関東平野－わが青春漂流記㊤（上村一夫著）

4.14(月)読了
戦前生まれ（1940年）の劇画漫画家、上村氏の戦後日本を舞台とした漫画。
敗戦直後の日本が舞台です。生活、教育、民主主義の取り入れなど、戦後日本の混乱期の庶民の生活を描いています。

庶民といっても、登場人物は一癖も二癖もある人たちです。性同一性障害の少年や服役員でヤクザの男性、性倒錯の男女も多数登場します。ある意味、混乱当時の人々の典型を描いているのかもしれません。

小学校で民主主義教育を教え始めた先生の様子が描かれていますが、これもまたおもしろい。民主主義教育とは多数決絶対主義で、多数の方が正しいという風に先生は受け取っていて（正しい、とはかぎりませんね）、あきらかに真実ではない行為にもかかわらず、多数をとった事柄を正しいこととしています。
柔軟性のない裁定ですが、先生の戸惑いもあったのでしょう。
いきなり民主主義万歳といわれてもねぇ･･････。いままで間違ったことを教えていたことになるからね。

そんな戦後のいろいろな事柄をおもしろく描かれています。こういう漫画は、けっこう好きです。