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読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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6.28(月)読了
数学者の著者がケンブリッジ大学に研究者として滞在した体験記。
藤原氏は、新田次郎と藤原ていの息子であり、『国家の品格』等多数の著書で有名な作家でもあります。そのため作家としての名声が高いですが、数学の学者としても素晴らしい能力の持ち主のようです。

ケンブリッジ大学は世界一優秀ともいわれる大学で、ノーベル賞受賞者がそこらじゅうで歩いているといっても過言ではないようです。その中で日本からの滞在者である藤原氏は、孤軍奮闘します。妻、幼い息子3人をつれてきたので、生活での問題もたくさんあったようですが、なんとかそれも乗り越えて、文化・風習・レイシズム、そして食のおそろしいほどの不味さも乗り越えて、一応の成果を出していきます。

エッセイでありながら、描写などが小説並みに盛り込まれているのは、さすが小説家の息子といったところでしょうか。とてもうつくしい文章を書く人だと思います。そして、とても面白い。落合信彦氏の『アメリカよ、あめりかよ』に雰囲気が似ているといえば分かるでしょうか。数学者の書いた本とは思えないほど(といっては失礼だが)、興味深く読むことができました。
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6.26(土)読了
角川書店の最年少役員になった後、角川春樹麻薬事件を機に退社、幻冬舎を設立した著者の手記。
見城氏は角川の知る人ぞ知る編集者だったそうで、常に300人もの作家、芸術家などと付き合っていたそうです。尾崎豊、坂本龍一、村上龍、石原慎太郎、内田康夫、中上憲次、銀色夏生……このような早々たる人物たちと付き合い、著作を売り出した物語を、氏の人生を絡めて綴っています。

幻冬舎は私の最も好きな出版社のうちのひとつです。イメージとしては、若くてフレッシュ、現代的かつ感性豊かな作品を出版している、といったところでしょうか。とても柔軟な会社というイメージがあります。
その幻冬舎は、実は角川春樹の麻薬事件がきっかけで世に現れたということは、この本を読んで始めて知りました。よくぞ角川を飛び出して幻冬舎を設立してくれた、といったところでしょうか。しかしその裏には、氏の血の滲むような努力がありました。新参会社が常識を打ち破ったことをやらなければ何も変わらない、といって3000万円以上の広告を新聞に掲載したり、12億円で一挙に62冊の文庫本を出版したり。たゆまぬ努力とリスクを恐れない勇気があったこその成功だと思います。

編集関係だけでなく、広く人生論のようにも読むことができるので、万人向けの本だと思います。対談などは重複している箇所もありますが、そこも含めて読むことで、氏の信条や考え方などがより理解できると思います。

6.24(木)3読了
バシャールという宇宙存在をチャネリングするダリル・アンカと、元格闘家の須藤元気との対談本。
実質的にダリルがチャネルするバシャールと須藤の対談となっています。

3度目の読了ですが、やはりバシャールはいい。そしてなにより、須藤元気の質問がいい。近未来のエネルギーや日本・世界の状態、政治、科学、環境問題など興味深い話がたくさん質問されています。須藤のウィットにとんだ会話もいい味を出している。バシャールたちは洒落という概念を持っていないそうですので、須藤が教えてあげる約束までしていました。

チャネリング関係の本を読んでいていつも思うのですが、対談相手が最先端の科学者だったらどのような会話が成立するでしょうか。チャネルする存在は当然人間よりも科学力が進んでいるでしょうから、現在の地球の最先端科学にもそれなりに答えられないとおかしいです。特にバシャールたちは全員がテレパシーで繋がっているそうなので、ある意味全員が科学の専門家であるはずです。須藤が少し科学関係の質問をしていましたが、バシャールはするすると別の話題に持ち込んで、須藤の質問から逃げいているような印象があります。すぱっと専門用語を駆使して回答してくれたら、信憑性が増すのですが……。

本書はそれなりに売れ行きがよかったようです。そのためか、『バシャール 坂本道行』という対談本も発行されたようです。まだ読んでいないので、機会があれば読みたいと思います。

