読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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2.8(日)読了
切腹した新撰組隊士であり南部藩脱藩者の吉村貫一郎。その息子は17歳になり、父の汚名をそそぐべく鳥羽・伏見の戦に参戦、命を捨てる覚悟であったが、それも叶わず。津軽海峡を北上し、旧幕府軍最後の砦である箱根の五稜郭を命の捨て場とする。 大野は奥羽越列藩同盟を堅持する方向で藩論を纏め上げる。官軍に寝返った秋田藩を攻撃、官軍に攻め立てられ、ついには奥羽越諸藩は壊滅。南部藩も恭順の意を示す。その責をとり、大野は斬首される。 貫一郎の娘は、彼の元上司である大野の息子と結ばれ、医者となり中国の奉天で町医者となる。そして貫一郎の脱藩後に生まれた末息子は、父と同じ「貫一郎」と名付けられ、大野の中間(ちゅうげん)に背負われて、越後の豪農に預けられる。後に帝国大学で農学を修め、農学博士として米の品種改良を行う。 義士である吉村貫一郎を中心として、それに関係するさまざまな人物の供述、回顧録のような形態で物語が進みます。貫一郎の一人称が南部言葉で語られたと思ったら、次には新撰組の斉藤一の回顧録、次は貫一郎の息子の一人称、大野の中間の一人称、回顧録……。 語りの人数が多いので、重複する文章や内容もありますが、それらをパズルのように重ね合わせて、人物像を浮かび上がらせるという楽しさもあります。 この小説を読んで、浅田次郎は巧い作家だと、つくづく思いました。面白い作家、泣かせる作家というのは割といますが、巧い作家というのは案外少ないものです。 時代小説の楽しさも、浅田氏の本を読んだことで知ることが出来ました。歴史関係は好きなのですが、なぜか小説で読もうとは思いませんでした。恥ずかしながら、「翔ぶが如く」も読んだことがありません。これを機会に、読むジャンルを広げてみようと思います。 PR |
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