読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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4.13(日)読了
土鬼皇弟を殺して皇兄が反乱~大海しょう、ナウシカが王蟲に飲み込まれるまで 土鬼の蒔いた突然変異の菌は爆発的繁殖力で土地を覆っていく。それにより大海しょうが始まる。王蟲はそうすることにより、人間が傷つけた大地を癒そうとしているのだ。その証拠に、王蟲の目は怒りの赤ではなくて冷静さの青を示している。 皇兄は人造人間を使い、自分の妻にするためクシャナを捕らえる。土鬼諸侯国は大海しょうと菌により全滅。皇兄はトルメキアに攻め込む腹だ。そのためにクシャナの軍隊を救い、自分の兵隊にしようとする。クシャナにトルメキア・土鬼二重国の建国をもちかける。自分の兵隊を救うため、クシャナはOKするほかはない。 ナウシカは土地を癒すために、腐海の苗床となろうとしている王蟲と共に、自分も同じ運命をたどろうとして、王蟲の隣に横たわる。菌は爆発的に増加し、ナウシカを覆っていく。死んだと思った王蟲から触手が生えてきて、ナウシカを自分の体内に飲み込む。 王蟲の大海しょうはホメオスタシスの役目です。土地の浄化です。 この本で人間は、自然を破壊、もしくは支配しようとする傲慢なものとして描かれています。 実際はここまで酷くはない、と思いたいですが、現実はこれ以上に酷いのかもしれません。 旧約聖書のノアの大洪水ではないですが、いつか自然から手ひどいしっぺ返しがくるのかもしれません。それ自体も単なる「ホメオスタシス」なのかもしれませんが……。 書いていて、旧約聖書が読みたくなりました。 でも、あの本は読了までに頑張っても1ヶ月はかかるし、途中でダウンする可能性もある。 たまに病気のように聖書が読みたくなりますが、なんでだろう? パストライフが、と言ったら簡単だけど、やはり聖書自体の面白さにあると思います。原書はシェイクスピアと双璧されるくらい格調高く、気品ある文章のようですし。新約の方を読んでみようかな。 PR
4.12(土)読了
ゴフスタインの短い絵本。 <あらすじ> 地球があり、自然があり、生物がいる。魚が、鳥が、動物が、人間がいる。植物が存在する。 地球は遠くからは美しく見えるのに、その内実は小さな煙を吹き上げ、人々は殺しあっている。 鴨を空から撃ち落とし、山を荒らしている。動物はびくびくしている。年寄りはごみを漁っている。 豊かさをわかちあうために生まれてきたのに、人々は取り合いをしている。 生きとし生けるものは、みんな兄弟姉妹なのだ。すべての命を苦しみと恐れから守ることにより、はじめて私たちは心静かに眠れる。星と月に包まれて。 人間のエゴにより地球環境を悪化させ、生態系を狂わせている様子を描いています。 人間は自然を克服しようとし、動物を苦しめ、人間同士でもまた争い、奪いあっています。これは恐怖から生じる行動だと思います。人間全員に足るだけの、資源、食糧等が存在しないと思っているがため、奪いあいが生じます。 最近考えるのですが、地球には本当に、全員に足るだけの物資が存在しないのでしょうか? 世界の富の大部分を、ごく1部の超大金持ちが所有しているそうです。 富裕層が存在するのは悪いことではないと思いますが、それも程度問題。ある程度は富裕層から貧困層へと再分配されるのが良いと思います。もしそれができたら、地球上の貧困問題は大幅に改善されます。しかし、それはなされない。人間には恐怖があるからできません。 失いことは誰にとっても難しいことです。それは人間のDNAに刷り込まれている本能かもしれません。 物資をため込むのも、食糧も蓄えることも、太古のサバイバルの時代を生き抜くのに必要な行為でした。それはそれで大切なことですが、度が過ぎるとそれも問題です。 現在の地球環境と人間の恐怖、欲望は密接に関係していると思います。 ゴフスタインの絵本は、そのことを指摘しています。
4.11(金)読了
