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読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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3.30(日)読了
釈迦が解脱に至るまでの道程を主題とした小説。
シッダールタというのは、お釈迦さまの幼少時の名前です。作中にはシッダールタが仏陀と出会って問答をする場面がありますが、仏陀とは「覚醒した人」という意味があるので、シッダールタと同時代に生きた、覚醒後のシッダールタとは別の仏陀のことではないかと思います(ややこしい)。もしくは意図的に(パラレルワールド的に)シッダールタ同士を出会わせたともとれます。佛伝には(実在人物としては)シッダールタ以外の仏陀は存在しないので、後者が正しいかもしれません。ただ、仏陀の定義、どの段階に達したら仏陀になるのかによって、同時代に何人も仏陀がいてもおかしくありません。サーリプッタ(舎利佛)やモッガラーナ(目連)などは仏陀ともとれるし。新約聖書ではバプテスマのヨハネがそれといえます。

ただ、この小説はそのような細かいことは主題ではありません。沸伝とは話もかなり異なります。しかし、この小説でシッダールタが悟りをひらいていく過程はよく書かれていて、問答なども興味深いです。

ヘッセ特有の詩的な情景描写はこの本では内面描写としても書かれています。私の感想としては、ヘッセの本の中では情景描写(内面描写)が一番成功している本だと思いました。

異論、反論もあるかと思いますが、私はこの本が好きです。初めて読みましたが、何度読み直しても、そのつど発見のある味わい深い本だと思います。
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