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読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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2.19(火)読了
ビートたけしのエッセイ集。ベネチア映画祭でグランプリを受賞したことから地方自治、ボランティア、安楽死など幅広く論じています。「首吊りの足を引っぱるのは善か悪か」など誰もが思っていても言えないことも書かれている。憲法25条で生存権があるのと同様、自殺する権利もあるというわけ。
欧米では一応、キリスト教というものが浸透しており、自殺や悪いことをすると死後に煉獄で苦しむとされている。小さい頃から日曜学校などでこの教えを刷り込まれたら、いくらかの抑制効果になるのかもしれない。それに「なぜ自殺はいけないの?」と聞かれたときにも答えやすい。煉獄に放り込まれるからよと。
一方、日本はほとんどが仏教徒ということになっているが、実際のところは無宗教。エンマさまに舌を抜かれるといっても説得力がない。最近流行っているスピリチュアル的なものは、いくらかは抑制効果になるのかもしれないが、一般人からすると胡散臭いことはなはだしい。
既存宗教も十分胡散臭いけどね。墓石買うのに平均200万円、葬式、法事でちょっとお経を頼むとン十万。戒名なんて漢字一文字が数万円?あほらしい。免罪符がなぜここまでまかり通っているのか。冷静に考えるとお金をドブに捨てるようなものとわかるが、伝統と常識を楯にとられると無思考になる。見栄と世間体というのもあるか。
「お母さん、なんでお墓建てるの?」「それはね、みんな建てているからよ」「仏壇はなんであるの?」「家にお墓があったら便利でしょう」「じゃあ、お墓いらないね!」
説得力もなにもない。墓がないと天国に行けないというのも苦しい。そもそも、無宗教なのに死後の世界を信じているのかとつっこまれる。宗教団体の資金源のためだよ、とぶっちゃけるのもはばかれる。第一「なんで宗教団体にお金払うの?」と聞かれたらつらい。たしかに必要ない。
親戚一同が会する機会が設けるため、とか、祖先を敬うため、と無理に理屈をこねても道理がひっこむ。好きな者同士で勝手に旅行に行くほうがよっぽどいいし、祖先を敬うのは手を合わせれば足りる。そもそも、既存仏教には墓は無い。
ならお墓いらないじゃん、って言われたらその通りなので痛い。

結論としては、無意味な祭祀類はやらない。宗教団体にも課税した上で、伝統芸能として若干の補助金を与えて運営させる。これでいいのでは?

と、自己主張も若干入ってしまいましたが、独特な考え方が書かれているたけし本です。なかなかおもしろいので、読んでみて損はないと思います。
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