない美由紀さんを、健常者と同じように育てました。自転車にも乗らせ、美由紀さんが将来困らないように、勉強も運動も頑張らせます。 盲学校の中学校に通っている美由紀さんは、校内弁論大会を「母の涙」で優勝。続く九州地区盲学校弁論大会で最優秀賞を受賞。ついには全国盲学校弁論大会で優勝します。 この本を読んでいると、まず母親の頑張りに感動します。 母親は不幸な少女時代を送り、努力に努力を重ねてやっと自立します。結婚するも最愛のご主人に先立たれ、目のみえない美由紀さんを一人で育てていきます。親兄弟もおらず、親戚もいない・・・。弱い人だったら自殺していたでしょうと書いていましたが、本当に大変な人生でした。もちろん、美由紀さんも大変なことがたくさんあったでしょうが、それ以上に「母親のすばらしさ」を感じさせてくれる作品でした。
1.24(木)読了
スピリチュアルカウンセラーで有名な江原氏の本。 人間関係、子育て、仕事、お金、健康、死などについて、人生の分岐点に立たされたときにどのような判断をくだせばよいかを、スピリチュアルな法則に照らし合わせて述べています。 内容的には、江原氏がこれまで書かれてきた本の寄せ集めといった感じです。基本的には、正しい動機に基づいて行動し、小我な心ではなく大我な心で判断するべき、ということです。江原氏は若いころにシルバー・バーチの「霊訓」(精神世界の古典的名作、チャネリング本)に感銘を受けたようで、シルバー・バーチがしばしば引用する、「正しい動機」の重要性を強調しています。 正しい動機とは、例えば、癌で余命わずかの人に、「大丈夫、お医者さんも治るといっているよ・・・」と嘘をつくことに当たります。癌ではないと嘘をつくことは良くないですが、本人の性格等を考慮して、心安らかに余生を過ごさせるための嘘は、動機的に正しいです。「嘘も方便」といったら分かりやすいでしょう。 「方便」とは仏教用語で、仏や悟りに近づく方策のことをいいます。たとえ嘘でも動機が正しければ、仏に近づく道具となるという意味です。言葉って奥が深いです。 最終ページには「スピリチュアル・ジャッジカード」という天使のカードが付録として添えられています。3Dカードになっていて、とてもきれいなカードです。お守りがわりによさそうです。
1.24(木)読了
東北と関西の拘置所で看守長として勤め、死刑執行にも立ち会った経験を持つ戸谷氏の本。各地の拘置所での死刑囚の待遇や心境の変化など、当事者でしか知り得ない情報が記されています。 死刑囚への死刑執行の申し渡しをいつ行うかは、拘置所によって異なるようです。たとえば関西のO拘置所は死刑執行の2日前に申し渡しますが、東北のS拘置所は執行当日の午前中に言い渡すそうです。どちらがいいのかは分かりませんが、私が死刑囚だったら、執行の2日前に申し渡してほしいと思います。実際、S拘置所において、朝食後~11時までは「魔の時間」と言われ恐れられているそうです。午前11時までに死刑囚の独房に「お偉いさん」がやってきて、刑務所長室へ連行され、死刑が言渡される。その後、時間をおかずに執行されます。これは考えただけで恐ろしい。毎日が死と隣りあわせで、生きた心地がしないと思います。もっとも、2日前に言渡されると、即日執行ではない分、書き物や心の整理などをする時間はありますが、死の恐怖から精神的に厳しいかもしれません。どちらにも一長一短があります。 現在はどちらの刑務所も即日言渡しがされているようです。 本書において筆者は、基本的には死刑制度廃止を訴えています。憲法36条の「公務員の残虐な刑罰の執行を禁止」を根拠とし、執行職員のつらさ、公務員でありながら殺人(幇助)を行わなければならないことによるプライドの低下、死刑囚に処刑の恐怖を味わわせたうえに、最後には処刑するという残酷性などを指摘しています。 一見、戸谷氏の論は正しそうにみえる。確かに憲法36条で公務員の残虐刑は禁止されているし、死刑囚に刑の執行以外の苦痛を与えているのもその通りだ。しかし、戸谷氏は遺族感情をどうすべきかについて、一切触れられていない。元看守長という経歴からすると、死刑囚側に立って考えるようになるのは当然かもしれないが、単に死刑反対を唱えるだけでは国民は納得できないだろう。 