土鬼族の捕虜解放~胞子の突然変異体の氾濫まで ナウシカがトルメキア軍についていくという条件で、クシャナは土鬼族の捕虜の解放を受諾。土鬼族は毒胞子の突然変異体を創りだしたり、巨神兵を飛行艇で移動させたりして、トルメキア軍との戦いの準備を着々と進める。毒胞子は解毒不可能なレベルのものが発見され、それを使用して蟲を混乱させ、トルメキア国方面へ誘導する。蟲の襲来に巻き込まれ、クシャナのガンシップは墜落、クシャナの兄の1人も死ぬ。胞子は進化して意思を持ち始め、蟲を喰らい巨大な生物に変容していく。蟲も混乱し、王蟲が集団移動する大海しょうの前兆も発生する。 自然が牙をむきます。これは結局、人工で自然を支配しようとした、人間のエゴが生み出したものです。 自然の支配というのは、近代欧州的な考え方ですが、そのつけは重いようです。より緩やかな発展による、自然との共存という方向へ進めなかったのかと思います。 「人工」とは「人が手を加えた」という意味だと思いますが、人間の営みは自然には含まれないのでしょうか? 地球からみたら、人間は害毒なのでしょうか? 地球自体が進化するために必要な触媒という見方もできます。大腸菌みたいに。 なぜ人間が生きているのか、そしてなぜ地球や世界があるのかなど、そこまで空想が拡がってしまいます。妄想に近いですね、これは。
4.10(木)読了
M&Aシリーズ第3作目。密室ミステリィ。 <あらすじ> 天才数学者、天王寺博士の邸宅のパーティーに招かれた、N大学2年生の西之園萌絵。天王寺博士を敬愛する、N大学助教授の犀川創平も共に行く。邸宅の前にそびえ立つ巨大なオリオン像。それが霧の夜に忽然と消えてしまう。博士が消したのだ。12年前にも1度消したようで、消滅の謎を解けた者に莫大な遺産を相続すると言ったそうだ。 パーティーをおこなったクリスマス・イヴの夜、博士の子と孫が死ぬ。子はオリオン像の前で、孫は自分の母親の部屋で死んでいる。さて、これはどういうことか……。 私はミステリィはほとんど読まないのですが、この本のトリックはおそらく簡単だと思います。普通に読んでいても、半分以上の人は解けるのではないでしょうか。私は最初の段階でほぼ解りました。『これがトリックでなければ良いが……』と思いましたが、最終的に、『あぁ、やっぱり……』となってしまいました。 おそらくわざと、シンプルで簡単な創りにしたのだと思います。 『すべてがFになる』という処女出版作を読んだことがあるのですが、そちらの方はもっと入り組んでいたので、見破ることはできませんでした。コンピュータの時間差をトリックにしていた記憶がありますが、よく覚えていません。 もっとも、処女作は10年以上前のものなので、いま読んだらちょっと古いと思うかもしれません。ここがコンピュータやテクノロジィ関係の作品の難しさでしょうか。 一番良かったのは、犀川創平と西之園萌絵の微妙な関係です。 この2人を主役にして、森氏に心理サスペンスか恋愛小説を書いてもらいたい、と何度も思いました。森氏は絶対に恋愛小説適正があります。執筆されることを期待しましょう。 それにしても、名前が良いですね。「西之園萌絵」。誰も本名と信じないでしょう。欧州なら''von''(=貴族につけられる呼称)がつくところです。設定もそうですけど、高貴な感じがしますね。 作品全体についていえることですが、登場人物が非常に2次元的で、鮮明に頭に浮かんできます。そのまま漫画にできそう。あと、西之園萌絵は上手いこと描いていると思う、森氏。「萌絵は脚を組んだ」4度くらいでてきた。座布団1枚。 あとは「……」がものすごく多用されているのも特徴。ここまで使用している本はあまりないなぁ。ちょっと気になった。「にっこり笑った」「微笑みながら言った」「くすくすと笑った」という表現も多い。萌絵は表情豊かということでしょう(犀川も)。 いま思いついた! 「萌絵=アスカ」だ(エヴァンゲリオン)。イメージがかなり近い。漫画版7巻だったか、あの男性(名前忘れた)にアスカがせまる場面があるが、あの男性が犀川だ。 いや、感想が長くなりすぎた。なんせ読むのに4日かかりましたからね。これくらい感想を書かないと。併読して『風の谷のナウシカ』読んでいました。偉いぞ自分!