6.22(火)読了
幼い頃、レンガ病院にいたお姉さんが自殺した。お姉さんは脳の病にかかっていたそうだ。警官だった父は個人的にその事件を追っていたが、やがて風化していく。
少年は大きくなって警察官になる。ある殺人事件の担当となったが、その事件の関係者が高校の頃の彼女と同級生の男だった。同級生の男は大企業の御曹司だったが、まったく畑違いの脳外科医となっていた。そして彼女は、父親がその企業の勤め人で、その縁で御曹司と結ばれたという。

事件を突き詰めていくと、過去のレンガ病院のお姉さんとの関わりが浮かび上がってきます。そして御曹司の企業の戦後の許されざる行為、お姉さんの自殺の理由、御曹司が医者になった理由、そして重い「宿命」。もつれ合った運命の糸が次々にほぐされていきます。

ラストはちょっとご都合主義のような気がしましたが、単なるミステリとは一風変わっています。「宿命」に焦点を当てているので、物語性はあります。

登場人物が多いので、名前と関係性を覚えるのが大変でした。ミステリは人物が多いので苦手です。せいぜい5、6人くらいまでだったらOKなのですが、10人を超えると頭が疲れてしまう。
全体的には可もなく不可もなくという作品でした。

6.20(日)読了
食料も水もどんどん尽きていく。少年たちは井戸を掘り、偶然に地下鉄の空洞にぶち当たる。どんどん進んでいくと、見知らぬ駅にたどり着く。未来の駅だ。そこで人間の生存者に出会うが、その人物は人間の足を食べていた。少年たちに驚いてショック死してしまう。そこで他の人類(未来人類)に出会う。未来の人類は劣悪な環境に順応して生きていくことができるように進化していた。どうみても人間には見えない。人類の環境破壊が生んだ産物だった。
未来人類は少年たちを襲ってきた。なんとか逃げ切った人間たちは再び小学校に戻る。次に仲間割れ。殺し合いなどが次々と起こる。最終的には仲直り。そしてダイナマイトと地震のエネルギーを利用して、一番小さい子(ユウちゃん)だけを元の世界に連れ帰す。少年の母親宛の手紙を託して。

いやぁ……すごい漫画です。
モチーフは人間の環境破壊批判。風の谷のナウシカと同じです。人間がやりたい放題に科学文明を推し進めていった結果、人類全滅、地球を不毛の世界にしてしまう、という内容です。
一番心に残ったのは、子供を想う母親の気持ちです。母親というのはあそこまで強くなれるのか、ということが漫画全編をとおしてひしひしと伝わってきます。その想いが過去、未来を隔ててさまざまな作用を引き起こし、奇跡を起こすのです。感動の物語です。
まだ読んだことのない人は、ぜひ一読をおすすめします。私的にベスト10に入る漫画です。

6.18(金)読了
コミックサイズのワイド版。
大和小学校800人を超える生徒が小学校とともに消えた。彼らは未来の地球に移動してしまったのだ。将来の地球に人類はおらず、ほとんどの場所が砂漠となってしまっていた。彼らは生き残るために必死に頑張るが、水・食料ともほとんどない。先生たちは自殺、もしくは殺害されていき、生徒だけとなってしまう。敵の襲来、ペスト騒ぎ、デマによる仲間割れ……さまざまな災難がこれでもかというほどやってくる。彼らは生き残ることができるのか?

梅図かずおの代表作の漫画。映画化もされたので、日本人ならばほとんどの人が知っていると思います。
久々に読み返してみたのですが、この漫画は傑作ですね。梅図氏独特の絵柄と途切れることのない悲惨なストーリーが効いています。漫画の賞を受賞したそうですが、納得です。

前半で好きな人物は、学校に襲来した化け物に石器で戦って朽ち果てた男の子です。自己を捨てて敵に立ち向かう……さすがですね。到底自分にはできないと思います。
呼んだことのない人は一読をお勧めします。後半も楽しみです。
6.15(火)読了
この本を読んだのは何度目だろう。
最初は図書館で借りて読み、再び借りて読み、バザーで3冊100円のうちの1冊として購入し……4、5回は読んだだろう。
小説や物語を書きたい人はたくさんいると思うが、実際に書いてみるという人は案外少ないのではないだろうか。書き方が分からない、出だしが思いつかない、プロットを考えるのが面倒だ……もったいない! もしかしたら文筆の才能があって、新人賞を受賞して作家デビューを果たすことができるかもしれないのに!

