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読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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11.28(土)読了
某狂信的宗教団体をモチーフとした作品。月が2つある以外は違いがない世界にいつのまにかさまよいこんでしまった主人公たち。宗教施設から逃げ出してきた女の子。その女の子は読字障害ながら口頭によって小説を語る。その17歳の娘が書いた『空気さなぎ』という不思議な作品をリライトして新人賞を受賞させた主人公と編集者。
スポーツジムのインストラクターとして働くかたわら殺人の請負をしている女。そして依頼者のもとに助けを求めてきた10歳の少女は後に『空気さなぎ』を書く女の子だった。そしてその娘は教団施設内において、わずか10歳で教祖によって姦通されて、子宮を破壊されていた。

村上春樹の久しぶりの長編小説ですが、迫力があってなかなか良い出来だとおもいます。某宗教団体を思わせる団体、話題性をもたせるために17歳で新人賞をとらせ、あわよくば芥川賞受賞を目論む編集者など、かなりきわどいところをついています。
村上氏はもともとオウム事件に並々ならぬ歓心を抱いており、信者へのインタビューや聴き取り調査なども長年やっているようです。ドキュメント形式の本も出版しています。今回はそれを小説の世界でとりあげたということでしょう。

「空気さなぎ」「リトル・ピープル」などといった意味深な言葉、2つの月、時間軸のずれ、主人公と女の子とのつながりなど複雑に絡み合った糸ですが、下巻ではこれらがどのように解かれていくのかとても楽しみです。ハードブックで500ページの大著ですので読み応えも十分。さすが村上春樹です!


今夜も「鬼ころし」を一本飲んだ。やっぱり辛い。酸いも辛いも噛み締めている村上春樹だからこそ、この作品が描けたのではないかと思った。
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