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読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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4.3(金)読了
第五回新潮ミステリー倶楽部受賞作。
架空の島で繰り広げられるミステリ。会社を辞めて暇つぶしにコンビニ強盗をはたらき、警察に護送される途中に逃亡した伊藤。気が付くと見知らぬ島に来ていた。
不思議な島だった。150年近く外界との交流を断っている萩島は、轟という男だけが日本本島と交流を持っている。
喋る案山子は未来を予知することができる。桜という青年は人殺しをする免罪符を持っている。島には一つの言い伝えがある。それは、この島には欠けているものがあり、いつか外界からやってくる人間がそれをもたらしてくれるだろう、というものであった。萩島に欠けているものとはなんだ? 案山子が喋る未来とは?

春樹チルドレンの伊坂氏が書いたミステリですが、なかなか雰囲気のある作品に仕上がっています。荒唐無稽な話だけど幼稚っぽいという訳ではなく、ありえないことがさも当然という形で存在している萩島。そういう前提で書かれているため、違和感を感じることなく読み進められます。
SF的な感覚で楽しむこともできるでしょう。

ラストもうまい具合に纏め上げられているので、読後感もまずまず良い感じです。
難をいえばちょっと長いかな。途中、中だれしてしまった部分もあります。冗長というかなんというか、一つの物事を2、3度繰り返して説明する手法は、良くも悪くも村上春樹ですね。
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