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読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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4.6(月)読了
15歳の誕生日の夜に家出をした「僕」。係累のまったくない土地、高松へ。私設図書館に通ううちに、そこの司書と仲良くなり、図書館の一室で寝泊りさせてもらうことになる。

戦時中、9歳の頃に「事故」で気絶した男性。数日間失神していたが、目を覚ますと頭が悪くなっていた。抽象的なものをほとんど考えることができなくなり、文字も読めない。かろうじて数字を解することはできるが、計算はできない。不思議なことに、猫と会話をする能力が宿った。
木工所で働いていたが、社長が死に職を失う。弟に引き取られ、都のわずかな給付金で生活をしている。猫の言葉を解することから、猫探しのアルバイトのようなこともしている。

捜索中のネコを探している最中、犬に連れられてある屋敷へ。そこの亭主は自分を「」と名乗り、ネコ殺しのプロという。ネコの腹をメスで切り、取り出した心臓を旨そうに食い、鋸で首を切断して飾っている。老人はメスを握って「ジョニー・ウォーカー」を突き刺す。殺した。そしてヒッチハイクで四国へ向かう。

僕は父親が殺害されたことを新聞で知る。「ジョニー・ウォーカー」は僕の父親だった。
図書館司書の男性は実は女性で、施設責任者の40代の女性は心の傷を負った元歌手。20年以上も前に一つの音楽を発表する。タイトルは『海辺のカフカ』。恋する男性を唄った作品は、とても形而上的なものだ。そしてその男性は20年前に死んでしまったのだった。

今作品はいわゆる村上春樹の文章の中では、かなり比喩の少ない作品と思いました。素直で伸びのある文章はさすがだと思います。ほんとうに透明感のある文章です。

形而上的、もしくはニューエイジ思想のようなものも作品全般に渡って散見できます。作品の雰囲気にマッチしているので、違和感はありません。
上巻では老人と僕のつながりがまだ提示されていません。下巻に興味が続いてきます。

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