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読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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10.22(木)読了
クジによる会長との博打。地下強制労働所でのチンコロでの博打編。
カイジは手にした2000万円で会長と1億円賭けての博打。足りない8000万円は指一本2000万円という破格の条件で担保。カイジはイカサマで勝利しようと画策するが、会長に見破られてしまい敗北。カイジは2000万円と指4本を失った。
その後カイジは、性懲りもなく例の金融業者の所へ行き、博打での戦いを申し込む。しかし3度目はない。カイジは地下強制収容所で強制労働に従事させられる。15年働き続ければ1000万円完済でき、娑婆にでられる。地下では強制労働者同士でのチンコロ賭博が催されていた。カイジはそこでも博打に手をそめ、大敗を喫してしまう。しかしそのチンコロ博打はイカサマで負けたことに気付き、敗者同士で手を組み、大勝負を挑む。

この漫画を読んでいると、つくづく賭博の恐ろしさとカイジのバカさ加減を思い知らされます。賭博は麻薬と同様に脳のある場所に反応して快感をもたらし、「ハマッて」しまう状態を作り上げるそうです。毎月パチンコやパチスロ、競馬に大金をつぎ込んでいる人は、ハマッている可能性が高い。れっきとした依存症であり、中毒です。

カイジはおそらく賭博中毒者でしょう。いくら1000万円の借金を背負ってしまったとはいえ、博打で勝利して全額返そうとは普通の人は考えません。地道に働いて返す、夜逃げする、どこかに泣きついてとりあえず肩代わりしてもらう、というのが一般的だと思います。博打で返済する……普通の精神状態でないことは確かです。
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10.22(木)読了
国際エコノミストの長谷川氏と元航空幕僚長の田母神氏の対談集。
田母神氏といえば、日本の軍備に関してお上に物申して解雇されたバリバリの核武装論者。一方の長谷川氏は核武装反対派。対談もいきなり日本の核武装論から始まります。

軍事に関する話題では双方ともなかなかの論戦を戦わせています。しかし、話が一転、政治経済に及ぶと、長谷川氏の独壇場となってしまいました。どうやら田母神氏は政経にあまり詳しくないようで、あたかも長谷川氏による政経講義のよう。この辺はスペシャリストとゼネラリストの差ですね。

軍事スタイルの国家像についての隔たりはかなりあるようでしたが、両者とも日本を良くしたいという思いは一致。そのためには日本の真の意味でのグローバル化が必要とのこと。そのためには軍事力という強力なカードが必要であり、その際たるものが核兵器であり云々。やはりここに行き着くか。

なんにせよ、このように核の問題がおおっぴらに論じられる時代になったのは進展だと思います。私個人としては核武装は反対ですが、それについて話し合いもできないのは異常だと思っています。
世界の潮流は死刑廃止論に傾いているというのに、なぜ世界は核武装化に走るのか。安全保障上の問題、国益のため、そう言ってしまえばすべてOKというのは、時代を逆行する幼稚な考えだと思います。社民党のような無策無能な防衛政策を良しとする訳ではありませんが、どこかで社民党の考え方に共感を覚えるのもまた事実です。
10.21(水)読了
Eカード編。利根川との戦い。
Eカードは皇帝、平民、奴隷の三種類のカードをそれぞれ提出し、唯一皇帝を倒せる奴隷カードでいかに皇帝を倒すか、または倒されないかを競うゲーム。カイジは聴力を賭けて利根川との対決にのぞみます。

上手くいけば数百万から1千万円以上手にすることができ、失敗しても無茶をしなければ聴力は無事。おまけに数十万から数百万円は得ることができる……。なんとも分が良い、ボランティア的な賭博です。普通の人なら聴力を失わないほどほどの所で勝負するのですが、カイジは聴力どころか下手したら脳損傷によって死んでしまうところまで勝負します(アホ)。
はっきり言うが、こんな人はいない。一瞬で確実に死ぬという条件の下で、やけっぱちになって勝負する人はいるかもしれないが、たかが数百万のために、後々障害が残る可能性を省みず勝負するなんて……。シャブでもやってんじゃねえか、カイジ?

