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読書日記を感想文的に書き綴っています。「お知らせ」には日々の雑感、興味のある分野を記載しています。
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5.7(月)読了
作家・よしもとばななとスリピチュアリスト・ゲリーボーネルの対談。
ばなな氏はオカルト関係が滅法好きなようで、本書の他にもいくつかの霊能者との対談集を見たことがあります。ゲリーとも数十年来の親友のようで、一緒に旅行に行ったり、何十時間も話し合ったりしたこともあったそうです。

ゲリーはアカシックレコードにアクセスして、過去現在未来のすべてを見ることができる能力を持っています。そのほか霊を視ることができたり、オーラを視ることができたりと、さまざまな能力の保有者のようです。

おもしろかった。私はその手の世界を信じているし、好きだから。イエスがチビで小デブの陽気な人間だったなんて初耳だった。欧米でこんな発言したら殴られるのだろうな。
ゲリーの本もばなな氏の本も何冊も読んだことがありますが、ゲリーは割と学術的、ばなな氏は冷たい(といったら御弊があるが)作風の作家というイメージがある。どちらにも共通するのは「超」個性的ということだろう。どちらも個人主義なんですね。

そんなゲリーとばなな氏の対談なので、内容は推して知るべしといったところですが、読んでみるとやはりそのとおりでした。その手の世界をまったく信じていない人にとってはいい年したキ○ガイの対談と思われることでしょう。
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2.25(木)読了
ユーモア短編集。「家」に関する短編6編を収録。
去年か一昨年に一度読んだのですが、あまりの面白さに再読してしまいました。
やはりどれも面白かった。特に最後の「妻と玄米ご飯」は傑作だと思う。作者自身を主人公にした作品なのだが、作家の苦悩ぶりににやりとさせられる。身近な人物を登場人物にしてこきおろすのは、やめておいたほうが良いという教訓だろう。はたまた、妻は強し、か。

たしか本書は柴田練三郎賞を受賞した作品だったと思う(もしくは本屋大賞の上位入賞。失念した)。ユーモア小説はあまり読んだことがないのだが、こんなに面白いのなら他の作品も探して読了したいと思う。こんなに褒めるのは珍しいが、面白いものは面白い。しようがない。

でも、ユーモア小説って誰か書いていたっけ? ギャグやドタバタはたくさんあるけど、ユーモアは誰が……。まったく思いつかない。うーむ。第一、ユーモア小説というジャンル自体も存在しない。ミステリ、歴史、ノンフィクション、SFなどはあっても、ユーモア小説はない。ふーむ。まぁ、ぼちぼち図書館を探してみようかね。

2.24(水)読了
ウィーンに着いたベリー一家は、母親と三男の死を乗り越えて「第二次ホテルニューハンプシャー」を開始する。そのホテルは、三階部分は娼婦が住み、一階部分には過激派集団が住むというすごい環境だった。客は二階に住まわせるが、肝心な客はあまり来ない。
過激派が演劇ホールを爆破する計画を立てる。父親は身を挺してそれを阻止。そのときの怪我が原因で視力を失う。禍福は糾える縄の如し。次女の執筆した自伝的小説「大きくなりたくて」が爆発的ブームを巻き起こす。あのガープ一家の娘ということで話題を呼んだ結果だった。
大金を得たベリー一家は再びアメリカに戻り、「第三次ホテルニューハンプシャー」を開始する。長女のフラニーは、皆の力を借りて、かつてレイプされた男に復讐をする。その甲斐もあり、フラニーはレイプという忌まわしい過去を克服していった。
小人の三女は小説家として身を立てるが、自伝以外の小説が駄作であることに悩む。その結果、自殺をしてしまう。
フラニーはレイプ男から彼女を救ったジュニアと結婚。主人公も熊のぬいぐるみを着た女性(スージー)と結婚。ホテルニューハンプシャーはレイプされた女性の悩み相談をする場所となる(駆け込み寺のような所か)。
自分が醜いため生まれる子供も醜いだろう。そう思って子供を生むのを拒否する熊のスージー。そこで長女夫婦が提案。彼女たちが生んだ子供を主人公夫婦に預ければ、スージーは子供を生みたくなるだろうと……。

