読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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3.21(土)読了
沙高楼奇譚の続編。4編からなっています。 4人の過去を持った男女が沙高楼と名付けられたビルで告白をするというお話。1作1作が独立しているので、どこからでも読むことができます。 表題作の「草原からの使者」というのは、浅田氏の好きな競馬に関する話ですが、これが一番よかった。競馬のなりたちから血脈に至るまでそこかしこに蘊蓄がちりばめられていて、とても勉強になります。 逆にラストの「星条旗は永遠なれ」はいただけない。アメリカ退役軍人の話だけど、あまりおもしろくない。意味は解るが、なんかなぁという感じがしました。 このシリーズはおもしろいので、これ以降も何作か書いて本にしてほしい。 本当に短編を書くのが上手い作家だと思います。 PR
3.19(木)2読目
いわゆる江原本。スピリチュアルについての各論が書かれています。 結婚・離婚、戦争、子育て、臓器移植、生死についてなど、読者が興味を持っていそうな事柄はほぼ網羅されているといっていいでしょう。ごく最近のホットな話題(といっても2006年度)を例にだしているので、より具体的でわかりやすいつくりになっています。列幅も広いため読みやすい(内容が少ないともいえる)。 小泉総理やポスト小泉候補者のオーラにも言及しています。それによると、4人(安倍、福田、谷垣、麻生)のなかでは、安倍元総理が最もオーラに穢れがないそうです。なるほど、まだピュアな部分が残っていそう。紫のオーラ(情愛)が強いので、政治家には向いていないもよう。福田氏は前世が防人なので外務大臣や防衛大臣が適任。麻生総理は赤と青(冷静と情熱)のオーラを兼ね備えているが、緑(無垢)のオーラもあるため、若干おこさま。谷垣氏は赤と銀が強く、小泉総理を似ているオーラだそうです。公約したことは何が何でもやり遂げるタイプ、だそうです。 個人的に谷垣氏は好きです。地味だけれども知的で誠実そうな印象があって、日本のためにがんばってくれるような気がします。、いつか総理大臣をやってもらいたいなと思っています。
3.18(水)読了
漫画家たなかみる氏がリストカットや摂食障害経験者に取材をし、その症例をポップなマンガで描いています。 たなかみる氏自身もリストカットと摂食障害の経験があって、何度も入退院を繰り返しているそうなので、なかなか生々しいマンガとなっています。 彼女の指摘でなるほどと思ったのは、リストカットは伝染するということです。たとえば、リストカット以外の症状で精神科に入院した患者にリストカットを教えると、割と簡単に実行してしまい、癖になってやめられない事態になることもあるそうです。 そして、インターネットの普及もリストカットの増加に寄与しているのだそうです。良い情報も悪い情報もいっさいがっさい得られるのがネットなので、リストカットという悪い情報の伝達を止めるのは難しいでしょう。「リスカ」という略称も悪い。レスカ(レモンスカッシュ)のようで、オシャレな雰囲気が漂う。正式名称の「手首自傷症候群」を使用すると、不気味な感じがして、自傷を始める率が減るかもしれない。手首切りですよ手首切り。断手。 カッティングシーンなども描かれているので、過去にリストカット等の経験がある人は読まないほうがいいかもしれない。「読んでたらムズムズしてきて、また切っちゃったよ~」ってなりかねないから。ご注意ください。
3.17(火)読了