そんな初心者の疑問に答えてくれるのがこの本。小説のイロハや原稿の持ち込み方法まで、こと細かく丁寧に書き表してくれています。この本を読めば小説を書く準備はできたといえるでしょう。そしてあとは実際に書く、書く、書きまくる!(いやそれが難しいんだけどね) そして未来の作家を目指そうではないか!

小説を書くことに興味のない人でも、小説家の「思考」や苦労を知ることができるので、後学のため読んでみても損はないと思います。文章の指南書としても使用できると思いますので。割と面白いと思いますよ。
6.14(月)読了
文芸社編集の無料の季刊紙。
今季は山田悠介氏の新刊、『メモリーを消すまで』(上下)、『リアル鬼ごっこ  LIMITD』の紹介がありました。山田氏の小説は若い人を中心に人気があるようですが、正直、面白いとは思いません。内容も文章も稚拙、捻りもなければリアリティもない。誤字脱字の連発(校正しているのだろうか?)。購入して読む気にはなれないし、無料でも時間の無駄なので、あえて読みたいと思わない。ここだけの話、日本一下手な小説家と思っています(ボソッ)。

エッセイや短編小説はなかなか面白かった。新刊紹介は読む本の選定に役立つ。暇つぶしに最適な冊子といえよう。

読者投稿欄として、400字詰め5ページ前後の文章も募集している。採用されたら図書カード3000円がもらえるので、腕試しとして投稿するのもよさそうです。ただ、季刊紙なので結果が出るのが3ヶ月後です。忘れた頃に結果が出るので、気が長い人向けかも。
6.13(日)読了
自堕落な生活を送っている主人公の前に、妙な若い男が現れる。名前はトキオ。時に生きると書いてトキオだそうだ。そしてその男は、主人公の息子だと言う。

さまざまな事件があった二十年後、主人公は結婚し、一人息子を産む。名前は時男と名づける。その子は遺伝性の先天的病を患っており、やがて死ぬ運命にある。嘆き悲しんでいる妻に、主人公は、二十年前にトキオと会っていたことを告白する。トキオは自分の人生の恩人であるということを。

なかなかよくできた話です。宮部みゆきの『蒲生邸事件』に似ていると思いました。最後にはうっと胸を打たれてしまいます。
今作もそうですが、東野氏の作品のテーマは「家族」ではないでしょうか。特に、父親(もしくは母親)と息子。人でなしの親がいて、その親を憎んでいた息子がさまざまな人生遍歴を経て、ついには憎しみを手放す。大雑把にはそんなテーマがあると思います。
ちょっと長い作品ですが、読んでみて損はないと思います。
6.9(水)読了
昔、ジャンプで連載していた漫画。天才ながらも不遇(?)の人生を歩んだ人々を描いています。

全19巻でなぜかこの3巻だけ持っていなかったので、ブックプラザで100円で購入して読んでみました。南極点をアムンゼン隊と競って破れ、そのまま遭難死してしまったスコット隊。小学校3年生の頃本で読み感銘を受けた史実が漫画で描かれていてうれしかった。日本人の白瀬隊も同時期に南極点を競っていたが、こちらは技術力不足で断念したそうです。日本人として白瀬隊の逸話も知りたいところです。

他にも、メキシコ出身の17歳で死亡したシンガー、昭和初期の大個人商店「鈴木商店」など興味の惹かれる話ばかりが収録されています。

鈴木商店とは規模が違いますが、私の母方の祖父もかなり大きな企業を経営していたそうです。なんでも、大阪の長者番付に毎年名前が載っていたとか。噂に聞くところによると、軍需物資を作っていたとか。しかし、第二次世界大戦中に米軍の攻撃目標にされて焼失、戦後の農地解放で土地のほとんどを失ってしまい、一気に貧民に成り下がったとのことです。すげー過去だなー、と話を聞くたびに思います。ある意味、鈴木商店だ!


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