温かくなるような終わり方でした。基本的に「ガープの世界」「熊を放つ」と同じ世界観だと思います。家族がいて、そこでいろいろなことが起こって、そして時代が移り変わっていく。家族愛がアーヴィングの小説の根源にある、といってもいいでしょう。

巷では良い小説と絶賛されていますが、私はそうは思わない。駄作というわけではもちろんないが、長くて途中だれてしまった。内容がアメリカアメリカしていて、読んでいてちょっと疲れる部分がある。主人公は人知れず人ひとり絞め殺しているし。そんなことしていてよく悩みもしないなと。健忘症の気があるのだろうか。

好きな人はこういう小説が好きなのだろう。
一応言っておくが、悪い小説ではない。好き嫌いは趣味嗜好の問題だからしかたがない。
2.21(日)読了
元気の療養生活~関拳児との戦い(ラスト)

先生と関が夜道で親しくしているのを見て激しく動揺する元気。先生は関にプロポーズされたという。泣きじゃくる元気。翌日、元気は先生に、関との試合に勝利したらプロポーズすると約束する。先生は嬉しさのあまり泣く。
試合までの間、関は山ごもりをして野性味を取り戻す。野生の熊を一発ノックアウトして最高の状態に仕上げる。
ジム会長の父親が死去。元気の父親の試合をプロデュースしていた人。会長は泣きながら、父親のために関に勝ってくれと元気に頼む。
激闘の末、元気は関との試合に勝利する。しかし先生は手紙を残し、成田空港からヨーロッパへ旅立つ。元気は引退を決意。自宅に戻り田村元気となることを告げる。

「がんばれ元気」の最高のシーンは、十五巻での先生へのプロポーズ宣言だと思う。先生の胸中を慮ると涙腺が……。感動の一言。
試合は倒し倒されの展開。最後はアッパーカットでテンカウント。関を抱き抱えてリングを去る元気。割と素直な展開。先生が外国に旅立つのも一昔前の展開。田沼元気となり、再び高校生になることを決意する元気。元世界チャンピオンが高校に通う。すごいな。

全体的に良いできでした。30年以上前に描かれた漫画ですが、現在でも十分に通用する内容です。「おーい竜馬」しかり、小山ゆうは面白い漫画を描く。他の作品も読んでみよう。

2.20(土)読了
世界ランク7位を撃破~WBCチャンピオン海道卓を撃破、入院まで。

関との約束どおり、元気は世界ランク7位の相手を3分33秒で倒す。その後、元気は幼馴なじみで日本チャンピオンののぼるを2ラウンドKO勝利、世界ランク5位を撃破、海道の逆指名により初の世界挑戦に挑む。
海道は南米での激しい試合の数々により、パンチドランカーになっていた。頭に激しい衝撃を受けたらどうなるか分からない状態。元気のトレーナーは、自分が教えていた選手を廃人にしてしまった過去がある。それを海道とダブらせてしまい、試合前日に元気の元を去り海道側へ。海道にもしものことがあったら、一生彼の面倒を見続けるという約束をする。
試合は大激闘の末、元気が辛くも勝利を収める。あまりダメージを受けていないにもかかわらず倒れた海道。彼はパンチドランカーによって記憶喪失になってしまった。約束どおり桂浜でトレーナーと落ち合った海道。二人は生涯をともに暮らすために去っていく。
元気は入院。芦川先生が見舞いに来ているときに、世界チャンプ関も見舞いに来る。先生と関はかつて好き合った同士だが、結局、先生は三島と一緒になることを望んだ過去がある。

