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読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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11.10(火)読了
砂ばかりの砂漠のような部落に昆虫採集のためきていた教師。夜遅くになり、女一人が住んでいる砂の窪地の底に建っている一軒家に泊まることに。しかし、その家は蟻地獄そのものだった。窪地から出ようとしても梯子がなくては抜け出せず、毎日強制的に砂掘りばかりさせられる。拒否しようとも、水分は外から供給される分だけしかない。飼い殺し状態となる。
男は女を縛り上げ、土塀で梯子を作って抜け出ようとするけど、部落民に捕まり連れ戻されます。そして砂堀の作業。次第次第に男はその環境に慣れていきます。住めば都、乞食も3日やるとやめられない……。
ある日、男はカラスの捕獲のために仕掛けておいた、砂にうずめた容器のなかに水がたまっているのを発見する。男は狂喜する。これで外からの水の供給がなくなっても大丈夫だ。冬が来て春の訪れ。女は妊娠する。突然女は激しい腹痛を訴える。どうやら子宮外妊娠らしい。女は梯子で運ばれ、隣町の病院へ搬送される。梯子が残る。男は梯子を上る。あっけなく外にでられた。しかし男は再び窪地の家に戻る。まずは砂の底から水を吸い取る方法を部落の皆に自慢したい。外に出るのはそれからでも遅くはない、と。

なんとも奇妙な小説です。スティーヴン・キングのミザリーのようでもありますが、それよりももっとじわじわと責められる感じというか。人間の慣れというものはすごいものだなと。
話中に男が昆虫採集用に用意していた劇薬が出てくるけど、これはどうなったのだろうか。シンボリックでもあり、とても気になる。第一、昆虫採集に来ていた、ということからしてシンボリック。自分が罠に捕らえられ、そのまま強制労働に従事させられるのだから。

本著は世界数十カ国に翻訳されて出版されているようです。それだけのクオリティはあると思います。
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