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読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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2.14(土)読了
御徒歩の別所彦次郎は文武両道の30男。それが見込まれて300俵取りの上役の入り婿となる。しかし跡継ぎ息子が生まれた後、あらぬ陰謀により入り婿先を追い出され、実家で浪人生活を送っている。
ある日、彦次郎は小さなお稲荷さんを拝む。出世の神と思い祈願したところが、あろうことか、不幸の神が宿っている稲荷であった。彦次郎を貧乏神、疫病神、死神が襲う。彦次郎はそれらの悪神を他人に移してしまう。入り婿先が没落し、実の兄が病気になる。彦次郎は実家の当主となり、御蔵番の勤めを始める。

幕末~明治維新の日本を舞台に、一介の御徒歩が「侍」の在るべき姿を模索し、自身の存在意義に沿って命を散らしていく。主君のために命を捨てて奉公するのが侍の矜持であり、死神に取り憑かれながらも数ヶ月の命乞いをして、15代将軍徳川慶喜の影武者として出陣します。

浅田次郎の作品にしてはめずらしく、悪神というファンタジーの存在が出現します。これを何かの示唆的な実体と見ることもできます。途方もない困難な状況下においても、侍というものはかくあるべきということが描かれています。所謂武士道。

個人的にはいまいちという感じがしますが、言わんとすることは伝わってきます。武士道なんて、今の世の中では死語ですね。であるからこそ、心惹かれるし、感動もします。
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