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読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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2.1(日)読了
精神病院を舞台として、さまざまな事情から入院・通院している患者たちの人間ドラマを描いている。山本周五郎賞受賞作。

帚木氏自身が現役精神科医ということもあり、患者たちの事情や病棟内の様子なども地味ながらリアルに書かれています。主人公格の人たちは軽い知的障害であったり、転換発作で母親殺し、家族殺しであったりします。
そんな「普通」ではない人たちが一所で生活しているので、秩序も何もあったもではないと思うでしょうが、そんなことはありません。奇異な行動をする人ももちろんいますが、それでもある秩序によって生活様式はなりたっているようです。

さて、この物語は一人の中学生の少女を中心に描かれているといってもいいでしょう。なぜなら、主人公格の男性――60歳前後の彼らですが――は、皆その少女に恋をしてしまうからです。正面だって好きだ! とは書かれていませんが、くどいように何度も「島崎さん」という単語が出てきます。なんとなく切なくなります。

ラストは、その少女を辱めた元暴力団員のヤク中の男を、主人公格の男性が仇討ちとして殺害します。そして裁判。殺人が悪いことは言うまでもありませんが、その心は清し、と思ってしまいます。

特に盛り上がったり、アッというどんでん返しがあるという訳ではありませんが、深い人間ドラマで読ませています。

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