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読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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12.5(金)読了
ブラジルの有名な預言者、ジュセリーノの予言集第2作。
ジュセリーノは去年あたりから日本でもTVで紹介されているので、知っている人も多いと思います。彼は夢の中で未来の事件を見て、起きてからそれを書きつけるという生活を数十年続けています。そしてその予言をタイプして、役場で校正証書にして、各国の必要な人に送る。

的中率90パーセントというふれこみですが、それはオーバーでしょう。外れている予言も(公表されているものを見る限り)多数あります。むしろ外れているものが多い。ほぼ外れているかも……・
もちろん当たっているものもあります。2001年の世界貿易センタービルに飛行機が突っ込むことや、阪神淡路大震災なども的中させているようです。

ちなみに2009年1月25日には、神戸大阪でM8.2の大地震が起こり、50万人の死者がでるそうです。これが本当だとすれば、あと1ヶ月ちょっとで阪神地域に住んでいる人は危険ということに……。阪神地域の人は逃げた方がいいかもしれません。

まぁ、この手の本は簡単に信じる訳にはいきませんので、注意するといった程度に留めておく方がいいかもしれません。日ごろから災害に備えて荷物を整えておく、とか。神経質になりすぎるのも精神的に疲れるので。
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12.5(金)読了
ショートショート18編。
ショートショートというと星新一や阿刀田たかしを思い出します。起承ときてあっと驚く結末には、幼い頃は楽しませてもらったものです。
一方、村上春樹のショートショートはオチらしいオチがありません。ナンセンス風味というか、雰囲気で読む作品が多いのが特徴といえば特徴です。

一番面白かったのは、ラストに書かれている「図書館奇タン」(タンはごんべんのタン)でしょうか。嫁さんのリクエストに答えて連続活劇風に書かれているのですが、図書館を題材とした作品というだけでも胸が高鳴ります。図書館の雰囲気が好きなので。

ケータイ小説大賞というのがありまして、500~1000文字でショートショートを創って面白さを競うわけです。大賞は3万円。なかなか魅了的です。
先月から応募しているのですが、早々と今月分の締め切りが近づいてきました。そろそろ捻り出さないとな。
12.4(木)読了
トコノの民という「裏返す」能力を持つ者。それが「アレ」を裏返したり、裏返されたりとさながらオセロゲームのように戦う、という物語。「洗濯屋」という記憶を消去、書き換えできる能力を持つ者もいる。

はっきりいって、面白くなかった。読んで時間の無駄を感じてしまった。
人物描写も情景描写もまったくといっていいほど立っていない。特に情景描写は酷く、ホラータッチに描かれているにも関わらず、臨場感がまったくなかった。薄っぺらい文字を追っている感じしかしなかった。
それを自分で感じているのか、なんとかして怖さを出そうとして太文字を多用している(←こんな具合に)。最悪。興醒めもいいところだ。

他人のレビューを2、3見てみたけど、みんな面白くないと書いています。この作品は他作の続編に当たるようで、前作は面白かったようです。読む順番を間違えたかな。
おそらくこの作品は、恩田陸氏のものの中でも悪い部類に入るものでしょう。人気作家の本なので読んでみたが、他作を読む気が失せてしまった。失敗だった。
12.1(月)読了
売れっ子作家30人に対談形式で読書遍歴等を聞いたもの。

作家というと大量に本を読んでいるというイメージがありますが、そうでない人も多いようです。下手に他人の本を読んでクセがつくのを避けるという人や、時間がないから読まないという人までさまざま。それこそ月2、3冊程度の人もいるようです。

複数の作家が面白いと挙げていた本を列記すると
・『オヨヨ大統領』シリーズ(小林信彦)
・『イラハイ』(佐藤哲也)
・『叫び声』(大江健三郎)
・『殺しのリスト』(ローレンス・ブロック)
・『エジプト十字架の謎』(エラリィ・クイーン)
・『ホテル・ニューハンプシャー』『熊を放つ』『ガープの世界』(ジョン・アーウィング)
・『北の夕鶴3分の2の殺人』(島田荘司)
・『風の歌を聴け』(村上春樹)
・『コインロッカーベイビーズ』(村上龍)

