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読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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10.20(火)読了
「たか号」というヨットでヨットレースに参加していた6名が激しい風雨のため横転。壮絶な漂流の日々の記録。

1993年の12月、「たか号」は小笠原諸島付近で横転しました。乗組員6名はかろうじて救命ボートに乗り移りましたが、荷物のほとんどはヨットとともに海に沈みます。不幸にもヨットの持ち主であるクルー1名もこの時に海の藻屑と消えてしまいます。
食料は緊急用の乾板1名分と500ミリリットルの水のみ。わずかな物品の他は着の身着のままで海に投げ出された6名。一日20ミリリットルの水と一欠けらの乾板で飢えをしのぐも、漂流から2週間あまりで4名が立て続けに死亡。涙とともに水葬する。
雨水を溜めて飲んだり、自分の尿を飲んだりして渇きを癒し、ボートで足を休めるカツオ鳥を捕まえて生のまま貪り喰って飢えを癒す2名。しかしそのうちの1名も痙攣とともに逝き、ついに大海原でたった一人取り残された佐野氏。精神状態は普通ではなく、幻覚や幻聴まで現れるしまつ。漂流から27日目、イギリス船籍の貨物船に発見され、生還を果たす。

「たか号」の漂流というのは、なんとなく知っている程度だったのですが、この本を読んでみるとその過酷さがよくわかります。わずかな食料と飲料水だけで27日間も生きていることができたというのは、軌跡だと思います。本人もそう語っています。

帰国後のマスコミの過熱ぶりも語られていますが、こういうのは恰好のマスコミネタになるのでしょう。絶望視されていた人物が、たった一人とはいえ生還を果たしたのですから。アメリカでアンデス山中に墜落した飛行機のラグビー部員の事件というのがありました。それを意識してかは分からないが、マスコミの中には、人食をしたかという質問もあったそうだ。佐野氏たちは決して人を食べなかった。怒りとともに佐野氏はそう答えたという。
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