読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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8.30(火)読了 PR
8.27(土)読了
手塚治虫氏の講演会やエッセイに書かれた文章を一冊にまとめた本。2008年初版ですから、割と新しい本です。 1970年代から没前の1988年までのさまざまな文章が掲載されています。最後のものは、1988年に梅花女子短期大学で講演したときのものですが、梅花大学付近は手塚氏の大学と近く、幼少期にはその付近で遊んでいたこともあるそうです。また、奥さんが梅花出身で、娘さんも梅花ということです。縁が深い場所ですね。 宇宙、医療、マンガについて、生命についてなど、テーマはあらゆる方向に進んで行きます。自身が医学博士ということもあり、医療、生命に関する話題が割と多いですね。あとは死世観。ブラックジャック、火の鳥などを見ても分かるように、手塚氏は割りと、現在のスピリチュアル思想に近い死世観を持っていたようです。ブッダなんてお釈迦様をテーマとしたマンガも描いていましたので、宗教関係にも興味があったようですね。とはいっても堅苦しくなく、気軽に読める本です。
8.24(水)読了
最近なにかと忙しいので、図書館で漫画を借りて読むことにしました。ブラックジャックは何度も読んだのですが、そのなかでは比較的読んだ回数の少ないものを選びました。 昔はブラックジャックはおっさんと思っていましたが、最近では若い外科医と思うようになりました。せいぜい30代中ごろではないでしょうか。どうみても40歳には達していないでしょう。そんな若さでゴルゴ13に負けず劣らずのアクションと仕事への熱意。あれでモグリの医者でなければと思うのですが、七巻では、彼がなぜ金を貯めているのかの疑問の一端が解き明かされます。母親を殺した自衛隊や建設業者を探して殺すためにお金が必要だったのですね。かなり捻くれた性格で、マザコンでもあると思います。まあ、生い立ちが生い立ちなので仕方がないのでしょうか。 ブラックジャックはもう一冊16巻を借りるつもりだったのですが、棚に置いておいたら、いつのまにかガキンチョに持って行かれてしまいました。恐るべき子どもたち(コクトー)。
8.21(月)読了
東京ベイブリッジに立てこもった斎藤家と住民たちは、政府の懐柔策により人数を減らしていく。政府は、直系親族に身寄りのある人はそこに行ってもいい、身寄りのない人は、政府がナリタに土地を提供するのでそこに住んでもいいと言ってきた。しかしナリタは放射能汚染により人の住めない土地なので、実質的に人体実験用の提案だった。 斎藤家と一部の住人が力を合わせ、小型原発を製造することができた。これで政府は住民を攻撃できない。これにより、政府との話し合いの場を持つことができた。ともったが、政府は住民にウイルスを撒き散らす。住民はほぼ全滅したが、運良く会議に欠席した斎藤一家は難を逃れ、元自衛隊員ほか数名の住人も生き残った。彼らは小型原爆を製造し、元自衛隊員が国会議事堂に向けて原爆を打ち込む。爆発したと思いきや、打ちあがったのは大きな花火。斎藤家の3ヶ月の娘、小夜子が原爆を花火にすりかえたのだ。 小夜子はホルモン異常により、通常の何倍もの早さで成長し、とうとう中年女性の容貌となる。ここで斎藤家の原発が爆発寸前の危機に。制御棒を入れなければならないが、高熱でクレーン車が溶けてしまい万事休す。老婆のような容貌となった小夜子が水に塗らした服を幾重にも重ね着し、怪力で制御棒を原発に入れ込む。小夜子は火達磨、原発はメルトダウンの危機を脱した。 小夜子は死んだ。斎藤家は原発と豊穣な土地を抱えたまま、東京湾から切り離された。ひょっこりひょうたん島のように太平洋を漂う漂流一家となったわけだ。斎藤家は島で暮らし、春になってアメリカにたどり着いたら、子供をそちらに学校に通学させよう、などと話し合っているところで終了。 原発、放射能、首都を襲った大震災など、まさに現在を予知したかのような作品です。ちなみに執筆は1997年。原発の仕組みや描写などは非常に正確で、丁寧に取材したあとを見て取ることができます。内容もとても面白かった。篠田節子というと「絹の変容」のイメージが強く、エンターテインメントの要素が少ないと思っていたけど、この作品でイメージが変わりました。他の作品も読んでみたいと思います。
8.18(木)読了
近未来SFパニック、とでもいうのか。 舞台は近未来の日本。超高層ビル(100階以上)ばかりの日本で先祖伝来の土地を守り続ける家族の物語。裁判官である主人公は、合理化の名のもと職業を奪われてしまいます。そして特A級市民(差別社会です)の彼は、優秀な遺伝子を残すためにせっせと子作りに励みます。そこに生まれた奇形の娘。彼女はすくすくと成長し、2メートル超の幼児になります。身体だけでなく、頭のほうもすばらしい勢いで成長していきます。 土地収用法により先祖伝来の土地を奪われてしまった主人公一家。心労で祖母が死に、父親も亡くなる。国が用意した土地で新たな生活を始めたのもつかのま、その土地の地下にバナジウムが発見されたとのことで、今度はナリタに引っ越せとその土地一帯の住民に指示が出る。ナリタの地下には放射能が詰まっていてとても危険。怒り心頭の一部の住人は、その土地に立てこもり政府に抵抗する。主人公はリーダーに任命されて張り切るが……。 というのが前半150ページまで。結構長い小説なので感想は2回にわけました。なかなか面白いので、後半も楽しみです。
8.15(月)読了
エッセイ集。 篠田節子さんの本を最初に読んだのは、処女作「絹の変容」でした。きれいな文章を書く人だなと思い、久しぶりに彼女の別の本も読んでみようと思いました。 役所時代の話や、直木賞を獲ったときの話、自然環境についてなど、割とまじめな話が多い印象を受けました。文章そのものは良いのですが、句読点が多くて、読むのに少し疲れてしまいました。エッセイではなるべく句読点を少なくして、さらさらと文章を読めるように工夫をすれば読みやすくなるのではないか、と少し勉強になった読書でした。 篠田さんは宮部みゆきさんと同期で、同じ師匠をもつ同門というのは有名な話ですが、その師匠が亡くなったときの話は、読んでいてしみじみとしてしまいました。12月31日に亡くなったそうですが、年が明けて師匠からの年賀状を読んだ後に訃報が届いたのだそうです。まるで小説のような話だと思いました。
8月12(金)読了 8.9(火)読了 8.6(土)読了 8.3(水)読了 |
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