4.9(水)読了
虫使いの村脱出~トルメキア大隊救出のための土鬼族の攻城砲群壊滅まで。 虫使いの村では王蟲を培養して育てている。それを土鬼族は戦争に使用するために購入している。培養して育てた王蟲は、串刺し状態で飛行船から吊るされて、他の王蟲を誘導するわけだ。誘導された王蟲の大群は敵国や陣地を壊滅状態にし、王蟲から飛散する胞子により、その一帯は腐海に没する。物理攻撃とB兵器を兼ねた作戦です。ただし、腐海は生育し、毒を吐く植物を生み出します。排除は事実上不可能なので、その一帯は1000年以上は放棄しなければなりません。その意味ではR兵器 (radiological:放射能兵器) ともいえます。 ペジテ市(アスベルの国)の地下坑道からは、巨大な生物様の存在が発見される(巨神兵)。胡桃大の秘石がその生物の生成装置だ。秘石を起動させると、生物は心臓を作り出し、いまにも動き出しそうになる。そのため、ペジテは秘石を封印する。トルメキアはその事実を知り、属国であるペジテを侵略。ペジテ王の娘ラステル(アスベルの妹)は秘石を持って逃亡。風の谷上空で虫に襲われ、墜落。ラステルは秘石をアスベルへ渡してほしいと言い、ナウシカに手渡す。アスベルはトルメキアに戦いを挑み、ナウシカと共に腐海の底へ。そこでナウシカは秘石をアスベルへ渡す。 上記は1巻で描かれており、映画にもなっています。 ナウシカはその後、宗主国トルメキアと行動を共にし、意に反して土鬼族と戦うことになる。そして、土鬼族に囲まれたトルメキア軍を救うために、攻城砲壊滅作戦に参加、成功をおさめる、ということろまでが3巻。 トルメキアのヴ王には4人の子がいます。 上3兄弟に末っ子で唯一の娘であるクシャナ殿下。クシャナは秘石を手に入れることと、土鬼の領土を奪うことを命に受け、南進している。実は作戦不達成を口実に、クシャナを死刑にしようとする3兄弟の陰謀だった。が、途中で父であるヴ王の命であることを告げられる。クシャナは父と3兄弟から追い込められた格好となっている。クシャナ軍もわざと消耗の激しい拠点防衛に使用され、むやみに数を減らされる。 参謀として軍大学院から派遣されたクロトアは、実は監視役の任を受けている。しかし、監視役はお役御免となった後は、処分される運命にある。そのため、クロトアはクシャナと組み、王権奪取を目論む。その第一歩がトルメキア大隊の救出、クシャナ軍への編成というわけだ。 ふう、理解するだけで大変。ざっと読んだだけでは、話の内容はおそらく理解できません。これから読む方は、真剣に読まれることをお勧め致します。4巻へ続く。
4.8(火)読了
腐海の底脱出~土鬼族を束ねる僧正の死亡まで。 アニメ版では登場しない「土鬼(ドルク)」という一族や、虫使いという職業の者たちが出てきます。 この物語は、ヴ王率いる「トルメキア軍」とその自治国である「風の谷」等の小国家、51国からなる「土鬼」諸侯国の3つの国と地域の戦いです。映画ではトルメキア軍VS風の谷としてえがかれていましたが、実はもっと広大で入り組んだ設定です。 第2巻の途中までがアニメ版で描かれている部分です。それ以降はまったく初めて見ます。ますます複雑になってきているので、読むのにかなり時間がかかります。頭を使わないと理解ができません。 「虫使い」という職業は、かなり低位の者として扱われています。昔の日本でいえば、穢多・否人といったところでしょうか。現在の日本の職業ではちょっと見当たりません。 今は存在するか知りませんが、野犬を撲殺する公務員(?)の方がいたと聞いたことがあります。感覚的にはそれにちょっと近いのかな。あるいは、エジプトでピラミッドを盗掘して生計を立てている「泥棒の村」だとか。うーん、それも違うなぁ。 舞台設定は中東の砂漠だそうです。 『アラビアのロレンス』という映画がありますが、雰囲気はそれに近いものがあります。トルメキアは東ローマ帝国をモデルにしているそうですが、これもイメージがぴったりです。 4.7(月)読了 4.6(日)読了