などです。どれも有名な作品ばかりですね。読んだことのないものは、これから読んでみようと思います。
12.1(月)読了
原田氏が20歳前後の頃に読んだ本や映画などの感想文を、40歳になった原田氏が再読して批評するという太鼓持ちのような本。

大学時代の原田氏は父親が借金で首がまわらなくなり、家庭崩壊に直面していたそうです。そんな時期に彼が読んでいたのが、主に純文学。そして日本、世界の文豪や名著といわれる本の類。個人的に、そんな時期にそんな本がよく読めたなと思う。エンターテイメントなら解るけど。

京大式ノート(というのがあったそうです)に日付と読了本の内容を簡単に書いているのですが、小さいうえに汚い文字。頭の良い人は字が汚いという法則がありますが(マーフィ?)、この人は典型だな。読めん。

批評はなかなか突いている部分もあり、うーん、と唸ることも多かった。ドストエフスキーを読むのに苦労したという箇所も同意。『カラマーゾフの兄弟』なんて一生読まない気がする。死ぬ前に冥土の土産で読むとしようか。

いちおうエッセイらしい。彼の作品(エッセイ集)は10代後半の頃にほぼすべて読ませてもらい、抱腹絶倒させてもらった。今読むと面白いかどうか自信はないが、その頃は面白かった。ありがとう。
しかるにこの本は! 若かりし頃のお茶目なメモを取り出してきて一冊でっち上げたというせこい一品。せこいぞ、原田宗典!
11.29(土)読了
心に傷を負った4人が印度のツアー旅行に旅立ち、それぞれの印度を体験するという話。
各人の物語を個別に綴り、印度旅行で4人全員が出会うというアンソロジー的形式。

遠藤周作の本は初めて読んだのですが、キリスト教に造詣が深いという程度の知識しかなかったので、この本ではむしろ仏教やヒンドゥー教の話が多かったので少々面食らいました。
宗教間の思想の違いや死生感なども書かれており、宗教を超えた宇宙観のようなものも感じさせました。

この本の中で、キリスト教の牧師になるために欧州で勉強をする青年がいるのですが、彼は結局、キリスト教だけが絶対に正しい宗教ということを押し付ける教会側に反発する発言をしてしまい、牧師になることができませんでした。
わたしは宗教的なことはあまり詳しくはありませんが、宗教という形式に嵌ってしまうと、人間どうしてもそこが一番と思うようになってしまいがちだと思います。そこには危険が潜んでいるような気がします。

常々思うのですが、宗教というものは必要ないのではないでしょうか。
心の拠り所としての信仰なら結構ですが、そこに団体が発生すれば、そこには必ず上下関係や序列が生じます。健全な序列(もしくは役割分担)ならば結構ですが、往々にして利潤や利用被利用の関係が出来上がります。本来の趣旨から離れていってしまうのです。

その意味において、宗教団体は必要ないと思います。効果よりも弊害が大きい。
国が宗教を非課税にしているのも疑問です。お布施や葬式費用も高すぎる。なぜ1、2時間のお経を(経典見ながら)読むのにン十万円も必要なのでしょうか。京都の寺の坊主は格式が高いので値段も高い、とは当の坊主が言っていた言葉ですが、格式ってなんだよ、おい。本山への上納金が高いと正直に言え!

という愚痴はさておき、遠藤周作の文章は格調高いですね。語彙云々ではなく、本全体から高いオーラのようなものが流れてきます。
機会があったら他の本も読んでみたいと思います。
11.26(水)読了
作家を主人公にした短編集。全8編。
有栖川アリスというと推理小説家といった印象が強いのですが、この本はいわゆるミステリではありません。ホラーやユーモア、出版者業界に関する情報なども書かれていて、興味深く読むことが出来ました。

「書く機械」……作家を缶詰にして書かせるという、ブラックユーモア的な作品。
「サイン会の憂鬱」……作家が地元の書店でサイン会を開く話。会には奇妙な人間ばかりが来る。
「夢物語」……治療行為で植物人間になった主人公。夢の中で物語の語り部となり、人気を博する。落ちが星新一的でおもしろい。

