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読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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3.12(日)2読目
青春倒叙小説。
貴志氏の初の推理小説ですが、約7年ぶりに読み返してみましたが、よかった。当時も素晴らしい作品だとは思いましたが、2回読んでみて、より素晴らしさが判った気がします。殺人の場面や警察とのやりとりは手に汗握ります。同級生の少女との関係、複雑な家族関係、そして櫛森青年が最後に決意したけじめの取り方……。いやぁ、感動です。

内容は結構ドロドロしているのですが、じめじめせずにさらっとした印象があります。主人公の櫛森青年の性格も、いかにも好青年といった感じで、性格も良く頭も良く、とても計画殺人を犯すような人間には思えない。そのギャップがいいですね。

本章では『罪と罰』『こころ』『山月記』といった名著の引用が出てきます。どれも高校の国語の教科書でおなじみの作品ですが(『罪と罰』は違うか)、なるほど、どれもストーリーと絡んできます。櫛森青年の殺人を犯すまでの思考回路が『罪と罰』のラスコーリニコフ的で、殺人を犯す過程が『山月記』の虎で、殺人を犯した後の心理過程が『こころ』の先生ですね。

良作ですが、いくつかご都合主義的な展開もありました。たとえば、殺人用具の隠し場所を同級生に見つけられる場面とか。「そりゃご都合主義だよ」と声に出してしまいそうでした。あと、義理の元父親を殺害するというのも、心理的に正常な人間の行為とは思えない。他にもいろいろ方法があったはずだと思うのに。論理的思考ができない人間とは思えないのだけどね、櫛森青年は。

と、いくつか問題点はありますが、名作であることは間違いありません。映画化もされましたが、まずは本から読んでみてください。お勧めです。

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