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読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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2.2(水)読了
終戦間際に召集令状を受け取った男たち。彼らのうちの一人は、敗戦時にアメリカ側と話し合いをするという極秘任務を負った、アメリカ語を話せる「特業種」の男だった。本人もまわりもそのことは知らない。彼らは北海道の最北端、最果ての島に赴任。終戦後にアメリカ軍を待っていたが、そこにやってきたのは、日露不可侵条約を破って進行してきたソ連軍だった。日本軍は戦った。そして質量共に大幅に劣るソ連軍を一方的に撃破した。しかしこの一方的な戦はソ連の策略だった。日本軍は「戦争が終結したにも関わらずソ連と戦った」という濡れ衣を着せられ、捕虜としてラーゲリへと送られることとなった……。

下巻の最後で、この物語の主人公級の人物がほとんど死にます。生き残った若い医師も、あまりの現実の儚さにラーゲリで自殺を企図します。しかし、あるものが彼に生きる力を与えます。それは、アメリカ語を話す「特業種」の男が残した、「セクサス」の訳でした。その訳とともに物語は終了します。

最後の方、泣きそうになりました。ソ連の条約破棄の侵攻、国土を守るために生命を投げ打って戦う男たち。捕虜となりラーゲリへ送られ、生体実験まがいの重労働で倒れていく彼ら。文字通り、彼らは人柱となったのです。

日本人にはあまり知られていない、日本最北端での終戦の様子が克明に描かれています。素晴らしい本なので、一読をお勧めします。

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