7編からなる短編小説。浅田次郎としては珍しく、全編恋愛物です。 純粋な恋愛小説というよりも、男女の複雑な関係を描いているのが特徴です。特に最後の「ピエタ」は、浅田次郎の人生そのものがモチーフとなっているようです。 非常にオーソドックスに書かれていて、良いも悪いも浅田次郎色は消えています。 決して悪い作品ではないので、彼の本は時代ものが多いため、かなりギャップが大きい。時代小説を書いて、ピカレスク(悪漢小説)を書いて、恋愛小説を書いて。非常に守備範囲の広い作家です。 表題の「月のしずく」意外は、すべて女性視点というのもおもしろい。 男女二視点で書かれている短編もありますが、それも主人公は女性。男性視点の恋愛小説というのは盛り上がりに欠けるからかもしれません。恋愛小説はやはり女性がいい。
3.16(月)読了
旅行に関するエッセイ集。 台湾、中国、韓国、アメリカ、中南米、欧州など、さまざまな場所で体験したことを一冊のエッセイにまとめています。浅田氏は年間60日は外国へ行き、60日は日本のあちこちを飛び回っているようです。税制関係で移り住んでいる訳ではありません。在住はずっと日本の東京。講演や執筆旅行といったものが多いようです。 食べ物に関する記述が多い。やはり旅行の醍醐味は食事ということか。 最高に不味かった外国の料理、という記述がありました。某国(アメリカ?)某所で食べさせられたステーキ。600グラムもあろうかという豚肉をレアで(!)焼いて、ソース代わりにジャム(!)をかけて食べる。吐き出すほど不味かったそうです。 昔、アメリカにいったことがありますが、そこで初めて食べたステーキがそんな感じだった。ジャムこそのっていなかったが、分厚いレアステーキで、ソースもほとんど味がない(量が少ない)。ステーキそのものは500グラムはあるが、不味いものがボンと置かれているだけで、まず食べ物を残さない私も、ついにギブアップして半分以上を残してしまいました。だって、不味いんだもん。 私事をもうひとつ。その旅行の帰りの飛行機の中で食べたサンドイッチも不味かった。どう表現したらいいのかわからないが、とにかく不味いのである。豚の餌と表現してもいいし、残飯といってもいい。腐っていたのだろうか。 お腹は減っていたがとても食べることはできないので、ナプキンに包んで日本に持って帰りました。そのままゴミ箱へ捨てました。なむなむ。
3.15(日)読了
推理小説であり青春小説。直木賞候補作。 ある男にレイプされて、その結果生まれてきた春。家族はそのことをあまり語らずにいる。 家の近くで不振な放火が続く。奇妙なことに、放火の近くにはグラッフィティアートがペイントされている。そしてそのグラフィティアートを連続して読むと、ある単語が浮かび上がってくる。 伊坂幸太郎氏はとても人気のある作家ですが、いままでこの人の作品を読んだことはありませんでした。 数行読んでまず感じたのは、「村上春樹だ」。 村上春樹の作風と酷似しています。事象や感情を変わった比喩を使って繰り返したり、さらりと文章を書いたり。好き嫌いがわかれる文体だと思います。私は嫌いではないが、好きでもない。 内容は、レイプ犯によって生まれてきた少年の、自分の出自に対する葛藤とその昇華、というところでしょうか。暗くならないように、サラリと書かれています。 タイトルの「重力ピエロ」もセンスがあっていい。まさにこれが主題といってもいいと思います。 伊坂氏の作品に『オーデュボンの祈り』というものがあるそうです、衝撃的な本とのことです。今度読んでみたいと思います。 3.12(木)読了
3.11(水)読了
小説家へのアンケート本の中で、どなたかが(伊坂幸太郎氏だったかな?)が絶賛していたので、読んでみました。 小学校5年生の主人公の少女が、スパイのニコライ、ニコラス、オヨヨ大統領などという子供だましのようなネーミングの人たち相手に大活躍するという話です。漫才と冒険活劇をミックスしたような感じですが、おそろしく場面展開が早い。 さっきまで動物園にいたと思ったら、急に潜水艦に乗り込んで変な島に行き、ヘリコプターに乗って大脱出する。原爆がどうの米軍が嫌いだの、少々風刺めいたところもあり、いろいろな意味でごちゃまぜ。 絵本を卒業した子供やせいぜい小学生を対象とした本のようで、ひらがなを多用した軽い文章で書かれています。 さすがに面白いとは感じませんでしたが、小学生の頃に読んだら面白いと感じたかもしれない。『ズッコケ3人組』シリーズとか好きだったし。 続編の『怪人オヨヨ大統領』もまとめて図書館で借りたのですが、読むかどうかは微妙。気が向いたら読んでみます。