戸谷氏は死刑の代替刑として、100歳満期の懲刑(仮釈放、恩赦なし)という私案も披露されている。人間の寿命を100歳と考えて、25歳なら懲役75年、40歳なら懲役60年として、100歳になれば満期で出所させるというものらしい。一瞬、目を疑った。本気で言っているのだろうか?だとしたら、失礼ではあるが、戸谷氏の頭を疑ってしまう。誰が100歳で出所したいだろうか?100歳で出所した後はどうするのだろうか?ほとんどの友人、親類縁者は亡くなっている。お金はない、仕事はない、必然的に死ぬしかない。代替刑としては終身刑(仮釈放、恩赦なし)が妥当ではないか。 死刑制度の可否については昔からさまざまな議論があるが、現在のマスコミ・世論は死刑存続がやや強いように思う。10数年前までは死刑撤廃論が優勢だったが、未成年者による残虐殺人の頻発等をきっかけに、死刑存置に傾いてきたように感じる。 世界の流れから考えると、日本も20~30年以内には死刑撤廃がなされると思うが、その場合には、遺族感情、遺族補償、代替刑の確立を中心に徹底的に議論して、新たな法整備をする必要がある。場合によっては国民投票が必要かもしれない。
1.23(水)読了
脳出血で死にかけた著者が、生と死の狭間で体験した不思議な現象を語っています。本によれば、病院に運ばれ手術を受けている最中に、飯田氏のたましいは身体を抜け出し、「あの世」へ旅立ったとのこと。脳出血となり「あの世」を訪れるのは、飯田氏が生まれる前にあらかじめ決めていたことだそうです。そのような予定を組んでいた理由は、宇宙の真理を知り、それを人々に伝えるという、飯田氏が生まれる前に決めていた使命を果たすためです。飯田氏はあの世でさまざまな真理、理解を受け取り、この世へ生還してきます。 この本は、他の精神世界の本を一歩進めた内容が語られており、私がいままで疑問に思っていた事柄が簡潔に述べられています。いままであいまいな理解で済ませていたことが書かれており、「なるほど!」と感激しながら読み進められました。 その中でも特に印象的なものを抜粋すると、 「精神世界の真理というのは、宇宙の本質であり正体である精神宇宙が、自らに試練を与え、成長させるために創造した、さまざまなしくみのことを言う。そのしくみのひとつとして、時間と空間の観念を備えた物質宇宙を創造、精神宇宙の構成要素であり細胞である『魂』たちを送り込み、さまざまな物理的体験を通じて学ばせ、精神宇宙全体の成長基準である『愛』のレベルを高めようとしてきた。精神宇宙とは『愛』そのものであり、そこでは完全な調和が保たれている。ゆえに、その創造主である物質宇宙で起きる出来事も、精神宇宙からみるとすべてがお見通しであり、あらゆる物理現象をコントロールすることができ、いかなる現象であっても、精神宇宙から見ると、予定通りに順調な出来事である。」 以上は他の精神世界の本にも書かれてある内容です。(精神世界好きには)特に目新しくはない一般的な事柄といえます。驚いたのは以下です。 「精神世界の上にさらなる真理がある。それは、精神世界が真に自らを成長させるために、自らに対して仕込んだ、総仕上げのような巧妙な真理、いわば『最終的な真理』といえる。それは、『自ら予定した順調な学びを、強制的かつ自動的にかき乱すようなしくみを、わざと自らの内部に埋め込んでおくことによって、その予定外の混乱状態を通じた極限の学びを、自らに強いておいた』ということです。 つまり、『生まれる前に計画しておいた人生が、予定通りに順調に展開していき、予定通りの喜怒哀楽を通じて学ぶ』というだけでは、その範囲の学びだけに留まってしまう。『生まれる前に計画しておいた人生ではあるが、実際には、自動かく乱システムが強制的に作動し、予定していた出来事が起きなかったり、発生次期がずれてしまったり、予定外の出来事が生じたりすることにより、大いに混乱してしまう』という体験をするほうが、学びの内容や成長度ははるかに大きくなる。よって、生まれる前に決めた事柄が起きなかったり、思わぬ時に、まったく理不尽なことが起きてしまうという現象が、少なからず生じてくる。 