4.5(土)読了
各新人文学賞の紹介、選び方などが具体的に書かれているHOW TO本。 一般的に文学の新人賞といっても、それぞれ賞のジャンル、傾向というものがあります。たとえば、ミステリィ系の新人賞に純文学を送ったり、ジュニア小説に70歳のおじいちゃんが「自分史」を送ったりしたら(けっこうあるそうです)、確実に1次落ちします。あたりまえですね。 作品を送りたい人は、その賞のジャンルと傾向を把握することが必要です。最低でも、その賞を主催している雑誌を1年分くらいは読んだり、過去の受賞作を読んだりの努力はしたいものです。 あとは、「テニオハ」などの基本的な日本語。新人賞でもノンジャンルや短編などは、1500作品くらい送られてくることがあるそうです。その中の半分くらいは、日本語になっていない(読むに堪えない)ものや、ストーリィに矛盾がある「箸棒原稿」(箸にも棒にもかからない原稿=論外作品)だそうです。 9割は1次選考で落とされて、残るのは、だいたい1割くらいです。5割は論外、4割は日本語が書いているだけ、ということでしょうか。残りの1割が「読むに堪える」作品というわけです。なんか切ない。 新人賞を獲っても、執筆依頼がくる保障はありません。逆に、こないのが普通だそうです。 それでは、どうすれば良いか? 自分から出版社に作品を持ち込むわけです。「○○新人賞受賞」というのはここで生きます。出版社に持ち込みをしても、普通なら門前払いですが、受賞者の作品なら、少なくとも編集者に読んでもらえます。強力な名刺になります。 ……だそうです。 そのほか、日本の有力な新人賞のジャンル、傾向、応募規定などについて書かれています。新人賞を目指す方にとっては参考になる本です。小説作法などについては書かれていないので、文章の書き方を学びたい人は、他の本を読んだ方が良いでしょう。
4.4(金)読了
村上春樹の超短編集。 とても短いお話が35編掲載されています。一作1600文字以内、原稿用紙4枚なので、ショートショートの部類に入ると思います。 洋服とパーカー万年筆の会社の広告に併せて作成された作品のようですが、洋服も万年筆もまったくでてきません。鉛筆削りがでてきますが、競合文具を主題に書いてもいいのか、とちょっと思ってしまいました。 村上氏独特(?)の軽い文体で書かれています。私はけっこう好きですが、この文体を嫌いな人もいるようです。 物語自体は、オチらしいオチがあまりなく、ナンセンス小説といった感じです。「で、オチは?」とつっこんでしまうあなたは、関西人。 フラットな感覚になりたい人、もしくは脱力感(いいすぎか)を感じたい人は読むといいでしょう。 テレビのCM中や寝る前など、ちょっとした時間に読むには最適なので、「重宝本」といえます、私にとって。 「風の唄を聴け」まだ見つかりません。あなたにあげる! という危篤な人がいらっしゃいましたら、ご一報ください。 |
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