「カイジ」は映画化されて現在放映中のため、久しぶりに読み返してみました。なんていうか、心理描写が過剰な部分もありますが、そこも魅力的な箇所です。あとはカイジがもう少し頭が良ければ……。
10.20(火)読了
「たか号」というヨットでヨットレースに参加していた6名が激しい風雨のため横転。壮絶な漂流の日々の記録。

1993年の12月、「たか号」は小笠原諸島付近で横転しました。乗組員6名はかろうじて救命ボートに乗り移りましたが、荷物のほとんどはヨットとともに海に沈みます。不幸にもヨットの持ち主であるクルー1名もこの時に海の藻屑と消えてしまいます。
食料は緊急用の乾板1名分と500ミリリットルの水のみ。わずかな物品の他は着の身着のままで海に投げ出された6名。一日20ミリリットルの水と一欠けらの乾板で飢えをしのぐも、漂流から2週間あまりで4名が立て続けに死亡。涙とともに水葬する。
雨水を溜めて飲んだり、自分の尿を飲んだりして渇きを癒し、ボートで足を休めるカツオ鳥を捕まえて生のまま貪り喰って飢えを癒す2名。しかしそのうちの1名も痙攣とともに逝き、ついに大海原でたった一人取り残された佐野氏。精神状態は普通ではなく、幻覚や幻聴まで現れるしまつ。漂流から27日目、イギリス船籍の貨物船に発見され、生還を果たす。

「たか号」の漂流というのは、なんとなく知っている程度だったのですが、この本を読んでみるとその過酷さがよくわかります。わずかな食料と飲料水だけで27日間も生きていることができたというのは、軌跡だと思います。本人もそう語っています。

帰国後のマスコミの過熱ぶりも語られていますが、こういうのは恰好のマスコミネタになるのでしょう。絶望視されていた人物が、たった一人とはいえ生還を果たしたのですから。アメリカでアンデス山中に墜落した飛行機のラグビー部員の事件というのがありました。それを意識してかは分からないが、マスコミの中には、人食をしたかという質問もあったそうだ。佐野氏たちは決して人を食べなかった。怒りとともに佐野氏はそう答えたという。
10.19(月)読了
刑務所に収監された犯罪者の日々の生活を綴ったルポ的小説。
主人公の31歳の男性は、おそらくは典型的な犯罪者として登場させているのだと思います。実在している人物と面談して、それを元に一冊の本を仕立てたのではないでしょうか。

刑務所の内情に関する本は何冊か読んだことがありますが、読むたびに、そんな所に行くものじゃないとため息をついてしまいます。「矯正」施設の性格がある場所だから当然かもしれませんが、理不尽の雨あられなので、読んでいるだけで滅入ってしまいます。人間は人間でなく、物扱いです。まぁ、甘くては意味がないのでしょうが、もうちょっと何とかならないのかと。

刑務所に関する法律「監獄法」は明治期に制定されて以来、一度も改正されていないのだそうです
。よって時代にそぐわない旧態依然の方式で刑務所は運営されています。死刑制度云々の論議も重要なのでしょうが、囚人生活の改善ももっと議論して、法律改正でよりよくすべきだと思います。法務大臣はなにをやっているのだろうか……。
10.17(土)読了
絵本、というか絵つきの私小説。
簡単なあらすじを言うと、3年間あこがれていた彼女とやっとのことデートをすることができた。映画を観て食事をして帰宅。しかしまだ彼女の声が聞きたい。そこで電話。留守電になっていたので、男はしどろもどろの伝言を入れて、最後に折り返し電話がほしいと言ってしまう。
しばらく待っても電話が来ない。めげずにもう一度電話をすると、通話中になっているではないか。もんもんと考えながら何度か電話をする。しかしずっと通話中。受話器が外れているのかと思い、NTTで調べてもらうも、そうではない。
男ははっと気がつく。もしかして、あの男と電話をしているのではないか。会社で彼女の机の前に机があるあの男。仲が良いらしく、何度も映画にも行っているようだ。そこで男は、あろうことか恋敵の男の家に電話を掛けるという暴挙にでる。……通話中。絶望的な気持ちで男は、5分ごとに彼女と恋敵の男の家に交互に電話する。そして午前2時半。ようやく彼女の家の電話と繋がることができた。しかし結末は……。

なんとも恐ろしい展開の小説です。文章は少ないですが、恋する男の希望と絶望がひしひしと伝わってきます。臨場感がハンパない。男は電話を掛けながら、さまざまなことを経験していきます。その経験の1つ1つが面白くて、頷いたり、思わず唸ってしまったりします。

10分ほど
あれば読むことができるほど短い話なので、興味のある方は読んでみてください。絶対に後悔はしないと思います。
10.16(金)読了
大学生が主人公の小説。
ほとんどストーカーのような男子が繰り広げる後輩の女性を振り向かせるための手法の数々。涙ぐましい「道端奇遇の出会い」作戦。健康な男子ならば一度は行ったことがあるであろうあの手この手に、思わず赤面してページを捲る手が震えること請け合い。そんな小説。