この3作が特によかった。
この本の出版は幻冬社ですが、作中で「幻冬社は何でも出版する怖いもの知らずの出版社だ」と書かれていておもしろい。
確かに、幻冬社っていろいろなジャンルの本を出してますよね。個人的には結構好きな出版社です。
11.25(火)読了
借金王うさぎとくらたまの共作エッセイ集。というか、うさぎが書いてくらたまが挿絵的に漫画を挿入するという形。

この2人って15歳も年が離れているけど、仲がいいんですね。
陰毛とかウンコとか下ネタ率が高い。あとは買い物、整形幼少期の内容など、その場限り適当に書き散らしています。
時期的にまだ、くらたまの不倫については書かれていない。なんかそんなのあったよね、たしか。

これと似たような共著エッセイって以前読んだことあるなー、と思って脳内を探ったところ「鳥獣対談」というタイトルが浮かんだ。
確か、群ようこと誰かが対談した本だったな。アレと似たような感じ。まぁ、お金を使ってまで読む本じゃないかと。

寝る前のひまつぶしにいいのでは。
11.24(月)読了
第10回日本ホラー小説大賞「大賞」受賞作。
「姉」という串刺しにされた女が縁日の屋台で見世物にされていた。毎年のことだった。主人公の少年はそれを見て怖いと思った。
ある日、友達の少女に、叔母夫婦が「姉」を購入して飼育していると告げられる。ふたりで見に行くことにした。
姉はいた。農家の道具小屋の中で、叔父が姉を拷問していたのだ。見つかってふたりは逃げ出す。その夜、少女は蒸発して、叔父は死んだ。
少年は中学を卒業後、東京へ行き寿司職人となる。自分の店を構えるまでになった。
ある日、少年は姉を購入するため、業者に電話をする。姉を買った。そして、拷問を始める。
毎晩の拷問は快感だった。なにせ姉は何をやってもしなないのだ。さまざまな道具を使用し、拷問をした。
だが1ヶ月も続けると、ついに姉は死んでしまった。中毒のようになった主人公は、再び業者から姉を購入。拷問を再会。3週間で死ぬ。また買う。購入のたびに値段は跳ねあがる。業者の手法だ。しかし虜となった主人公はやめられない。
不良品を安く買わせてくれるという。買う。拷問を始める。その姉は、いつぞやの少女だった。

まあまあよくできた話。ホラーというのは物足りない気もします。
作者は大学の助教授で言語学が専門だそうです。姉飼は民俗学的内容になっているので、専門に近い分野を作品にしたのでしょう。

どうも、日本ホラー小説大賞の作品レベルが落ちているような気がします。貴志裕介や瀬名氏などは、読み応え十分かつレベル的にも文句のつけようのない作品でしたが。年々落ちてきているような……。

短編が大賞を受賞したので、他3作もカップリング。
その最初の2作がなかなか酷い出来具合で、素人が急いで書いたような作品です。ホラーですらない。
最後のものだけが、かろうじてホラー的でした。いやぁ、焦った。
11.22(土)読了
大麻取締法違反容疑で捕まった中島らもの拘留所体験記。
知ってのとおり、中島らもは大酒家でヘビィスモーカーでクスリ大好き人間です。
家をがさごそ漁れば、アヤシイクスリの1つ2つ簡単に見つかります。
ある日、マトリ(麻薬取締捜査官)がやってきてガサゴソやったらでてきましたとさ。

拘留所ではさすがに難儀したそうです。2月で寒いし、暇だし。
風呂に入らない「フロスト」ややっちゃいけない鳥への餌やりなどをして楽しんだようです。
ちなみにこの本を読むのは2度目。結構面白かったので、もう1度読んでみようかと。
『アマニタパンセリナ』(マジックマッシュルーム)などの薬物大全みたいな著作を書くから捕まるんだよなぁ。らもさんらしいといえばそれまでだけど。

結局、22日間拘留されて無事釈放。保釈金300万円。懲役10ヶ月、執行猶予3年。
まぁ、執行猶予がついたのでよしとすべきでしょう。その後、階段から落下してお亡くなりになられましたとさ。




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