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読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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9.17(木)読了
政治風刺のフィクション。強烈なインパクトのある政治化が総理になり、憲法改正を国民に訴えかけてくる。そのような自体が発生した場合、日本国民はいかに誘導されやすく、自分の頭で考えることなく周囲の雰囲気に流されるかというのが主題。

この本が書かれたのは2004年ですが、政権交代や憲法改正などまさに現在の日本が直面している問題を直に捉えていて、5年前に書かれているとは思えないくらいだった。この本では40前後の若くてパワフルな野党の党首が政権交代で総理になり、改憲の国民投票を行うが、敢えてリンクさせるとこの総理は鳩山由紀夫氏ということになるのか。鳩山氏にそこまでのカリスマ性があるかどうかは疑問だが、政権交代を果たした今、日本のためにがんばってもらいたいと思う。

日本国民が周囲に流されやすいのはその通りだと思う。これは結局、偉い(と言われている)人や専門家の意見に納得し、簡単に従ってしまうのが原因なのだと思う。つまり、実際に自分の頭で考えていないということだ。国のトップについている者達にとって、大衆は適度に愚昧であるほうが都合が良いため、この流れ(もしくは国民性)はしばらく続くだろうと思う。でも、最近の大衆って意外にバカじゃないんだよね。上の都合で簡単にいかなくなる時代は近いと思う。

伊坂氏は東北大学の法学部出身ということで、憲法問題や政治に関わるテーマ(特に国体)を主題とした作品が多い。「オーデュボン」もそうだし、総理がラジコンテロに遭った作品はモロにそうだ(題名は忘れた)。特にこの「魔王」はその当時騒がれた社会問題を盛り込んで作品を作った感がある。まるで新聞の連載小説のようだと思った。陳腐といえば陳腐かな。
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