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読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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4.10(木)読了
M&Aシリーズ第3作目。密室ミステリィ。

<あらすじ>
天才数学者、天王寺博士の邸宅のパーティーに招かれた、N大学2年生の西之園萌絵。天王寺博士を敬愛する、N大学助教授の犀川創平も共に行く。邸宅の前にそびえ立つ巨大なオリオン像。それが霧の夜に忽然と消えてしまう。博士が消したのだ。12年前にも1度消したようで、消滅の謎を解けた者に莫大な遺産を相続すると言ったそうだ。
パーティーをおこなったクリスマス・イヴの夜、博士の子と孫が死ぬ。子はオリオン像の前で、孫は自分の母親の部屋で死んでいる。さて、これはどういうことか……。

私はミステリィはほとんど読まないのですが、この本のトリックはおそらく簡単だと思います。普通に読んでいても、半分以上の人は解けるのではないでしょうか。私は最初の段階でほぼ解りました。『これがトリックでなければ良いが……』と思いましたが、最終的に、『あぁ、やっぱり……』となってしまいました。

おそらくわざと、シンプルで簡単な創りにしたのだと思います。
『すべてがFになる』という処女出版作を読んだことがあるのですが、そちらの方はもっと入り組んでいたので、見破ることはできませんでした。コンピュータの時間差をトリックにしていた記憶がありますが、よく覚えていません。
もっとも、処女作は10年以上前のものなので、いま読んだらちょっと古いと思うかもしれません。ここがコンピュータやテクノロジィ関係の作品の難しさでしょうか。

一番良かったのは、犀川創平と西之園萌絵の微妙な関係です。
この2人を主役にして、森氏に心理サスペンスか恋愛小説を書いてもらいたい、と何度も思いました。森氏は絶対に恋愛小説適正があります。執筆されることを期待しましょう。

それにしても、名前が良いですね。「西之園萌絵」。誰も本名と信じないでしょう。欧州なら''von''(=貴族につけられる呼称)がつくところです。設定もそうですけど、高貴な感じがしますね。

作品全体についていえることですが、登場人物が非常に2次元的で、鮮明に頭に浮かんできます。そのまま漫画にできそう。あと、西之園萌絵は上手いこと描いていると思う、森氏。「萌絵は脚を組んだ」4度くらいでてきた。座布団1枚。

あとは「……」がものすごく多用されているのも特徴。ここまで使用している本はあまりないなぁ。ちょっと気になった。「にっこり笑った」「微笑みながら言った」「くすくすと笑った」という表現も多い。萌絵は表情豊かということでしょう(犀川も)。
いま思いついた! 「萌絵=アスカ」だ(エヴァンゲリオン)。イメージがかなり近い。漫画版7巻だったか、あの男性(名前忘れた)にアスカがせまる場面があるが、あの男性が犀川だ。

いや、感想が長くなりすぎた。なんせ読むのに4日かかりましたからね。これくらい感想を書かないと。併読して『風の谷のナウシカ』読んでいました。偉いぞ自分!
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