この二巻はかなりドラマティックな内容になっています。
海道は危険を承知で元気との試合に赴き、トレーナーは生涯をかけて海道の面倒を見る約束をする。ちょっとトレーナーは思いつめすぎだと思うし、試合前に選手のもとを去るなど言語道断だが、これらも感動の一要素となっている。
関と芦川先生はこの先どうなるのだろうか。そして元気は関を倒して統一チャンピオンとなることができるのだろうか。最終的には関と元気の芦川先生を掛けての世界タイトル戦という様相を呈すると思う。ラスト二巻に目が離せない。

2.19(金)読了
廃校となった女子高を買い取り、父親の長年の夢だったホテル経営を始めたベリー一家。ホテルの名は「ホテル・ニューハンプシャー」。5人の子供と1人の祖父、そして両親の計8人は、それぞれ問題は抱えているけれどもそれなりに仲良くやっていた。年末のある日、死んだはずの犬がクローゼットから現れたことに驚いた祖父が死亡(長男が剥製にしたものだった)。
翌年、ホテルをサーカスの一座に売り渡して一家はドイツへ。母親と三男坊は後から飛行機で来ることになっていたのだが、その飛行機がフランス沖で墜落。母親と三男坊、剥製のソローは死亡した(ソローが海に漂っていたのを警察が発見した)。

アーヴィングの最高傑作と名高い長編小説です。
アーヴィングのいつもの手法で、この小説も祖父の時代から家族遍歴を延々と述べています。そして若かりし頃の父とは母熊を飼っていたということも書かれています。アーヴィングの小説には熊は必ずといっていいほどでてきます。
長女が3人の高校生に輪姦されたり、長男がホモであったり、3男の耳が聞こえなかったり、次女が小人であったりと、設定にはかなり無理がありますが、読んでいるとそれが自然に思えてくるから不思議です。そんなの何でもないことなんだよ、大事なのは家族でいかに危機を乗り越えていくかということなんだ、というアーヴィングの声が聞こえてくるようです。そしてそれが主題なのではないかと思います。

母親と3男が死んで、ドイツ・ウィーンに降り立ったベリー家5人。上は高校生、下は10歳くらいの子供を抱えて、父親は本当に大変だと思います。下巻では父親の奮闘に期待したいところ。そして見事に「ホテル・ニューハンプシャー」の再運営を果たしてもらいたいところです。

2.16(火)読了
新人王獲得~世界ランク7位との対戦。

元気は見事新人王に輝き、無謀ともいえる東洋太平洋3位をも打ち破って、一気に東洋太平洋4位になる。そして今度は世界ランク7位との無謀な対戦。これはチャンピオン関の投げかけた強敵だった。この相手に3ラウンド30秒で勝利すれば、元気と戦おうということだ。死闘をくぐりぬけてきてレベルアップアップした元気だが、この相手には通用するのだろうか?

12巻から予想通りジェットコースター的急展開を見せている「がんばれ元気」。新人王獲得後に東洋3位との対戦というのも考えづらいが、期待に応えるようにKOノックアウト勝利を飾る元気。ここまでの対戦はKO率100パーセントだ。

さて、これで最終巻までの道筋がはっきりしました。世界ランキングを獲得して関に挑戦、見事打ち破り、父の成し遂げられなかった世界チャンピオンに輝く。めでたしめでたし。当たらずとも遠からずでしょう。どんでん返しがあればたいしたものだけど、それは望み薄。なんせ少年漫画なのだから。ここまで王道一直線なのだから。

2.14(日)読了
6編の短編集。自殺現場の訪問などオカルティックなことに興味を持つ主人公と森野夜。他人に理解されないオカルティックな趣味によって話すようになった2人は、さまざまな事件に巻き込まれていく。

