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読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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6.13(日)読了
自堕落な生活を送っている主人公の前に、妙な若い男が現れる。名前はトキオ。時に生きると書いてトキオだそうだ。そしてその男は、主人公の息子だと言う。

さまざまな事件があった二十年後、主人公は結婚し、一人息子を産む。名前は時男と名づける。その子は遺伝性の先天的病を患っており、やがて死ぬ運命にある。嘆き悲しんでいる妻に、主人公は、二十年前にトキオと会っていたことを告白する。トキオは自分の人生の恩人であるということを。

なかなかよくできた話です。宮部みゆきの『蒲生邸事件』に似ていると思いました。最後にはうっと胸を打たれてしまいます。
今作もそうですが、東野氏の作品のテーマは「家族」ではないでしょうか。特に、父親(もしくは母親)と息子。人でなしの親がいて、その親を憎んでいた息子がさまざまな人生遍歴を経て、ついには憎しみを手放す。大雑把にはそんなテーマがあると思います。
ちょっと長い作品ですが、読んでみて損はないと思います。
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