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読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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11.29(土)読了
心に傷を負った4人が印度のツアー旅行に旅立ち、それぞれの印度を体験するという話。
各人の物語を個別に綴り、印度旅行で4人全員が出会うというアンソロジー的形式。

遠藤周作の本は初めて読んだのですが、キリスト教に造詣が深いという程度の知識しかなかったので、この本ではむしろ仏教やヒンドゥー教の話が多かったので少々面食らいました。
宗教間の思想の違いや死生感なども書かれており、宗教を超えた宇宙観のようなものも感じさせました。

この本の中で、キリスト教の牧師になるために欧州で勉強をする青年がいるのですが、彼は結局、キリスト教だけが絶対に正しい宗教ということを押し付ける教会側に反発する発言をしてしまい、牧師になることができませんでした。
わたしは宗教的なことはあまり詳しくはありませんが、宗教という形式に嵌ってしまうと、人間どうしてもそこが一番と思うようになってしまいがちだと思います。そこには危険が潜んでいるような気がします。

常々思うのですが、宗教というものは必要ないのではないでしょうか。
心の拠り所としての信仰なら結構ですが、そこに団体が発生すれば、そこには必ず上下関係や序列が生じます。健全な序列(もしくは役割分担)ならば結構ですが、往々にして利潤や利用被利用の関係が出来上がります。本来の趣旨から離れていってしまうのです。

その意味において、宗教団体は必要ないと思います。効果よりも弊害が大きい。
国が宗教を非課税にしているのも疑問です。お布施や葬式費用も高すぎる。なぜ1、2時間のお経を(経典見ながら)読むのにン十万円も必要なのでしょうか。京都の寺の坊主は格式が高いので値段も高い、とは当の坊主が言っていた言葉ですが、格式ってなんだよ、おい。本山への上納金が高いと正直に言え!

という愚痴はさておき、遠藤周作の文章は格調高いですね。語彙云々ではなく、本全体から高いオーラのようなものが流れてきます。
機会があったら他の本も読んでみたいと思います。
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