3.10(火)読了
プリズンホテルシリーズ完結編。 前回はパープーお清と結婚した小説家が、今回はついに直木賞ならぬ「日本文芸大賞」を受賞する。それも大本命で「ブッちぎりの恋愛物語」である『哀愁のカルボナーラ』をさし抜いての受賞に、担当者の荻原みどりは号泣。 一方、52年間の投獄生活から出所したかつての同門相手に、プリズンホテルの極道一同は祝儀チンチロリン大会を開いたが思わぬ大敗。黒田は5000万円、その他の者もじいさんに大金を巻き上げられて抜け殻となる。 役者志望の13才の女子に繁は一目惚れし、服部シェフは請われてクラウンホテルのグランシェフとなり、奥湯元あじさいホテルを去る。 小説家の育ての母、富子は失踪。ジュショウインタビューの最中に電話があり、どうやら病院で死を待つ身となっているらしい。小説家は涙ながらに死なないでくれと叫ぶが、電話は切れてしまう。 全四巻の堂々の完結編は大団円で終わりを迎えました。 こうして四冊を読んでみると、あらためて浅田次郎という作家は多種の作品を書くことのできる人物だと思いました。 本人いわく「偉大な習作」と呼んでいるようですが、なるほど、いかにも習作という感じがする作品です。つくりが荒い部分もあり、やや大味になってはいますが、四冊とも軽妙におもしろく仕上がっています。 それにしても、パープーお清の母親は心臓病を患って大変だったはずですが、小説家と結婚して一緒に暮らしはじめてから登場してしません。いったいどこにいったのでしょう? そこは無視して終わってしまったか。
3.8(日)読了
人間とバケネズミとの戦い。バケネズミは人間の子供を洗脳し、その子の呪力を使用して人間たちを襲わせる。その子は、八丁標の外に逃亡した守と真里麻の産んだ子だった。守と真里麻は子を産んだ後、子どもを奪われ、バケネズミに殺されたのだ。 最終的には子供は殺され、バケネズミ側の氾濫は失敗に終わる。禁断であったバケネズミのDNAを、覚が調べたところ、新事実が明らかになった。バケネズミの染色体は、人間と同じ23対。かつて、呪力をもたない人間を迫害し、追い詰めていった歴史があった。呪力をもつ人間たちは、お互いに呪力をもって殺し合いをおこなうことを避けるために、自身の内に攻撃抑制のDNAを植え付ける。これは、殺意をもって人間を攻撃した場合、呪力によってホルモンが異常作動を起こして死に至るというものだ。だが、問題があった。呪力をもたない人間たちに攻撃抑制を作動させることはできないため、その者たちは、別のモノに変化させられた。ハダカデバネズミのDNAと融合させて、バケネズミにされたのだ。 なんとなく『猿の惑星』を思わせるようなラストでした。人間が一番偉く、それ以外の生物はあくまでモノであるという、ヒューマニズムに対する痛烈な批判がこもっているような印象があります。 内容はまずまずなのですが、ハードブックの上下巻あわせて1073ページは納得がいかない。 上巻での感想でも書いたけど、いらない文章や場面が結構あるように思う。ダラダラと文章を書いている感じは否めない。半分とはいわないまでも、700ページくらいに縮めて密度を濃くしてほしかった。 あと、この本は、主人公の渡辺早季の一人称視点で、過去を回想する形式で進行しているが、早季の思考がご都合主義ような気がする。主人公が仮定した事柄が、ことごとく現実の内容になっている。これはしらける。もう少し複線を張ったり、合理的で納得のいく説明がほしかった。 大味でずんぐりといった印象。食べ物にたとえるとロブスターか。 貴志氏の既刊本と比べると、辛い点数をつけざるをえ得ない。まぁ、好みの問題かもしれないけど。設定は悪くないため、惜しい一冊といえる。 |
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