恐怖小説とミステリを足して2で割ったような作品です。読み始めは平凡な作品だと思っていたのですが、読むにつれて徐々に引き込まれていきました。あっと驚くどんでん返しもあるし、作中人物(特に森野夜)のキャラも立っている。
ヒロインである森野夜は、ひとことでいうと「エコエコアザラク」。魔女的な雰囲気が作品全体に醸し出されていて、読んでいるだけで怖い。乙一は雰囲気を書くのが上手いと思った。

実は乙一の作品を読むのはこれが初めて。どちらかといえば10代から20代前半など若い人むけの作品かな。でも、それ以上の人も十分楽しめる内容になっている。
機会があったら他の作品も読んでみたいと思う。できれば今度は長編が読んでみたい。

2.12(金)読了
のぼるの後援会発足~ともこの旅立ちまで。
同じジムののぼるは新人王戦で不戦敗、元気に勝ちを譲る。そのためのぼるの後援会は激怒。のぼるはジムを移籍することになる。
元気は決勝戦で火山と戦い、壮絶な逆転KO劇を演ずる。火山は病院に運ばれる。危惧された目は見えるようになるという。しかしボクシングは引退。
石川ともこは歌手をやめ、元気の住むアパートへ来る。もちろん二人は一緒に暮らせない。ともこは元気に見送られ、新幹線で南へと向かう。
西新人王が元気のもとを訪ねてくる。彼はスポーツはスリルと危険が大事という感覚の持ち主で、これまでにレース、スキーなどさまざまな種目でチャンピオンになっては引退を繰り返している。元気を連れ出し、ともに飲んだり遊んだりする。

スリリングな展開です。火山は引退、ともこも引退(というか逃走)。のぼるは移籍。先生は友達のマンションに居候して現在は小さな会社の事務員。元気はがんばっているが、火山を血祭りにあげたあとは情緒不安定気味。そんななかで明るいキャラの西新人王の出現。これでちょっと救われた気がする。ちなみに田舎の秀才くんは見事現役で東大合格。これも明るい話題だね。

10巻の最後でともこが裸になって元気に同棲を求めるが、拒絶する元気くん。健全な少年漫画とはいえこれはどうだろう? 傷心のともこは南へ旅立つが、自殺したりしないかちょっと心配。自分が作者なら不幸な終わり方を描くだろうなぁ、ともこ。

2.11(木)読了
ガープ夫婦は、いくらかの不倫問題があるにせよ、それなりに上手く生活を続けていた。しかしあるとき、妻が車内で不倫をしていると、ガープの車が後ろからぶつかってきた。その事故で不倫相手のいちもつは4分の3が食いちぎられてしまう。次男坊は死亡し、ガープ一家はみんな大怪我お負って入院する。
ガープは長編2作を執筆する。その間さまざまなことがあった。性転換した「女性」が家に住み込むようになる。エレンジェイムズ党員のもととなった人物「エレンジェイムズ」も転がり込んでくる。娘が生まれる。問題はたくさんあったが、それなりの生活をしていた。
ガープはレスリングの練習を指導している途中、エレンジェイムズ党員に射殺される。射殺犯は幼馴みであるパーシィ家の末娘「プー」パーシィ。彼女は自分の姉のクッシィ・パーシーが死んだのは、ガープと付き合っていたことが原因だと考えた。そしてエレンジェイムズ党員となり(舌を切除)、原因であるガープを殺したのだ。

ガープの死後、登場人物全員のその後の生活が記されている。どうやって死ぬかというところまで書かれているので、「ゆりかごから墓場まで」という趣がある。まさに自伝的著書といえる。

全体的によかった。すくなくとも処女作よりは断然良い。
日々の生活がずーっと書かれているが、その合間合間にさまざまな事件が起き、葛藤している。人物もよく描かれていて、小説全体に伸びやかさのようなものが感じる。
これからアーヴィングの本を読もうと思う人は、処女作よりこちらを先に読むことをお勧めする。「熊を放つ」を先に読むと、あまりのつまらなさに投げ出して、アーヴィングという作家を箪笥の肥やしにしてしまう可能性が大(あえていう)だからだ。


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