森見氏の作品を読むのはこれで2つめです。1冊目はファンタジー小説大賞に輝いた「太陽の塔」。この本も大学生の主人公(男子)が意中の女性に対してストーカー行為を行うという変態作品だったが、今作も同様の変態学生が主人公である。「私」という一人称を用いているところからも分かるように、彼の作品は自分自身が主人公である半自叙伝的作品……と勘繰ってしまうほどに臨場感のある男子主人公の行為の数々。いやぁ……。

風変わりな作風ですが、読むとそれなりに味のある文章であることが分かります。ストーリーではなく文章の妙で読ませるような、落語的要素のある作風です。好き嫌いがわかれるところでしょう。私は好きです。
10.14(水)読了
阪急電車の魚津線というマイナー路線を舞台にして、電車内や町並みの人間模様をユーモラスに描いた作品。

1駅ごとに主人公が入れ替わるというオムニバス形式になっています。「パピルス」誌上で連載した8駅部分で折り返して、残りの8駅は書き下ろし。恋愛を機軸として書かれていますが、どれも人物がよく書かれています。一人語りの部分などは浅田次郎を思い起こさせます。

有川氏の作品では「図書館戦争」を図書館から借りて読んだのですが、1ページ目で断念したことがあります。中学生くらいが対象の本だったようで、いきなり女子学生のような女の子が「彼氏がどうした~」などと語り合っていたのが原因です。あっ、年齢層が違う……と。

この「阪急電車」は登場人物が幼女~学生~祖母とバラけているので、全年齢層が読んで違和感がないつくりになっています。そして話がどれもおもしろい。特に学生同士の恋愛などは、胸キュン(古い)間違いなしです。お勧めの一冊です。
10.13(火)読了
バビディたちとの戦いから最終話まで。
バビディに操られてベジータはパワーアップ。悟空と戦う。2人のダメージをパワーとして吸い取り、魔人ブウが復活する。ブウは自分の内部から悪魔のブウを吐き出し(だったっけ?)、その悪のブウに吸い取られてしまう。Z戦士たちはとてもかなわない。
悟空は悟天とトランクスにフュージョンの方法を教える。さらに2人は精神と時の間で修行を積みパワーアップ。ブウを凌ぐ戦いをする。

40巻あたりから強さのインフレが急激に加速します。あっちが強くなったと思ったらこっちがまた強くないり、吸い取っては強くなり、合体しては強くなり……はっきりいって強さの末期状態。キャラクターもそれまでのシリアスさが失せて急にコミカルになります。特にピッコロ。ギャグが冴えてるとしか言いようがない。

最後には悟空が元気玉でブウを倒してめでたしめでたし。最終話はその10年後の天下一武道会。悟空は悪ブウの生まれ変わった少年と1回戦で戦う。その途中、悟空はその少年を連れて彼の生まれ故郷で一緒に修行をするといって旅立つ。おしまい。

魔人ブウの話での陰の主役はサタンである。単なるアホキャラだと思っていたが、ところどころで勇気を出して、最後には文字通り世界人類を破滅の危機から救う救世主となってしまった。すばらしい。

全部読み終わってから言うのはなんだが、DRAGON BALLはセルの章で終わるのがよかったのではないかと思う。魔人ブウの章は、これはこれで悪くはないのだが、特に必要ないと思う。
シリーズ中最もよかったのはナメック星の攻防でしょう。フリーザをはじめとしたその仲間たちとの戦いは手に汗握りました。ストーリー的にも単純ながら逸話を交えて面白く仕上がっている。

なんにせよ、DRAGON BALLが漫画史上に残る名作であることは間違いない。
10.13(火)読了
中篇の推理小説4本。
「硝子のハンマー」でヒーローヒロインだった青砥純子、榎本径が密室殺人の謎に挑む。

①インゴッドをもちいての殺人事件。
②蜘蛛を巡る殺人事件。
③プロ棋士のイカサマ殺人。
④芝居仲間による犬に関連した殺人。

①~③は新本格の推理物。④は短編で、芝居をテーマにしただけあってコミカルに描かれています。個人的には②、③がよかった。表題作の①はちょっと平凡というか、新本格すぎるというか、推理小説が苦手な自分にはあまり合わなかった。

貴志はホラー小説で小説家になって、最初の頃はホラー一筋だったのですが、次第にSF、ミステリなども発表されるようになりました。「青の炎」も倒叙物の推理小説だし。「ホラーの貴志」として定着するのに抵抗したんでしょう。他にもいろいろ書けるのだぞ、と。

「青の炎」「硝子のハンマー」「狐火の家」と3作のミステリを書いたことでマルチぶりを発揮することができたと思います。「ホラーの」という代名詞は完全に薄れましたね。
ただ、個人的には貴志氏の作品のうちでホラー(スプラッタ)が一番好きです。あまり話題にあがることはないのですが、「クリムゾンの迷宮」などは傑作だと思います。


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