したがって、(最終的な真理において)人生では『予定外の死』もあり得る。その死から何の意味も感じられないような、あまりにも悲しく空しい死が。だからこそ、その死がもたらす深い絶望感、虚無感、喪失感を通じて、その死にかかわる人々や、その死について知った人々が、より深く心揺さぶられ、それにより、より大きな学びの機会を与えることができるという、これ以上ないほどの逆説的な価値を持っている」 ということです。この概念ははじめて聞きました。 精神世界では、生まれる前にある程度の人生設計をして、多少の裁量はあるものの、その人生設計にしたがって生まれて死んできます。どんな不幸なことが起ころうとも、自分で決めたカリキュラムを果たしているという意味において「すべて予定通り」と言えます。 しかし、最終的な真理によれば、生前にまったく予定していなかった突発事態がランダムに起こり、それに対処することにより、魂の成長度が大きく進むということです。むぅ。 ただし、突発事態が起こるのは、一定のレベルに達した成熟した魂にだけであって、若くて経験の浅い魂などには起こらないようです。経験の浅い魂はまだ突発事態に耐えるだけの力を持っていないので、生まれる前に決めたカリキュラムに沿って一生を進めるようです。宇宙のしくみは本当に合理的です。 飯田氏はこの本の他にも「生きがいの創造」「生きがいの本質」「生きがいの催眠療法」「ソウルメイト」「愛の倫理」「ブレイクスルー思考」ほか多数の著書を出版されており、どれもすばらしい本ばかりなので、興味のある方はご一読ください。 本業が福島大学経済学部経営学科の教授ということもあり、経営学をスピリチュアルな視点から研究されている方としても有名です。
1/22(火)読了
いまさらながらといった感もありますが、「国家の品格」読み終えました。 ご存知の方も多いと思いますが、この本は2006年における書籍の年間ベストセラー首位、現在までに260万部超を売り上げたベストセラーで、書名の「品格」は2006年の新語・流行語大賞にも選ばれたというすごい本です。 私はベストセラーとすばらしい本はまったく別ものだと思っているので、あまり期待しないで読み始めました。正直言って前半は「ふーん」という感じでしたが、中盤~終盤にかけて「すばらしい!」と不覚にも思ってしまいました。 本書は藤原氏が公演で行った内容を加筆して出版した本です。 前半は日本や世界の経済・イデオロギーなどについて、数学者らしく論理的に述べています。 人殺しなどいけないことはいけない!そこに理由など必要ない!とか、小学校教育で英語を教えるのはよくない。その時間を国語や算数に充てるべき、といったことから、自由・平等・民主主義といった多くの人が無批判で受け入れがちな思想に待ったをかけたりしています。 中盤~後半は、戦前の日本人のすばらしさを「武士道」の観点から論じています。武士道はもともと鎌倉武士の「戦いの掟」であり、戦闘におけるフェアプレー精神をうたったものでした。その後、260年の平和な徳川政権下で武士道は武士道精神へと洗練され、日本人全体の行動規範・道徳基準となっていきます。この中には慈愛、誠実、忍耐、正義、勇気、惻隠(他人の不幸への敏感さ)などがあります。戦後日本はこれら日本が誇れる高道徳性が破壊されてしまったが、それを復活させることこそ諸外国の尊敬を勝ち得る方法であり、たとえ経済力が少々低下したとしてもやり通し、品格ある国家を保たなければならないと説く。 この本を読んで、昔の日本人がいかに誇り高く道徳心に富んでいたか、文学、数学、芸術で世界に類をみないほど優れていたかを知ることができました。日本は私が知っていた以上にすばらしい国でした。 現在は飛行機であっという間に世界各国どこへでも行けるし、インターネットをとおして瞬時に世界とつながることもできます。他国の文化やイデオロギーなどが流入し、その影響を受けるのは当然ですが、日本人が昔から有している「品格」は決して捨ててはいけないと思いました。 |
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